重甲ビーファイター 単語


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ジュウコウビーファイター

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重甲ビーファイターとは、1995年~1996年にテレビ朝日系で放映された特撮ヒーロー番組、および同作品内に登場するヒーローの名称である。

概要

メタルヒーローシリーズの14作目。前番組の『ブルースワット』が異様に重い展開で子供受けしなかったため、その反省から「異次元からの侵略者VS正義のヒーロー」というシンプルかつ正統派なヒーローものとなった。

変身用アイテムやコミカルなネーミングの敵怪人(スーパー戦隊シリーズ)、戦闘シーンで展開される異次元空間『ガオームゾーン』(宇宙刑事シリーズ)、昆虫をモチーフとしたデザイン(仮面ライダーシリーズ)など、東映特撮のある意味集大成といえる要素を多分に含んでいる。

そのためか子供受けも良く、特撮ファンからの評価も高い。

最終回スペシャルではジャンパーソンとブルースワットがゲスト参戦するというお祭り的な展開となったことも話題となった。

ストーリー

世界各地で起きた昆虫の大量発生。それについて調査していた昆虫学者・甲斐拓也はジャングルの奥にある洞窟で昆虫界の長老・老師グルと出会う。

老師グルから世界中で起きている昆虫の大量発生は侵略者が現れる前兆と聞いた拓也は向井博士にそのことを伝える。向井博士は侵略者の存在を政府に伝えるが全く相手にされず、仕方なく自分たちだけでも戦うことを決める。

そして老師グルの予言通り、異次元軍団『ジャマール』が地球に襲来。昆虫たちはジャマールに挑むが戦力の差はいかんともしがたく、次々と倒されていった。

一方、侵略者への備えとして開発していたアーマーがうまく起動せず苛立っていた向井博士と拓也。彼らの元へやって来た老師グルがアーマーへ昆虫の力を注ぎ込み、強化服『インセクトアーマー』を完成させる。

その適合者として選ばれたのが拓也と、ジャマールへ反抗の意志を見せた2人の若者・片霧大作と羽山麗であった。

彼ら3人は人類の最先端科学と昆虫族の力を併せ持つ正義の戦士・ビーファイターとなってジャマールに戦いを挑む!!

主な登場人物

甲斐拓也/ブルービート/スーパーブルービート(演:土屋大輔、スーツアクター:岡元次郎、日下秀昭(アップ)、高岩成二(アクション))
主人公の1人で、昆虫学者。インセクトアーマーは青いカブトムシ型で、パワーに優れるタイプ。知性派かつ温厚な性格で、自然をこよなく愛する優しい心の持ち主。しかし悪に対しては強い闘志を見せ、自己犠牲すらも厭わないヒーローらしさも持ち合わせる。後半でカブトから渡されたビートイングラムの力でスーパーブルービートへと重甲超進化(メタルフォーゼ)する能力を得た。
必殺技は専用武器・スティンガーブレードを使った『ビートルブレイク』、スティンガードリルを使った『ストライクブラスト』、スーパーブルービート時の必殺技はビートイングラムから強力な破壊光線を放つ『スーパーファイナルブロー』。

片霧大作/ジースタッグ(演:金井茂、スーツアクター:的場耕二(アップ)、今井靖彦(アクション))
主人公の1人で、樹木医。インセクトアーマーは緑のクワガタムシ型で、スピードに優れるタイプ。拓也とは逆の豪快な性格をした熱血漢で、そのため拓也と対立することもしばしば。漁師の息子だが水が苦手でカナヅチと意外な一面もw
必殺技は専用武器・スティンガークローを使った『レイジングスラッシュ』。

羽山麗/レッドル(初代)(演:葉月レイナ、スーツアクター:今井喜美子(アップ)、宮崎剛(アクション))
主人公の1人で、水族館のインストラクター兼動物学者。インセクトアーマーは赤いカブトムシ(メス)型で、索敵能力に優れるタイプ。中盤に戦線離脱し南米へ旅立つ(中の人がはりきり過ぎて大ケガしたため途中降板となったとのこと)。
必殺技は専用武器・スティンガープラズマーを使った『トルネードスパーク』。

