電撃小説大賞

電撃小説大賞とは、アスキー・メディアワークスが主催するライトノベルの公募新人賞。

概要

電撃文庫の創刊とともに、1994年から開始した新人賞。当初は電撃ゲーム小説大賞という名称で、電撃ゲーム3大賞の1部門という扱いだった。2004年の第11回から現在の名称に改称。コミック部門が第12回から独立したため、現在は電撃イラスト大賞とあわせて電撃大賞と呼ばれている。

第1回から長編だけでなく、短編も同時に受け付けているのが特徴で、短編が何らかの賞を受賞することも実際にある。近年は応募総数が6000を超え、国内の文学新人賞では最大の応募総数を誇る。

賞の区分は「大賞」「金賞」「銀賞」「選考委員奨励賞」のほか、第15回から始まった電撃文庫MAGAZINE掲載を想定した短編向けの「電撃文庫MAGAZINE賞」と、第16回から始まったメディアワークス文庫向けの作品を選出する「メディアワークス文庫賞」とがあり、全部合わせると毎回8作品ほど受賞作が出る。

現在の選考委員は高畑京一郎（作家？）、時雨沢恵一（作家）、佐藤竜雄（アニメ監督）、鈴木一智（アスキー・メディアワークス取締役）、徳田直巳（電撃文庫・電撃文庫MAGAZINE編集長）、佐藤達郎（メディアワークス文庫編集長）。

初期こそ銀賞あたりを受賞しても出版されない作品があったが、出版予定のなかった第5回選考委員特別賞受賞作の志村一矢『月と貴女に花束を』が電撃hp掲載から好評を博してヒット作になり、続いて第6回最終選考で落選した時雨沢恵一『キノの旅』が大ヒットしたこともあって、それ以降は基本的に最終選考に残った作品は長編なら全て出版されるのが通例。鷹見一幸、甲田学人、藤原祐、入間人間などが最終選考からデビューしている。

さらに最終選考に残らなくても編集者の目に留まれば改稿や別作品の書き下ろしでデビューすることもあり、『ビブリア古書堂の事件手帖』の三上延、『護くんに女神の祝福を！』の岩田洋季、『しにがみのバラッド。』のハセガワケイスケ、『とある魔術の禁書目録』の鎌池和馬、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の伏見つかさ、『さくら荘のペットな彼女』の鴨志田一などがそれにあたる。このため受賞者と合わせると毎年10数人がデビューするという賞になっており、生き残り競争は非常に熾烈で、特に近年は落選組では1作のみで音沙汰の無くなってしまう作家も多い。

ちなみにラジオ番組「電撃大賞」はそもそもはこの賞の広報のために始まった番組である。

大百科に記事のある受賞作家・受賞作

• 第1回金賞：高畑京一郎『クリス・クロス 混沌の魔王』
• 第2回大賞：古橋秀之『ブラックロッド』
• 第3回金賞：川上稔『パンツァーポリス1935』
• 第4回大賞：上遠野浩平『ブギーポップは笑わない』
• 第4回金賞：橋本紡『猫目狩り』
• 第5回銀賞：三雲岳斗『コールド・ゲヘナ』
• 第5回選考委員特別賞：志村一矢『月と貴女に花束を』
• 第6回金賞：中村恵里加『ダブルブリッド』
• 第7回金賞：佐藤ケイ『天国に涙はいらない』
• 第7回金賞：渡瀬草一郎『陰陽ノ京』
• 第7回銀賞：三枝零一『ウィザーズ・ブレイン』
• 第8回選考委員奨励賞：高橋弥七郎『A/Bエクストリーム』
• 第9回金賞：成田良悟『バッカーノ！』
• 第10回大賞：有川浩『塩の街』
• 第10回金賞：柴村仁『我が家のお稲荷さま。』
• 第10回選考委員奨励賞：水瀬葉月『結界師のフーガ』
• 第12回金賞：来楽零『哀しみキメラ』
• 第12回銀賞：支倉凍砂『狼と香辛料』
• 第12回銀賞：杉井光『火目の巫女』
• 第15回大賞：川原礫『アクセル・ワールド』
• 第15回銀賞：蒼山サグ『ロウきゅーぶ！』
• 第17回銀賞：和ヶ原聡司『はたらく魔王さま！』
• 第17回銀賞：兎月山羊『アンチリテラルの数秘術師』

関連商品

関連項目

• ライトノベル
• 電撃文庫
• 小説