阪急神戸本線とは、大阪梅田駅-神戸三宮駅間を結ぶ阪急電鉄の路線である。
もしかして?→神戸線を参照
概要
大都市間の路線としては駅間が比較的長い。平均駅間距離は2.15kmと並行路線である阪神電鉄阪神本線(1.01km)の2倍以上で、JR神戸線(2.35km)にも迫る数値である。阪神間を高速運行することを前提に設計されたため、ほぼ直線的に大阪・神戸間を結んでいる。そのため、昼間は特急列車が最高115km/h、普通列車も100km/h前後のスピードで走行している。
神戸高速鉄道と直通運転を行っている。山陽電鉄とも直通運転を行っており、1984年に六甲駅構内事故で山陽電鉄回送車との衝突事故という大惨事もあった。
阪神淡路大震災の発生時には大きな被害を受けた。路線の復旧には多大なる労力が必要だった。その時の様子は、「阪急電車の全記録ドキュメント1405日」に詳しい。
その後、1998年2月15日に阪神電鉄と山陽電鉄が直通特急を運転するにあたって、六甲(御影)までの乗り入れを廃止(三宮まで縮小)したものの、阪急サイドは須磨浦公園への乗り入れの廃止、全特急新開地発着に変更。その結果、神戸線はオール8連化を達成。6両編成は西宮北口車庫で組換えを行い、順次8両編成に組成された。
神戸市営地下鉄西神・山手線との相互直通運転の構想がある。2015年度を目途に春日野道駅以西を地下化し、地下鉄との直通運転が開始される可能性がある。その時は、神戸高速鉄道との直通運転がどうなるかは分からない。また、大阪梅田側でも十三駅から梅田北ヤードの下を潜り、OsakaMetro四つ橋線との相互直通運転の構想もある。
2016年3月19日には、昨年春の宝塚本線に続き、大規模なものとしては約9年5ヶ月ぶりのダイヤ改正(2006年10月以来)が行われた。宝塚本線と同じく、10連運用に伴う連結・開放作業を減らすために、神戸三宮側1両目に女性専用車両を設定した10連固定編成を組成させ、開放作業は全廃、連結作業は3運用まで減らされた。また、朝ラッシュ時の急行運用の廃止、深夜帯の快速急行の増発やそれに合わせた今津線・伊丹線・甲陽線の増発など、改正個所は多岐にわたる。なお種別数や停車駅などに変更はない。
駅と種別
●:停車 |:通過、▲:一部停車、↑:片方向のみ運転
準
急 |
通
勤
急
行
|
急
行 |
快
速
急
行 |
通
勤
特
急 |
特
急 |
駅名 |
駅番号 |
営業キロ
(駅間)
大阪梅田起点 |
■乗換・○主な周辺施設 |
| ● |
● |
● |
● |
● |
● |
大阪梅田駅 |
HK01 |
0.0(-) |
■大阪市高速電気軌道(OsakaMetro):
御堂筋線(M16)【梅田駅】・谷町線(T20)【東梅田駅】・四つ橋線(Y11)【西梅田駅】
■阪神電鉄:阪神本線(HS 01)
■JR西日本: 京都線・神戸線(JR-A47)・
宝塚線(JR-G47)・
大阪環状線(JR-O11)【大阪駅】・
JR東西線(JR-H44)【北新地駅】
○阪急百貨店 ○阪急三番街・三十二番街
○阪急グランドビル ○大阪新阪急ホテル
○NU chayamachi ○HEP FIVE
○阪急電鉄本社ビル |
| ↑ |
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中津駅 |
HK02 |
0.9(0.9) |
○新梅田シティ |
| ● |
● |
● |
● |
● |
● |
十三駅 |
HK03 |
2.4(1.5) |
■阪急電鉄:京都本線・神戸本線
○淀川区役所 ○英真学園高等学校 |
| ↑ |
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神崎川駅 |
HK04 |
4.1(1.7) |
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| ↑ |
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園田駅 |
HK05 |
7.2(3.1) |
○園田競馬場 ○聖トマス大学 |
| ● |
● |
● |
● |
● |
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塚口駅 |
HK06 |
10.2(3.0) |
■阪急伊丹線 ○園田学園女子大学 |
| ↑ |
● |
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武庫之荘駅 |
HK07 |
12.3(2.1) |
○産業技術短期大学 |
| ↑ |
● |
▲ |
● |
● |
● |
西宮北口駅
阪急西宮
ガーデンズ前 |
HK08 |
15.6(3.3) |
■阪急今津線
○阪急西宮車庫 ○阪急西宮ガーデンズ
○アクタ西宮 ○県立芸術文化センター |
今
津
線
宝
塚
駅
か
ら
直
通
運
転 |
● |
● |
● |
● |
● |
夙川駅 |
HK09 |
18.3(2.7) |
■阪急甲陽線 ○カトリック夙川教会
