阪急8000系とは、阪急電鉄が所有する鉄道車両である。阪急としては初めてVVVFインバータ制御を本格的に採用した。
なお、神戸線の増結車である8200系、車体寸法の異なる京都線仕様の8300系についても記述する。
8000系は神宝線(神戸線・宝塚線)向けの電車として1988年(営業運転開始は1989年)に登場した。1997年までに98両が製造されている。8300系は京都線向けの電車として1989年に登場した。1995年までに84両が製造されている。
8000系・8300系の側面扉・窓の配置は7000系以前と似ているが、前面のデザインは大きく変更されており、 7000系以前の柔らかい印象のデザインから額縁スタイルと呼ばれる角ばったデザインとなった。 車内では、化粧板の色・模様が7000系以前のものとは若干異なっている。また、車椅子スペース、ドアチャイムなどのバリアフリー設備も製造当初から導入されている。ボタンを押すと窓が開閉するパワーウィンドウもこの形式から導入された。
8200系は神戸線の増結車として1995年に4両が製造された。通勤ラッシュの増結用として製造されたことから、特別仕様となっている。例えば、乗降扉は1500mm幅のワイドドアとなっており、車内の座席は折りたたみ式となっている。 ただし、現在は折りたたみ式の座席は廃止され、9000系風の座席に改造されている。車両前面のデザインは8000系や8300系の増備車としても採用されている電照式車番+くの字スタイルである。 この他、スタンションポールの設置(現在は撤去)、側面の行き先・種別表示に3色LEDの採用、下降式ロールカーテンの採用(長年阪急で採用され続けていた鎧戸式の日除けをやめた)、 ドア上へのLED式車内案内表示器・天気予報やニュースが流れるLCD画面(2014年3月に情報提供元のFM大阪がサービス終了の為、現在は撤去)の設置等、斬新な設備が多く導入されている。
8000系は神戸本線・神戸高速線、宝塚本線、今津線(今津北線)・箕面線と本線との直通列車に使用される。4両編成の8040F+8041Fは本来の用途である増結用を経て、2015年から数年間は箕面線内普通列車として使用されていたが、2020年現在は7000系の4両編成と共に8両編成として宝塚本線で運行されている(現編成変更後も、代走で箕面線へ入線経験あり)。8200系を含む2両編成は神戸本線・宝塚本線の列車の増結用に使用されていた。
2022年12月に行ったダイヤ改正で神戸線の10連運用減便・宝塚線の10連運用廃止後は箕面線でも運用を開始している。(8200系は通勤特化車両なので引き続き10連運用に入る。)一部の編成は中間に入る車両の運転台を撤去しており、今回は代走ではなく本格的に箕面線の運用に入る様である。2026年春にワンマン運転にするようだがおそらく先述した運転台撤去編成は対応改造を行うであろう。
宝塚本線用の8両編成は、能勢電鉄への直通列車「特急日生エクスプレス」にも使用される(セミクロスシート車を連結した編成)。
8300系は京都本線(特急含む)、千里線のほか、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)堺筋線への直通列車にも使用される。6両編成は、嵐山線で車両不足時・多客期の代走車両や、行楽シーズン時の臨時快速特急・直通特急として使用される事がある。先述のダイヤ改正で京都線も10連運用が廃止されたがこちらはどうなるかは不明
8000系・8300系は製造途中で仕様が何度か変更されている。おおまかな区分を以下に示す。
額縁スタイル、飾り帯あり(現在は撤去済み)。オールロングシート。
額縁スタイル、飾り帯あり(現在は撤去済み)。神戸・宝塚寄りの2両がセミクロスシート。
額縁スタイル、飾り帯なし。神戸・宝塚寄りの2両がセミクロスシート。
前面デザインが変わり、いわゆる「くの字型」になる。前面の表示幕も大型化する。
前面デザインが少し変わる(前面窓の拡大、車番が電照式に)。 台車はモノリンク式ボルスタレス台車、パンタグラフはシングルアーム化。LED車内案内表示器も設置。
額縁スタイル、飾り帯あり(現在は撤去済み)。初期型の東洋GTO-VVVFインバータ制御を搭載しているため、加減速音が他の編成と異なる。
額縁スタイル、飾り帯なし。
前面デザインが変わり、いわゆる「くの字型」になる。前面の表示幕も大型化する。
日除けは鎧戸から下降式ロールカーテンへ、パンタグラフはシングルアーム化。LED車内案内表示器も設置。
2020年よりリニューアルが開始され、第一弾として8008Fが以下の改造を受けた。
なお、これまで他形式のリニューアル改造で実施されていた、乗降ドアの窓の拡大・網棚の交換・蛍光灯カバーの更新は実施されていない。パワーウィンドウは新造時の状態のまま存置となっている。
その後、2021年に第二弾として8042Fが同様にリニューアル改造を施工された。なお8042Fは、阪急の歴史上でも初の増結車単独でリニューアル改造を受けた編成となっている。
上記に加え、以下のような改造を受けた。なお、当編成より後にリニューアル出場した8000Fは、以下の改造点を引き継いでいない。
パンタグラフ搭載の制御電動車8000形・8200形・8300形(Mc1)、中間電動車8600形・8900形(M2)、SIVとCPを搭載した中間付随車8550形・8850形(T1)、中間付随車8750形・8950形(T2)、パンタグラフ搭載の中間電動車8500形・8800形(M1)、制御電動車8100形・8400形(Mc2)、SIVとCPを搭載した制御車8150形・8250形・8450形(Tc)が存在する。
更新の欄は大規模リニューアル車を○で表記する。VVVFの欄はVVVFインバータの更新改造を受けた編成に○をつけている。
阪急3路線ラインカラーに基づいて、神戸線所属を青、宝塚線所属をオレンジ、京都線所属を緑で示す。編成表は2021年8月現在のもの。
←大阪梅田 | 神戸三宮・宝塚→ | |||||||||||
Mc1 | M2 | T1 | T2 | T2 | T1 | M1 | Mc2 | 更新 | VVVF | 備考 | ||
8000 | 8600 | 8550 | 8750 | 8780 | 8650 | 8500 | 8100 | ○ | ○ | LED種別・行先表示器搭載 | ||
