風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!とは (フウライノシレンツーオニシュウライシレンジョウとは) [単語記事]

不思議のダンジョン風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!（以下風来のシレン2)とは、
チュンソフト開発・任天堂発売の、風来のシレンシリーズのタイトルのひとつである。

概要

2000年9月27日に発売されたNINTENDO64ソフトで、風来のシレンシリーズの2番目のナンバリングタイトル。

ハードが64になったことでグラフィックも見やすく美しく進化し、新システム・新キャラクターも登場。
システム的には前作の不便な点を解消して大幅に遊びやすくなり、「風来のシレン」シリーズの基礎が完成した作品である。

初代のような不便さはなく、逆に最近の作品のような複雑な要素も控えめなため初心者に優しい。
また、歴代作品より極悪な特殊能力のモンスターはかなり少なく、仕様も緩めてプレイヤーに有利な穴が多いため歴代タイトルの中でも難易度は低めとされる。
やりこみ要素も多く比較的人気の高いタイトルである。

ストーリー

むかし　むかし　そのむかし……
それは　シレンが　まだこどもだったころの　おはなし……

風来人シレンが語りイタチのコッパとの旅の途中で立ち寄ったナタネ村。
どうやら村人は、度々起こる鬼の襲撃に頭を悩まされているらしい。
ひょんなことから村を守る城を造ることになってしまったシレン。
城の材料を得る為、怪物が多くいるシュテン山道へと登る。

そして、村人の協力を得て城を完成させたシレンたち。
城ができたので、鬼を退治する為に仲間と共に鬼ヶ島へと乗り込んだ。
モンスターが徘徊する鬼ヶ島を進み、その頂上で待ち構える鬼の親分との最終決戦。
激闘の末、鬼の親分に勝利したシレン。ナタネ村に平和がおとずれたのでした…

「そのもの　くさきイタチをひきいて　さらなるダンジョンへとむかう」
ナタネ村に戻ったシレンに明かされる予言。
新たなダンジョンが登場。シレンの冒険はまだまだ続く…

主要キャラクター

シレン
主人公。当時10歳。三度笠と縞合羽を身に纏い、コッパと旅する風来人。
「普通はたくさんの人で造る城を１人で造るとなると無理がある。
だったらリアリティなんて無視して子供にしちゃおう」と10歳に設定された。
コッパ
シレンと共に旅する語りイタチ。口が達者。戦闘には参加しないが、
ストーリーの進行を助けるキーパーソン、もといキーイタチ。
ヒマキチ
ひまガッパ種のモンスター。暇つぶしの為に仲間に加わった。
戦闘時ではヒマキチに向かって飛んできたアイテムを投げ返したり、
ヒマキチにアイテムを投げることで、使用もしくは敵に投げつけて協力してくれる。
リク
村一番の美人、サスミの弟。城造りに心打たれ、協力したいと仲間になる。
戦闘時では射程2マスのパチンコ攻撃が可能…だがその弱さの為、大抵は敵に倒されてしまう。
敵に倒されてそのレベルを上げるモンスター「タベラレルー」から青いタベラレルーなどといわれることも。
ちなみに青いタベラレルーと言うあだ名は勝手にファンがつけただけの物だったが
後のナンバリングシリーズで公式にまで青いタベラレルーと呼ばれる事になる。
アスカ
女剣士。シュテン山中腹でケンゴウに囲まれた際シレンが助け、恩返しにと仲間になる。
その攻撃力はシレンより高く、戦闘時ではアスカに向かって投げた剣・盾・腕輪を装備する
という能力を持つ。「〜でござる」という口調が特徴的。
+99の装備があればぶっちぎりの最強。後に主人公として活躍する→アスカ見参
キララ
鬼の親分の愛娘。ナタネ村までの道中、ワナにかかっていたところをシレンに助けられた。
そういった経緯もあり、敵ながら一目惚れ。シレンの仲間になる。
戦闘時では直線上に火を吹いて攻撃する能力を持つ。
マーモ
シュテン山の神マーモリ・ガーミの化身。元はうどん屋むみゅうにあったタンス。
戦闘には参加しないがシレンの後ろについてきて、アイテムを10個まで預かってくれる。
後に砂漠の魔城で再登場。その時は長い間砂に埋もれ汚れていたせいか綺麗にするまで口調が荒っぽかった。