鷹取舞/レッドル(2代目)(演:巴千草)
麗の後にビーファイターのメンバーになった女子大生。能天気で明るい性格だが、たとえ相手が敵であろうと分け隔てなく接しようとするなど気さくな面を持つ。

向井健三(演:笹野高史)
地球科学研究所『アースアカデミア』の日本支部長。ビーファイターの強化服『インセクトアーマー』の原型となったアーマーの開発者。一度だけ自作のアーマーを装着し『ムカイダーK3』と名乗って敵と戦ったこともある。

老師グル(声:田中康郎)
巨大なカブトムシの姿をした昆虫族の長老。向井博士が製作したアーマーに昆虫の力を与えて『インセクトアーマー』を作り出した。向井博士とは親友のような付き合い。

カブト(声:吉水孝宏)
老師グルの息子で、次元を流れ歩く商人。拓也に次元の覇者だけが使えるという武器『ビートイングラム』を渡した。最終回スペシャルでジャンパーソンとブルースワットを連れてきたのは彼である。

シャドー/ブラックビート(演:岡元次郎(初登場-43話)、高岩成二(29話)、土屋圭輔(43話以降)、ブラックビートの声:咲野俊介、スーツアクター:岡元次郎)
ジャマールが生み出した闇の戦士で、その正体は拓也のクローン。カミキリムシ型のインセクトアーマーを装着し、専用武器・スティンガービュートとジャミングマグナムを使う。余談だが演じる土屋圭輔氏は拓也役の土屋大輔氏とは実の兄弟(双子)である。

セントパピリア(演:富永アミナ)
次元の裂け目から現れた生命体。永遠の命を持つためガオームやシャドーに狙われることに。
滅びの瞬間その世界に現れるが、滅びから救うのではなく滅びた生命を蘇らせる存在なので、その世界が一度滅びる事が力を使う前提となる。
シャドーという異質な生命、そして拓也とシャドーが持つ宿命に興味を抱く。
その後ブラックビートとの戦いで死亡した拓也を蘇らせた。

ビーファイターの戦力(装備・メカニック)

共通装備

ビーコマンダー
ビーファイターの3人が持つ、甲虫の体をモチーフとした変身アイテム。内部にはインセクトアーマーが圧縮されて入っており、「重甲!!」のかけ声とともに開いて掲げると中のアーマーが分解された状態で射出され、全身を覆い変身する。戦闘後は内部でアーマーを自動修復する。
ちなみに通信機としても使える。

インセクトアーマー
向井博士がアースアカデミアにて開発していたアーマーに老師グルが昆虫の精を注ぎ込んで完成させた強化スーツで、端的に言えば「生きている鎧」。アーマーそのものが意志を持っており、適合者を自ら選ぶ。
外装はキチン質ベースの擬似甲殻細胞に大気中の金属イオン(鉄、チタン、タングステンなど)を吸着させ、特殊硬化した「インセクタイト」という物質で出来ている。
純粋な機械では無いため機械を操る電波の影響を受けないが、昆虫の弱点である寒さや食虫植物の花粉には弱い。

インプットマグナム
ビーファイターの3人が共通して持つ多機能型光線銃。側面にテンキーがついており、ここで3桁のコードを入力することでさまざまな機能を使用出来る。主な機能は以下の通り。
  • ビームモード(1-1-0)
  • 消火モード(1-1-9、話数によっては「冷却モード」と呼称、コードは「119番」から)
  • 冷凍モード(0-1-0、コードは「れい[0]・とう[10]」の語呂合わせ)
  • 火炎モード(8-1-8、コードは「ファ[8]・イ[1]・ヤ[8]」の語呂合わせ)
  • フラッシュモード(9-6-4、コードは「く[9]ら・ま[6]・し[4]」の語呂合わせ)
  • 超音波ビーム(1-0-8)
  • 熱湯モード(0-2-6、コードは「お[0]・ふ[2]・ろ[6]」の語呂合わせ)
  • 磁力ビーム(2-8-9、コードは「じ[2]し・ゃ[8]・く[9]」の語呂合わせ)
  • トリモチ (3-0-5)
パルセイバー
アースアカデミア南米支部で開発された共通装備の短剣。ヘラクレスオオカブトの能力が備わっており、危機に瀕すると繭を張る自己防衛機能が付いている。
使用者の感情が高ぶるとそれに応じて切れ味がアップし、「パルスラッシュ」という技が使えるようになる。
ビートマシン「メガヘラクレス」の起動キーでもある。
インプットマグナムにセットし「セイバーマグナム」という強化形態にすることも可能。各機能が強化され、『マキシム○○モード』と呼称されるようになる。

