秀吉(大河ドラマ)とは、1996年に放送された第35作目のNHK大河ドラマである。
1965年の大河ドラマ第3作「太閤記」以来となる、豊臣秀吉が主人公の作品。竹中直人が演じる型破りでエネルギッシュな秀吉や、威厳に満ちて父性と恐ろしさ兼ね備えた渡哲也の信長など、多くの魅力的なキャラクターが人気を集め、平均視聴率30.5% 、最高視聴率37.4%という大ヒット作となった。この記録は平成に入ってからの大河ドラマでは、1989年の「春日局」に次いで第2位である(ただし「春日局」は、平成元年であることと一昨年・一昨年が大河史上最大の名作「独眼竜政宗」「武田信玄」による高視聴率の影響もあった点も考慮する)。
原作は堺屋太一の小説「鬼と人と」(織田信長と明智光秀が主人公)「豊臣秀長~ある補佐役の生涯~」に加え、ドラマのための書き下ろし小説「秀吉~夢を超えた男~」を基にしている。そのため、豊臣秀長と明智光秀にも重点をおいて描かれており、この二人が第二の主人公と言える役割を果たしている。脚本は数多くのNHKドラマを手掛けた竹山洋が担当。この6年後には、「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」も手掛けており、こちらも高視聴率を記録した。登場人物がほぼ同じであるため、比較して見るのもまた一興である。
上述の通り、竹中直人の秀吉像は強烈なインパクトを残し、「心配ご無用!」などの流行語も数多く生まれた。また、竹中はこの18年後に大河ドラマ「軍師官兵衛」で再び秀吉を演じている。本能寺の変では、渡哲也扮する信長が切腹ではなく大量出血しながら自刎して果てるなど、今では演出不可能かもしれない壮絶な最期を見せた。
一方、若い頃の出世街道を歩む秀吉の「陽」の部分に中心を置いた反面、天下統一を果たして徐々に暴君と化する晩年の秀吉はほとんど描かれず、朝鮮出兵や千利休の切腹など豊臣家に禍いを運び込んだのは、だいたい石田三成と淀殿のせいという極端に偏る描かれ方だった(そのためか、石田三成や彼を演じた真田広之のファンからの評判はすこぶる悪い)。また、初回には竹中のアレが見えてしまったことでも物議を醸し出した。
ドラマ本編のみならず、トランペットが高らかに鳴り響くオープニングテーマ曲も非常に人気が高い。映像も少年時代の秀吉と思わしき子供が太陽の光に包まれながら疾走するスピード感溢れるものになっており、ラストに全てが崩れ去り田園風景に回帰する場面は最終回のラストシーンと重なる。
ところで、本作は大ヒットしたにも拘わらず、長らくソフト化がされなかった。ネットでは、渡哲也が属する石原プロがDVDの販売許可を許さなかったという声が上がっていたが、渡がこの9年後に平清盛役で出演した「義経」はすぐにDVD化されているため、この説は明らかに誤りである。他にも上述のアレが見えてしまった問題など色々理由が挙げられていたが、2012年にようやく完全版・総集編のDVDが販売された。
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最終更新:2025/12/13(土) 06:00
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