爵位とは、立憲君主制の国家において、貴族や功労者に与えられる階級的な栄誉称号である。
爵位とは、君主国家において上下関係を表すとともに封土の有無や立場と連動する称号でもあり、国主によって臣下に与えられ、基本的に血統による世襲で受け継がれる。また、広義の爵位は王爵・帝爵のように国主の称号も含まれる。あくまで君主国家内部の階級であるが、正式な外交関係にある外国においても国家体制に関係なく格式として尊重され、爵位に応じた礼を尽くすのが外交儀礼とされる。これは多国家間の式典などでの上座下座にも関係する。
現在の日本は立憲君主国ではあるが、爵位は第二次大戦後に廃止されている。戦前日本における爵位は、上位のものから公・候・伯・子・男の順に叙される。公・候と同じ発音の言葉が続くのは、この五爵位が中国で古来から使われていたとされるものであるためで、欧州における爵位も相当する語により訳される。しかし、欧州では国によって爵位がもっと細かく分かれていたり、逆に少なかったりする場合もある。例えばロシアには公爵と伯爵しか存在しなかった。また欧州ではハプスブルグ家のオーストリア大公のみアークデューク(英:Archduke, 独:Erzherzog)という特別な爵位を使っている。
国によってその爵位の地位も異なる。特にイギリスは大陸の爵位と異なる部分も多い。そのため自国と他国(スコットランド含む)の侯爵を Marquess と Marquis として区別したり、自国と他国の伯爵を Earl と Count として区別している。またイギリスではドイツの侯爵のみ辺境伯(英:Margrave, 独:Markgraf)と呼ぶ。
他にも例えばイギリスには公爵をさす言葉にプリンス (英:Prince, 独:Fürst) とデューク (英:Duke, 独:Herzog) があり、他の欧州各国にもたいていそれに該当する言葉があるが、その地位はイギリス・フランスなどとドイツ・デンマークなどでは逆であったりする。プリンスはイギリス・フランスでは独立国家の君主(俗に言う公王)や王族の子孫に使われるため実質的にデュークより上だが、ドイツ・デンマークではデュークより下の扱いであり、侯爵と訳されることもある。
さらに、現在のイギリスにおいて産業・文化功労者に授与される一代限りのナイトの称号(日本語では勲爵士、騎士爵などと訳す)は、中世の騎士階級に準じる意味を持つが、イギリスの法律上、世襲である準男爵と同様に「貴族」として扱われない。しかし、それ以外の欧州各国では、騎士は爵位ではないものの準男爵と共に「貴族」として扱うのが一般的である。また、現在のイギリスにはナイトと準男爵の上に一代貴族である男爵も存在する。
ちなみに爵位は買うことができる→シーランド公国
他にも枢機卿等の称号もあり、中国で中世以降拡大・変更された爵位も存在する。
同時に日本古来の階級位(官位)もあるが、爵位とは違うので割愛。
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/13(土) 18:00
最終更新:2025/12/13(土) 17:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。