登場ダンジョン

小さな谷
最初に強制的に挑むことになるダンジョン。クリア後挑戦することはできない。
アイテムを拾ったりする毎に解説が出る為、ここで基本システムを学ぶことが出来る。
シュテン山道
初級・中級・上級に分かれている、城の材料を集める為のダンジョン。
繰り返し上る事で不思議のダンジョンに慣れるためのストーリーダンジョンでもある。
中腹にはよろず屋や鍛冶屋があり、ここからべつの山道へ切り替えることもできる。
アイテムの持ち込みも可能な為、材料を集めながら装備を充実させる目的で使用される。
中級及び上級にはボスがいるが、クリア後は出現しない
- 初級
  一番初めから入れるダンジョンでダンジョンの基本を学べる、全10F。
  全てのアイテムが識別されておりごく基本的な武器・盾・巻物・草・食料と保存の壺しか出ない。
  また一階で必ず「ちょきんの壺」が拾える。
- 中級
  初級をクリアすると登場するダンジョン、全13F。
  未識別の武器や盾が登場し、たまに呪われているものがあったりもする。
  新たに杖とへんげの壺が登場し、厄介な能力を持つ敵も少しづつ登場する。「最高の木」はここにしかない。
- 上級
  中級をクリアしてイベントをこなすと登場するダンジョン、全15F。
  矢と腕輪が登場するほか、ついにマゼルンと合成の壺が登場し装備合成が可能になる。
  実は黄金の間が存在しているが「大部屋の巻物」がないので見つけるのはほぼ不可能。
鬼ヶ島
ストーリー上の最終ダンジョン。25階で待ち構える鬼の親分を退治するのが目的。
しかし、25階にたどり着くまでにたくさんのモンスターが徘徊している為、強力な装備が必要。
クリア後も繰り返し挑戦でき、落ちているアイテムも良いので、装備の育成にも利用される。
神社の隠し穴
ストーリークリア後の発展系ダンジョン。「モンスターの壺」を利用して敵を捕まえ、
それを持ち帰って「もののけ王国」に登録するのが目的。ダンジョン自体のクリア目標は無い。
武器・盾は基本的に出現しない為、このダンジョン特有の立ち回りが要求される。
- 真の隠し穴
  名称は「神社の隠し穴」のままだが、前述のダンジョンと区別してこう呼ばれる。裏神社、上級神社とも。
  もののけ王国に全てのモンスターを登録すると出現する発展系ダンジョン。
  神社の隠し穴で可能だった壺持ち込みが不可能となるなど、全体的に難易度がレベルアップしている。
中腹の井戸
もののけ王国に30体のモンスターを登録することで登場する発展系ダンジョン。
通常シレンの敵である「ワナ」を駆使して進む。シレンはワナにかからず、逆に敵はワナにかかる。
ワナは拾うことができ、それを設置して敵に踏ませながら進む。
敵を攻撃して倒しても経験値は20％しか得られず、ワナにかけると75％の経験値が得られる為、
いかに敵にワナをかけるかが重要。10階以降に落ちている「ワナ師の腕輪」を手に入れるのが目的。
あかずの間
鬼ヶ島クリア後、シュテン山頂上へ行くと出現する発展系ダンジョン。
アイテムの持ち込みが可能であるが床落ちアイテムが少なく、序盤から強い敵が出現する為難易度は高い。
20,30,40,50階と60階以降にいる店主達の子供5人全員を救出するのが目的。
最果てへの道
中腹の井戸をクリアすると出現する、ある意味で今作最終ダンジョン。
シリーズ恒例の「もっと不思議のダンジョン」で、最下層99階まで行くのがクリア目的。
アイテムの持ち込みは不可、さらにアイテムはほぼ未識別の為、慎重な立ち回りと判断力が要求される。
このダンジョンをクリアすると、「○○○○」にたどり着き、クリア特典がもらえる。

黄金の間

シュテン山道上級・鬼ヶ島・中腹の井戸・あかずの間・最果てへの道に出現する隠しダンジョン。
隠しダンジョンとはいうもののダンジョンの中にあり、寄り道或いはボーナスフロアとでもいうべきものとなっている。
各ダンジョンの指定階層の壁の中に、一定確率で黄金の間への階段が埋まっている。
黄金の間は3〜5階のシャッフルダンジョンで構成されており、装備強化や今後の冒険にに役に立つアイテム、
その黄金の間でしか手に入らないレアアイテムが落ちているため、立ち寄れれば一気に戦力を強化できる。
その性質上、装備品、巻物、壷、高額ギタンが多く落ちている反面、草や食料が出ないため餓死しやすい。

そして、黄金の間の最後の階には宝箱が置いてあり、中にはレアアイテムが一つ入っている。
宝箱に入っているものは黄金の間によって決まっており、その後の冒険に役立つ便利なものが幅広く出る所と、
その黄金の間のその宝箱にしか入っていない激レアアイテム、即ち事実上のクリア記念品が出る所がある。
黄金の間をクリアすると、元いたダンジョンの指定された階層に戻り冒険が続く。

新しく追加された要素

今作では、初代風来のシレンでローグライクからの進化を遂げたシステムをさらに進化させ、後の「風来のシレン」シリーズのシステムの礎を築いた作品であり、その後のほぼすべての作品で採用されたシステムが多数登場している。内容が多少異なるものも存在するが、以後の作品に影響するような要素が特に多いことである。それまで大味且つ、痒い所に手が届かないバランスだった不思議のダンジョンシリーズの悪い面を大きく払拭。結果としてこの作品で不思議のダンジョンシリーズの大枠が定まったと言っても過言ではない、大きな意味を持つ作品となった。