○大手前大学さくら夙川キャンパス |
| ● |
● |
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芦屋川駅 |
HK10 |
21.0(2.7) |
○ヨドコウ迎賓館(重要文化財) |
| ● |
● |
● |
● |
● |
岡本駅 |
HK11 |
23.4(2.4) |
○甲南大学 ○神戸薬科大学
○甲南女子大学 |
| ● |
● |
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御影駅 |
HK12 |
25.6(2.2) |
○頌栄短期大学 |
| ● |
● |
● |
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六甲駅 |
HK13 |
27.4(1.8) |
○神戸大学 ○神戸松蔭女子学院大学 |
| ● |
● |
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王子公園駅
王子動物園・ 王子
スタジアム前 |
HK14 |
29.2(1.8) |
○王子動物園 ○王子公園
○神戸市王子スポーツセンター
○神戸海星女子学院大学 |
| ● |
● |
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春日野道駅 |
HK15 |
30.7(1.5) |
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| ● |
● |
● |
● |
● |
神戸三宮駅 |
HK16 |
32.3(1.6) |
■阪神電鉄:阪神本線(HS 32)
■神戸市営地下鉄:西神・山手線(S03)【三宮駅】・
海岸線(K01)【三宮・花時計前駅】
■神戸新交通ポートアイランド線(P01):【三宮駅】
■JR西日本 AJR神戸線【三ノ宮駅】
○そごう神戸店 ○ミント神戸 ○生田神社
○神戸国際会館 ○東急ハンズ ○神戸阪急ビル
○三宮センター街 |
| 阪急電鉄神戸高速線(神戸高速鉄道東西線)新開地駅HS 36まで直通運転 |
運行車両
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1000系
- 神戸線および宝塚線の新型車両。神戸線では1000が2013年10月から営業運転を開始した。
- 全ての種別で運用されているが、車両の仕様上10両編成の運用はできない。
- 車両不足時は宝塚線と頻繁に車両の貸し借りが行われている。
- 1011の神戸側先頭車は「1111」と1のゾロ目になっており、俗に「ポッキー」とも呼ばれている。阪急電鉄はデビューから例年、「ポッキーの日」に合わせて「11月11日大阪梅田11時11分発」の列車に当編成を充当させている。
-
9000系
- 神戸線では9000が2006年から営業運転を開始した。
- 全ての種別で運転されるオールラウンダー。平日朝は10両編成での運用もある。
- 1000系が導入される前は、当形式で宝塚線との車両の貸し借りが頻繁に行われていた。
- 営業運転開始から2010年までは9000しか配置されていなかったため、乗車することがかなり難しかった。
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8200系
- 阪急の車両で初めてLED式種別・行先表示器(阪急唯一の3色LED)・車内液晶モニターを採用した形式。増結用。
- かつては座席収納装置を搭載し、朝ラッシュ時に混雑対策で座席を収納していたが、2008年に通常の座席に改造され大きな個性はなくなってしまった。また、車内液晶モニターも現在は撤去されている。
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8000系
- ほとんどの編成が平成になってから建造されたが、初期の編成は昭和末期に建造された。
- 9000系と同じく全ての種別で運転されるオールラウンダー。平日朝は10両編成での運用もある。
- 通勤時間帯に8両編成と連結する2両編成の増結用車両もある。2019年には宝塚線から8040形も転属して使用されている。
- 一部の編成は神戸三宮寄りの2両がセミクロスシート車両となっている。
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7000系
- 神戸線の最大勢力。7000系の大半は神戸線所属。
- 製造時期や更新時期によってかなり仕様が異なる迷形式。中には9000系同然に更新された魔改造車が2編成(7007・7008)存在する。
- 9000系・8000系と同じく全ての種別で運転されるオールラウンダー。平日朝は10両編成での運用もある。一部編成には連結幌を装着するための金具が取り付けられており、日中運用を行わない10両固定編成を組む編成も現れた。
- 6両編成は今津北線で運用されている。また、増結用の2両編成もある。
-