ソニックフラップ
全員が共通して使える機能。昆虫の羽ばたき音に似た超音波で攻撃する。

専用装備

スティンガーウェポン
各自がそれぞれ持つ専用武器。
・スティンガーブレード
ブルービート専用の武器で、ドリルのように高速回転する刃が付いた剣。
・スティンガードリル
中盤から追加されたブルービートのもう一つの専用武器。こちらは完全なドリルである。
・スティンガークロー
ジースタッグ専用の武器で、クワガタムシの角を模したクローアームが付いている。アームは回転させることが出来、これを利用して掴んだ相手を遠心力をつけて投げ飛ばすといったことも可能。
他にもアームをはずしてブーメランとしても使用可能。
・スティンガープラズマー
レッドル専用の武器で、触角を模した4連装型のイオンエネルギー発生装置が付いている。これも回転させることが可能で、敵を捕らえる網状のビームなどを射出する。

ビートイングラム
次元商人カブトからブルービートへと託された銃。カブト曰く次元の覇者たる戦士にしか扱うことが出来ないとのこと。そのためか持ち主であるブルービート以外は全く使えない(クローンであるブラックビートに対しては反応だけしたが)。
パルセイバーを合体させることで通常の20倍の威力がある「ファイナルモード」にすることが出来る。
次回作「ビーファイターカブト」にてかつて『光の意思』に味方した昆虫次元の戦士が使っていた武器と判明する。

その他

電子熱線銃
敵怪人・イカリボンバの起爆装置を遠距離から破壊する際に使用。

ムカイダーK3
ビーファイターの危機を救うため向井博士自身が自作のアーマーを装着した姿。武器はムカイダーマグナム。得意技はムカイダーパンチ、ムカイダーキック、ムカイダーフェイント(死んだフリ)。
攻撃力は高いが耐久性が低いのが弱点。昆虫パワーを持っていないが、合成獣ラズベルガ戦ではむしろそれが有利に働いた。

爆弾
ビーファイターのマークが付いた爆弾。ジャマール戦士の養成所や昆虫エネルギーを封じ込めた装置を破壊する際に使用した。

ビートマシン

昆虫の研究から作り出された巨大メカ。アースアカデミア日本支部内の重甲基地から発進する。

ビートルーダー
ブルービートが搭乗するカブトムシ型装甲車。最高時速500キロ。パワーは大型戦車5台分。
装備はビートキャノン、ビートブレイザー、ビートラクター、レスキューザイール。
スタッガータンク内に格納されているマグネアタッチメントも使用可能。

スタッガータンク
ジースタッグが搭乗するクワガタムシ型戦車。最高時速200キロ。
装備はスタッガーシザース、スタッガーキャノン、スタッグバスター。
ビートルーダー内に格納されているドリルアタッチメントを使用し、地中に潜ることも可能。

レッドジャイロ
レッドルが搭乗するジャイロジェット機。最高時速は通常時は280キロ、ブースター使用時はマッハ1.2。
装備はレッドパルサー、ジャイロタイフーン、レッドキャノン。
機体下部から伸びるワイヤーハンドにマグネアタッチメントを取り付けることで他の2機を空輸可能。
また、スタッガータンクと合体して「アタックフォーメーション」になり、強力な破壊光線「ファイヤークラッシュ」を使用可能。

メガヘラクレス(声:稲葉実)
後半から登場した6脚歩行のヘラクレスオオカブト型超巨大マシン。最高時速150キロ。
他のマシンに比べると3倍以上の大きさを持つことから「メガビートマシン」とも呼ばれる。インセクトアーマー同様に昆虫の精を吹き込まれているので、自我と命を持つ。
パルセイバーが起動キーとなっているが、改良によってオートパイロットモードが搭載されて以降はパルセイバー無しでも起動可能となった(その際、人間の言葉も話せるように)。
飛行マシン「ジェットヘラクレス」、地上用マシン「ランドヘラクレス」の2機に分離可能。
装備はメガキャノン、ビームバルカン、反磁力波。さらに3機のビートマシンを搭載することで最強形態「メガビートフォーメーション」になる。このときに最強武器「メガビートキャノン」を使用可能。その威力は「一撃で日本本土が壊滅する」というジャマールの兵器「デスガオーム」に打ち勝ったほど。