8001 | 8601 | 8551 | 8751 | 8781 | 8651 | 8501 | 8101 | ※ | ※8001のみ試作VVVF、それ以外の車両はIGBT-VVVF | |||
8002 | 8602 | 8552 | 8752 | 8782 | 8652 | 8502 | 8102 | ○ | ||||
8003 | 8603 | 8553 | 8753 | 8783 | 8653 | 8503 | 8103 | |||||
8004 | 8604 | 8554 | 8754 | 8784 | 8654 | 8504 | 8104 | ○ | ||||
8005 | 8605 | 8555 | 8755 | 8785 | 8655 | 8505 | 8105 | ○ | ||||
8006 | 8606 | 8556 | 8756 | 8786 | 8656 | 8506 | 8106 | |||||
8007 | 8607 | 8557 | 8757 | 8787 | 8657 | 8507 | 8107 | |||||
8008 | 8608 | 8558 | 8758 | 8788 | 8658 | 8508 | 8108 | ○ | ○ | シングルアームパンタ搭載 LED種別・行先表示器搭載 |
||
Mc1 | M2 | T1 | T2 | T1 | T2 | M1 | Mc2 | 更新 | VVVF | 備考 | ||
8020 | 8620 | 8570 | 8770 | 8670 | 8790 | 8520 | 8120 | |||||
Mc1 | Tc | Mc1 | Tc | 更新 | VVVF | 備考 | ||||||
8040 | 8190 | 8041 | 8191 | 7024 | 7654 | 7684 | 7124 | 7000系4両と併結 箕面線予備 |
||||
Mc1 | Tc | 更新 | VVVF | 備考 | ||||||||
8030 | 8150 | 増結用 | ||||||||||
8031 | 8151 | 増結用 | ||||||||||
8032 | 8152 | 7017 | 7517 | 7667 | 7677 | 7617 | 7117 | 7000系6両と併結 | ||||
8033 | 8153 | 増結用 梅田側先頭車に連結幌フック設置 |
||||||||||
8034 | 8154 | 増結用 | ||||||||||
8035 | 8155 | 7023 | 7523 | 7763 | 7773 | 7623 | 7123 | 7000系6両と併結 | ||||
8042 | 8192 | 7001 | 7501 | 7561 | 7571 | 7601 | 7101 | ○ | ○ | 7000系6両と併結 シングルアームパンタ搭載 LED種別・行先表示器搭載 |
||
8200 | 8250 | 8200系、増結用 シングルアームパンタ搭載 |
||||||||||
8201 | 8251 | 8200系、増結用 シングルアームパンタ搭載 |
←大阪梅田・天下茶屋 | 京都河原町・北千里→ | |||||||||||
Mc1 | M2 | T1 | T2 | T2 | T1 | M1 | Mc2 | 更新 | VVVF | 備考 | ||
8300 | 8900 | 8850 | 8950 | 8980 | 8870 | 8800 | 8400 | 堺筋線用自動放送装置未搭載 | ||||
8301 | 8901 | 8851 | 8951 | 8981 | 8871 | 8801 | 8401 | 堺筋線用自動放送装置未搭載 | ||||
8302 | 8902 | 8852 | 8952 | 8982 | 8872 | 8802 | 8402 | ○ | ||||
8303 | 8903 | 8853 | 8953 | 8983 | 8873 | 8803 | 8403 | ○ | ||||
8315 | 8904 | 8865 | 8965 | 8984 | 8885 | 8815 | 8415 | ○ | シングルアームパンタ搭載 | |||
Mc1 | Tc | Mc1 | T | T | T | M1 | Mc2 | 更新 | VVVF | 備考 | ||
8330 | 8450 | 8310 | 8860 | 8960 | 8880 | 8810 | 8410 | ○ | 2両+6両 | |||
8331 | 8451 | 8312 | 8862 | 8962 | 8882 | 8812 | 8412 | 2両+6両 | ||||
8332 | 8452 | 8313 | 8863 | 8963 | 8883 | 8813 | 8413 | 2両+6両 | ||||
8333 | 8453 | 8314 | 8864 | 8964 | 8884 | 8814 | 8414 | 2両+6両 | ||||
7326 | 7456 | 8304 | 8854 | 8954 | 8874 | 8804 | 8404 | 7300系2両と併結 | ||||
7325 | 7455 | 8311 | 8861 | 8961 | 8881 | 8811 | 8411 | 7300系2両と併結 |
阪急電鉄の電車(2000系列以降) | ||
神宝線 | 5000系 - 5100系 - 6000系 - 7000系 - 8000系・8200系 - 9000系 - 1000系 | |
京都線 | 3300系 - 5300系 - 6300系 - 7300系 - 8300系 - 9300系 - 1300系 | |
引退車 | 神宝線 | 2000系・2021系・2100系 - 5200系 - 2200系 - 3000系・3100系 |
京都線 | 2800系 - 2300系 |
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最終更新:2024/12/21(土) 23:00
最終更新:2024/12/21(土) 23:00
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