6000系
- 神戸本線の8両編成は中間車が7000系の6050のみ存在するレア形式現在はない。よって全車両6000系の8両編成は神戸線に存在しない。増結車両を含めても本線上で運用されている6000系はわずか2両のみ。
- 神戸線の6050の2両は元々2200系という別形式の車両だったが、阪神・淡路大震災に伴う車両被災による廃車により形式が消滅し、残った2200系が全て6000系に編入されたという経歴を持つ。
- なお、上記の編成は2019年に消滅し、6050の先頭車2両は7090とされ7000系に編入された。
- この形式は日中の特急には充当しない。なお朝ラッシュ・夕ラッシュ時の特急や通勤特急には充当することがある。
- 6両編成は今津北線で、3両編成は甲陽線・今津南線で運用、増結用の2両編成など、本線以外での活躍が多い。
-
5000系
- 神戸本線の最古参。この形式は全車両が大規模な更新により前面の顔や車内が大きく変わっている。
- 6000系と同じく日中の特急には充当しない。朝ラッシュ・夕ラッシュ時の特急や通勤特急には充当することがある。
- 6両編成は今津北線で運用されている。ちなみに、阪急では初のリニューアル車の支線転属となった。
-
3000系
- 2012年までは神戸本線でも走っていた。
- 現在は神戸線系列では伊丹線に1編成が残るのみ。
運行種別
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特急
- 神戸線の主力速達種別。平日・休日の朝から夜10時頃まで運用している。
- 停車駅は新開地-神戸三宮間の各駅と、岡本、夙川、西宮北口、十三、大阪梅田。
- 日中は西宮北口-十三間の115km/h運転のために、7000系以降のワンハンドル車に運用が限定される。朝ラッシュ・夕ラッシュ時には5000系・6000系も多く特急運用に入る。
- 朝ラッシュ時には3本のみ、10両編成での運用がある。
- ほとんどが終点新開地行きだが、高速神戸行きも存在する。
-
通勤特急
- 平日の朝ラッシュ時のみ運用される種別。
- 停車駅は特急の停車駅に塚口を追加しただけである。
- 8両編成の他、10両編成での運用がある。全ての形式が使用される。10両編成の神戸三宮側先頭車には女性専用車両が設定されている。
- ほとんどが終点新開地行きだが、神戸三宮行きや高速神戸行きも存在する。
-
快速急行
- 主に夜10時以降に運用される、特急の代わりになる種別。だがなぜか朝に1本だけ大阪梅田行きが存在する。
- 停車駅は通勤特急の停車駅に六甲を追加しただけである。
- 終電間近には新開地発西宮北口行きが2本走っている。
-
急行
- 運用は、土休日早朝に大阪梅田行きが1本、平日深夜に神戸三宮行き、土休日深夜に新開地行きが1本と神戸三宮行きが存在する。このように、運用する時間が全然まとまっていない種別のため、見かける機会は少ない。
- 停車駅は新開地-西宮北口間の各駅と、塚口、十三、大阪梅田。
- 種別としては戦前から設定されている歴史ある種別で、停車駅もほとんど変化がない。
- 2016年3月18日までは平日朝ラッシュ時にも設定されていたが、すべて廃止されている。
-
臨時急行
- 神戸本線に直通している今津北線の仁川駅は、巨大競馬場である阪神競馬場の最寄り駅である。そのため、競馬のシーズン時には、仁川発大阪梅田行きの臨時列車が多数運行されている(通称「馬急」)。
- 通常の急行と異なるのは、ほとんどの列車が停車する西宮北口を通過することである。これは今津北線への配線上ホームの設置ができないためである。準急も同様の理由で通過する。
-
通勤急行
- 平日の朝・夕ラッシュに運用される種別。
- 停車駅は急行の停車駅にに武庫之荘を追加しただけである。なおこれにより、停車駅は新開地-塚口間の13駅連続停車となる。宝塚線の急行を笑えない…
- 2016年3月18日までは朝ラッシュ時に10両編成での運用もあったが、現在は廃止されている。これに伴い、神戸三宮から新開地及び高速神戸始発に変更されており、神戸高速線内でも通勤急行を見かけることが可能になった。
-
準急
- 平日の朝ラッシュに運用される種別。
- 停車駅は通勤急行の停車駅に…ではなく、神戸線内は急行から西宮北口を抜いた停車駅と同じである。つまり、通勤急行より準急のほうが速達種別なのである。
- 全ての列車が今津北線から直通してくる。以前は夕ラッシュ時にも宝塚行きが運用されていたが、乗り入れの際本線を横切るという配線がダイヤ上のネックになっていたため、2001年に廃止された。
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普通
- 終日運用されている種別。
- 日中は神戸三宮行きのみだが、朝・夕ラッシュ時には西宮北口行き、高速神戸行き、新開地行きも存在する。
関連動画
関連項目
- 大阪府-兵庫県
- 阪急電鉄
- 伊丹線
- 今津線
- 甲陽線
- 阪神本線
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