真田丸とは (サナダマルとは) [単語記事]

真田丸とは、以下のものを指す。

慶長19年（1614年）の大坂冬の陣において、豊臣方の武将・真田信繁（幸村）が徳川方の攻撃を食い止めるために築いた出城。詳細はWikipediaを参照。
2016年1月から放送されている、第55作目の大河ドラマ。本稿ではこちらについて解説する。

概要

大河ドラマ史上初となる真田信繁（幸村）を主人公にした作品で、原作なしのオリジナルドラマである。
脚本は2004年の「新選組！」以来2度目となる三谷幸喜、主役には同作で山南敬助役で人気を博した堺雅人が起用される。

三谷幸喜は、前作の「新選組！」と同様、今作の「真田丸」でも時代に取り残された歴史的敗者の生涯を描く。
また、英雄を父に持った人物の抱えていた誇りとコンプレックスが、本作の隠しテーマの一つとして挙げられている。

登場人物・キャスト

「新選組！」をはじめとする他の三谷作品と同様、小劇団を中心とした舞台俳優が数多く起用されている（同作の出演者も多い）。

1985年に放送されたNHK新大型時代劇「真田太平記」で真田幸村（信繁）を演じた草刈正雄が、本作ではその父・真田昌幸を演じる。この他にも、段田安則が1996年に放送された大河ドラマ「秀吉」以来20年ぶりに滝川一益を演じる他、武田勝頼役の平岳大は、かつて彼の父・平幹二朗が「武田信玄」で武田信虎を好演したことから、親子二代で武田家当主を演じたこととなる。

また、小山田茂誠を演じる高木渉は普段、声優の仕事を行っており、俳優としてドラマの出演はこの作品が初めてである。そのため、出演時にはネット上で大きな話題になった。インタビューによると、自身が声優を務めた三谷幸喜脚本のNHK人形劇に今作のプロデューサーが携わっており、オファーを受けたのがきっかけで出演が決定したとのこと。

真田家

真田一門

真田信繁　演：堺雅人
本作の主人公。昌幸の次男で通称は源次郎。後に真田幸村として戦場に名を馳せる。
真田信幸（信之）　演：大泉洋
信繁の兄。昌幸の嫡男で通称は源三郎。頭が固く糞真面目。
小県郡の国衆会議で口を挟もうとする度、室賀正武に「黙れ小童！」と怒鳴られ、発言を阻まれる。
真田昌幸　演：草刈正雄
信繁の父。通称を源五郎、武家官位を安房守と称する(後々、正式叙任)。
飄々とした態度ながら、策略のためなら平気で息子達を騙して利用したり、
元武田家重臣の春日信達を殺して裏切り者に仕立て上げるなど、手段を選ばない食わせ者。
真田信尹　演：栗原英雄
昌幸の弟。昌幸の使者として各地に出向く。
矢沢頼綱　演：綾田俊樹
昌幸の叔父。真田家一門衆。
矢沢三十郎頼幸（頼康）　演：迫田孝也
頼綱の長男。信繁の右腕。

真田家の女性

きり　演：長澤まさみ
信繁の幼馴染。父は昌幸の側近を務めている。
春（竹林院）　演：松岡茉優
薫（山手殿）　演：高畑淳子
信繁の母。昌幸の正室。公家出身。
とり（恭雲院）　演：草笛光子
信繁の祖母にして昌幸の母。
松（村松殿）　演：木村佳乃
信繁・信幸の姉。
こう（清音院殿）　演：長野里美
信幸の正室。病弱であり、跡継ぎが授からないことを嘆いている。
梅　演：黒木華
真田領内に住むきりの幼馴染。
信繁の側室となり第一子を出産するも、直後の第一次上田合戦で命を落とす。

真田家臣

小山田茂誠　演：高木渉
小山田信茂の一族。松の夫、信繁の義兄。
高梨内記　演：中原丈雄
昌幸の側近。きりの父。
出浦昌相　演：寺島進
信濃国衆の一人。真田家を陰から支える。
佐助　演：藤井隆
真田家に仕える忍び。
堀田作兵衛　演：藤本隆宏
真田の郷の地侍。梅の兄。
河原綱家　演：大野泰広
真田家家臣。

武田家

武田勝頼　演：平岳大
甲斐武田家の当主。通称は四郎。家臣からは「御屋形様」と呼ばれている。
織田の本格的な侵攻と一門、家臣の相次ぐ離反により、手勢を減らしながらも逃亡を続けたが、
田野村に隠れていたところを滝川一益に追い詰められ自害した。
武田信玄　演：林邦史朗
武田家先代当主。勝頼の父。
自害を決意した勝頼や、武田家滅亡後に昌幸の前に幻となって現れた。
穴山梅雪　演：榎木孝明
武田家一門衆筆頭。甲州攻めの前から徳川に内通していたが、
本能寺の変で混乱した京から脱出する際、落武者狩りに襲われ、ナレーションで速やかに葬られた。
小山田信茂　演：温水洋一
武田家親類衆。武田勝頼を見捨てて織田家に寝返るも、
織田信忠に「不忠者はいらぬ」と告げられ、即刻首をはねられた。
跡部勝資　演：稲荷卓央
武田家家老筆頭。勝頼に最期まで付き従い介錯を務めた。
室賀正武　演：西村雅彦
信濃国衆の一人。昌幸のことを良く思っていない。
小県郡の国衆会議では、信幸が口を挟む度に「黙れ小童！」と怒鳴り、発言を阻むのがお約束だった。
しかし、徳川に唆され昌幸の暗殺を企てるも、返り討ちに遭い死亡。奇しくもとどめを刺したのは信幸であった。
放送前はほとんど知名度の無い武将であったが、ドラマのの影響で知名度と人気が急上昇した武将の1人。
木曽義昌　演：石井愃一
信濃福島城主。武田信玄の娘婿で通称は宗太郎。
義昌の織田方への寝返りから、本作の物語が始まる。
春日信達　演：前川泰之
高坂弾正(春日虎綱)の息子。武田家重臣だったが、武田家滅亡後は織田家に仕える。
本能寺の変以後は上杉家の家臣となり、海津城代を務めていた。
景勝の信頼を得ていたものの、昌幸の策略によって殺された挙句、上杉家の裏切り者に仕立て上げられた。