ジャマール

ガオーム率いる異次元からの侵略者。一つの組織に複数の怪人軍団が存在するというスタイルは『超人機メタルダー』のネロス帝国や『仮面ライダーBLACK RX』のクライシス帝国に似ている。

ガオーム(声:渡部猛、スーツアクター:日下秀昭)
ジャマールのボス。部下を手駒としか思っておらず、利用するだけ利用する冷酷非情な性格。ガオームゾーンと呼ばれる異空間を作り出すことができる。また手から放つ電流を武器とし、作戦に失敗した部下への制裁などに使用する。一度ビーファイターに倒されるがより凶悪な姿になって復活。
しかしどの姿も幻であり、その正体は次元の歪みから生まれた邪悪な生命体である。
そのままの体では宇宙空間の環境に適合できないため、セントパピリアから永遠の命を手に入れようとした。
続編の「ビーファイターカブト」では『闇の意思』が自らの遺志を継ぐ破壊の存在として生み出した子孫の一人であると判明。

ギガロ(演:高橋利道)
合成獣軍団の軍団長。大剣と遺伝子採取光線銃・ギガローダーが武器。
元はガロア次元からやって来た脆弱な生物で、狩りの獲物にされて瀕死の重傷を負いその際に抱いた憎悪をガオームに見込まれて部下になり、その後自らに改造を施して今の姿になった。
そのためガオームに対する忠誠心も高い。終盤では「ファイナルギガロ」へパワーアップ。ビーファイターを窮地に追い込んだ。

シュヴァルツ(声:千葉繁、スーツアクター:石垣広文)
戦闘ロボット軍団の軍団長。ジャマール製コンピュータに取り付いたウイルスが増殖して生まれた機械生命体。
常時ハイテンションな性格で、製造する武器やロボットにも奇抜なネーミングをする。
戦闘力は低いが、戦車形態「シュヴァルツタンク」へと変形したり、頭を分離させて無生物へと合体する能力を持つ。機械至上主義であり、ジャマールに所属するのも「機械の国」を作るためである。地球を滅ぼした後ジャマールを脱退して機械の国の王になろうとしていた。
生物を「生臭い」と見下していたが、最期は機械ゆえ死にたくても死ねない自分を嘆くような台詞を口にした。

ジェラ/ジーラ(演:伊藤祐子、シェリー・スウェニー(素顔時)、声:金野恵子)
傭兵軍団の軍団長。あちこちの次元で打ち負かした戦士を傭兵として自らの支配下におく女戦士。
基本は部下さえも役に立たなければ平然と切り捨てる冷酷な性格だが、相手によっては情け深さを見せることもあり、ギガロやシュヴァルツのことも仲間として憎からず思っている。武器は電磁ムチ。
実は自身もジャマールによって滅ぼされた種族の生き残りであり、滅ぼされるより滅ぼす側になろうとしてジャマールに入ったという過去を持つ。ジーラという逞しい格闘家風女性の姿になることもあるが、その仮面の下には全く異なる素顔があった。後半でジャマールを裏切る。

魔道師ジャグール(声:京田尚子)
ジャマールの司祭。異次元界でも屈指の呪術師で、邪悪な魔力でブラックビートを生み出した。
一度ブラックビートに倒されたと思われたが、最終回スペシャルで復活。「ブルースワット」のクイーンや「特捜ロボジャンパーソン」のビルゴルディを初めとする悪を再生、もしくは自身と融合させ『究極の悪』となってビーファイター、ブルースワット、ジャンパーソンに戦いを挑んだ。

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関連項目

  • メタルヒーローシリーズ
  • ビーファイターカブト(次回作・続編)
  • ブルースワット(前作・最終回スペシャルでゲスト参加)
  • 特捜ロボ ジャンパーソン(前々作・最終回スペシャルでゲスト参加)
  • ビッグ・バッド・ビートルボーグ(米国リメイク)
  • 特撮作品一覧
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