新しい地形の追加

これまでは専ら床と壁で構成されていたダンジョンに、新たな地形がいくつか追加された。
　ダンジョン内での追加もいくつかあり、水地形はプレイヤーは侵入できないが、ころび石で転んだりするとアイテムが入ってしまう場合があり、飛行系モンスターは水上も移動でき、水棲系モンスターは水中に入ることができ、HPを回復したり、水中から一方的に攻撃を仕掛けた来たりする。
その他、つるはしやオヤジ戦車の大砲で壊れない壁が登場し、店がこれで囲まれていると泥棒しづらい。

両手持ち武器

今回から、ヤリやアイアンヘッドの頭など装備すると盾が持てない武器が登場している。
これらは2マス貫通や3マス先への攻撃などの強力な特徴を有している(この能力は他へは合成できない)が、武器や盾の片方がかけるのはやはりつらく、以降の作品でもたまに登場してはいるが有効だった例は少ない。

モンスターを仲間にするシステムの登場

「モンスターの壺」が登場し、モンスターを捕まえて仲間として使用できるようになった。
仲間といっても味方NPCと違い、勝手に動く、地雷で即死するなど挙動自体は基本的にモンスターと変わらない。
これに関してはポケットモンスターが着想の元とされており、これ以降の作品でもさまざまな形でモンスターを利用できるシステムが導入されている。

合成システムの整理、刷新

風来のシレンの革新的なシステムであった合成が、この作品で整理された。
初代シレンでは、単純に武器に他の武器の性質を付与する程度のもので、どんどん能力を合成していけばよかったのだが、この作品以降は構成を考えて合成する必要が生じ、それと同時に冒険しながら強い装備を作る戦略や最強装備を作る楽しみができた。

装備の印数設定

初代シレンでも、特殊能力がある装備を合成すると「印」が付き能力を付与できるシステムがあったが
この作品以降、武器や盾に「印数」という能力をつけられる数の制限がかけられるようになった。
また、印の重ね掛けも可能となり、重要な印を複数つけることも可能である。
これによって、武器や盾にどの能力をつけるかという選別の重要性が高まった。

マゼルンの登場及び異種合成

本作から、投げた装備を飲み込んで合成するモンスター「マゼルン」が登場するようになった。
このマゼルン系はこれまでの武器や盾同士の合成だけでなく、武器や盾とそれ以外のアイテムを飲ませるとそのアイテムにちなんだ印をつけらる「異種合成」という能力を持っており、様々なアイテムを武器や盾の能力にできる。

また、マゼルンはモンスターであり特定の階層でほぼ確実に湧くため、「合成の壺」が出るかどうかというランダム性の影響が小さくなり、合成を明確に戦略に組み込めるようになった。

特殊合成

剣や盾に対して特定の形式で合成を行うと全く違う装備に変化する。
特定の種類の印をそろえる、同じ武器を大量に合成する、特定の順番に印を入れて何かするなどの方法で作成できる
いずれの装備も便利な特殊能力や優れた性能を発揮する。
基本的に持ちこみ可向けの要素であるが、持ちこみ不可で戦略に組み込めるものもある。

インターフェイスの改良

インターフェースについて、初代ではまだまだ不便な部分もあったが2からはかなり改良され、同時にシステムの穴や理不尽な仕様がいくつか改良されている。その他、いろいろな仕様が追加変更されている。

「引き上げの巻物」「持ち帰りの巻物」が登場した
倉庫に「倉庫番」にアイテムを預けられるようになり、アイテムを預けられる数が増えた。
店やダンジョンで「まとめて選択」が可能になり、一度に複数個のアイテムを壺に入れられるようになった
地雷やオヤジ戦車、イッテツ戦車、ウルロイド系の爆弾の爆発によって、爆発した周囲の壁が崩れるようになった。
ワナの上にアイテムが落ちた時、ワナが作動するようになった。
腕輪が最大2個まで装備できるようになった
腕輪が装備中にダメージを受ける事によって壊れるようになった。
持ち込み不可のダンジョンにアイテムを持った状態では入れなくなり、アイテムが消滅する危険性が無くなった。
未識別の杖の消費回数が表示されるようになった。
鍛冶屋で合成した能力を消すことができる。
仲間にもレベルの概念が存在するようになった度が高かったからこそ、同じく据え置き機で発売となったシレン3での期待外れ感も大きかったとも言えるかも…？

ニコニコにおけるシレン2

発売から10年も経った今日、ニコニコ動画での風来のシレン2実況プレイ動画や、
ニコニコ生放送での風来のシレン2実況プレイ放送が増えてきている。
ストーリーを進める実況プレイや、発展系ダンジョンへの挑戦、
一部アイテムの使用や行動を制限する「縛りプレイ」、
クリア時間を競う「タイムアタック」が主な内容である。

詳細は下記関連動画、及び関連コミュニティを参照されたい。