北条家

北条氏政　演：高嶋政伸
関東地方を治める戦国大名。北条家先代当主。
家督を息子氏直に譲った後も実質的な権力は掌握し続けている。
また、本作では2度汁かけの逸話（詳しくは北条氏政の記事を参照）に新たな解釈が加えられている。
「食べる分だけ汁をかける。少しずつ少しずつ。わしの食べ方じゃ。
　北条の国盗り、ゆっくり味わおうではないか」
北条氏直　演：細田善彦
氏政の嫡男。北条家当主、神奈川のDQN。
小県の国衆の前では独特な口調で大きな態度を取るが、父である氏政を目の前にすると、途端にかしこまる。
板部岡江雪斎　演：山西惇
北条家家臣。

上杉家

上杉景勝　演：遠藤憲一
越後国の戦国大名。義を重んじ、弱きを助け、強きをくじくをモットーとしている。所謂お人好し。
信繁のことをえらく気に入っている。
直江兼続　演：村上新悟
上杉家重臣。慎重で疑り深い性格。
信頼している人物にこそ用心を怠らないバリトンボイスのツンデレ。

織田家

織田信長　演：吉田鋼太郎
尾張を治める戦国大名。真田家を迎え入れた直後、
家臣の明智光秀に謀反を起こされ、本能寺の変で命を落とす。
織田信忠　演：玉置玲央
信長の嫡男。本能寺の変が起こった時、二条城にいた所を明智軍に攻め込まれ自害する。
滝川一益　演：段田安則
織田家重臣。基本人はいいが、抜け目のなさは流石の織田家クオリティである。
明智光秀　演：岩下尚史
織田家重臣。信長から激しい折檻を受けた後に、本能寺の変を起こす。
長崎元家　演：松田賢二
滝川一益の家臣。
森長可：谷田歩
織田家家臣。

豊臣家

豊臣秀吉　演：小日向文世
亡き信長の跡を継ぎ、日ノ本を統一しようとしている。
北政所　演：鈴木京香
淀殿（茶々）　演：竹内結子
2度も落城を経験した女性。秀吉のお気に入り。天真爛漫だが、何かとトラブルメーカーでもある。（？）
豊臣秀次　演：新納慎也
豊臣秀頼　演：中川大志
宇喜多秀家演：高橋和也
小早川秀秋　演：浅利陽介

豊臣家臣

石田三成　演：山本耕史
通称・佐吉。内政方を任され、秀吉に信任されている。どこの馬の骨かもわからない人間には見下した態度を取るが、力量を認めるとそれ相応のもてなしをする。
大谷吉継　演：片岡愛之助
三成の良き友。のちの信繁の岳父。
加藤清正　演：新井浩文
秀吉一門。賤ヶ岳の七本槍の1人。酔うと寝る。百人力の強さを誇るが、心を大切している。
福島正則　演：深水元基
秀吉一門。賤ヶ岳の七本槍の1人。
片桐且元　演：小林隆
賤ヶ岳の七本槍の1人。まわりのせいで心労が絶えないのか、苦しんでいる。
平野長泰　演：近藤芳正
賤ヶ岳の七本槍の1人。秀吉の馬廻衆　信繁が片桐などと話しているのを遠くから聞き耳を立てようとしたり、寝転がりながらスルメを齧っている。そんなことしてるから七本槍で唯一大名になれなかったんだよ。
後藤又兵衛　演：哀川翔
毛利勝永演：岡本健一
千利休　演：桂文枝
堺の商人であり、茶人。堺奉行を務める三成や吉継とは利害が対立している。

徳川家

徳川家康　演：内野聖陽
本作のラスボス。東海地方を治める戦国大名で、官位は三河守(自称じゃなくて正式叙任)。
真田とは昌幸が武藤喜兵衛を名乗っていた時期から因縁がある。
何事にも慎重で鋭い洞察力を発揮する一方で、爪を噛む癖を阿茶局に注意される一面もある。
徳川秀忠演：星野源
阿茶局　演：斉藤由貴
家康の側室。
本多忠勝　演：藤岡弘、
徳川家重臣。通称は平八郎、仮面ライダー忠勝。
ちなみに伊賀越えを行うシーンで振り回した竹槍は、藤岡氏自ら竹を切って作ったものとか。
本多正信　演：近藤正臣
徳川家重臣。家康の良き相談役。
服部半蔵　演：浜谷健司
徳川家家臣。本能寺の変の後、明智軍の追撃から逃れるため、
絶対に笑ってはいけない伊賀越えを決行する際、
専ら「押し通ります」「全力で押し通りまする」と言い放ち、家康一行を先導した。
鳥居元忠　演：大堀こういち
大久保忠世　演：中野剛
平岩親吉　演：東武志