第442連隊戦闘団 単語


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第442連隊戦闘団とは、第二次世界大戦でアメリカ陸軍が編制した日系人を中心とした部隊である。
キャッチフレーズは「Go for Broke!(当たって砕けろ/死力を尽くせ!)」。愛称は名誉戦傷戦闘団(purple Heart battalion) 。

概要

第二次世界大戦前まで、アメリカには多くの日本人が移り住んでおり、日系二世など世代が変わりつつあった。
すべてを変えてしまったのは真珠湾攻撃で始まった対日戦争で、主に西海岸・ハワイを中心として暮らしていた日系人の多くが財産の没収、強制収容所送りとなってしまった。

アメリカとしては日本軍がもしハワイ、アメリカ西海岸に上陸した場合日系人の動向が読みきれないこともあり、厄介払い的な意味合いもこめて日系二世で陸軍士官らを中心とした第100大隊を編制、東海岸側の州へと送り込んだ。
彼らは高い士気、練度でたちまちのうちに有名になる。
そんな中、強制収容所に日系人を収容していることを日本が宣伝していることに対応するためアメリカは日系人を中心とした部隊を編成する必要に迫られる。ここでハワイ(あまりにも日系人が多いためこちらは強制収容は行われなかった)や西海岸の強制収容所から人員を募り、第442連隊戦闘団を組織する。

先行して組織された第100大隊は欧州のイタリア戦線に投入。ここで最初の戦闘を行い、数多くの犠牲を払ってイタリア各地の防衛戦を突破。ローマ解放の最有力地点まで進出したが軍上層部の意向で白人部隊にその名誉を譲ることとなっている。ここで第442連隊が欧州へ到着。第100大隊と合流。第442連隊戦闘団となってフランス戦線へと転戦する。

第32師団に編入された第442連隊戦闘団はフランス戦線で戦いを繰り広げるが、テキサス州兵大隊が孤立。ドイツ軍に包囲される事態に大統領の直接命令により第442連隊戦闘団に救出作戦が命じられる。この戦いで孤立したテキサス州兵大隊211名を救うため、第442連隊戦闘団は800名あまりの死傷者を出しつつ任務を果たした。

作戦終了後、第442連隊戦闘団を閲兵した将軍があまりに少ない所属兵士達の姿を見て、「全員を整列させろといったはずだ」というが、指揮官代理の言葉は「目の前に並ぶ兵士が全員です」と継げた。フランス戦線参加時点で2800名あまりの人員はその半数、1400名ほどにまで半減。通常、部隊の30%が失われた時点で「全滅」判定がされるが、彼らはまさしく全滅の憂き目に会いながらも敢闘したエピソードとなって、現在でもアメリカ陸軍十大戦闘の一つに数えられているという。

その後、ふたたびイタリア戦線へと転戦。かの地で終戦を迎えた。

第442連隊戦闘団の終戦までの死傷率314%(9486人)。アメリカ陸軍の中でももっとも多くの勲章授与部隊となりおよそ18000近くの勲章や賞状を受けたという。その中には議会の承認を得る最高位の名誉勲章もある。この他にも名誉戦傷(Purple Heart)勲章を多く受けたことから"名誉戦傷戦闘団"とも言われることになった。
大統領から贈られる部隊感状は7つを数え、これは現在に至るも最多という。7枚目を授与するにあたり、時の大統領トルーマン自ら連隊旗に感状を括りつけた。

第442連隊戦闘団に加わった日系人の若者の多くは自ら日系人の地位確立を目指したのかもしれない。
しかし戦後も日系人迫害は続いたが公民権運動を経て日系人はアメリカ社会に認められるようになった。まさしく血で贖った代価なのかもしれない。

第442連隊戦闘団は現在解体されたものの、すべての始まりだった第100大隊が予備役部隊としてハワイを中心に太平洋各地の基地に展開している。部隊を構成するのは現在もなお日系人やアジア系アメリカ人が占めているという。

ちなみに第442連隊戦闘団に参加した著名人としては、ダニエル・イノウエ上院議員がいる。

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関連項目

  • 軍事 / 軍事関連項目一覧
  • 第二次世界大戦
  • エリック・シンセキ

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