765プレミアリーグ 単語


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ナムコプレミアリーグ

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765プレミアリーグとは、ウイニングイレブン2013を題材としたim@s架空戦記シリーズで、アイドルマスターのキャラクターがサッカーリーグを戦うシリーズである。作者はT・W氏。

概要

アイドルマスターシンデレラガールズ、アイドルマスターミリオンライブ!、およびアイドルマスターディアリースターズに登場するキャラクターのうち、誕生日が公式に判明しているキャラクター総勢約250名が誕生日の12星座ごとに分かれてそれぞれチームを結成。各チームはそれぞれ日本全国に散らばり、地域密着型のプロサッカークラブとして活動し、プロリーグ「765プレミアリーグ」を戦う。なお、昨年までに開催されたデレマス属性別大会、デレマスサッカーフェス、シンデレラ・リーグ(以下「Cリーグ」)、765社長杯は全てアマチュアの大会という位置づけである。

出場全12チームは以下の通り。

リーグ戦の大会形式は、ホーム&アウェイ方式のリーグ戦総当たりで、全22試合。
リーグ戦と並行して、カップ戦 「346カップ」も開催される。12チームを4チームずつの3つのグループに分けてホーム&アウェイ方式の予選リーグを行い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出する。
リーグ戦もカップ戦も毎週月曜日開催で、リーグ戦・カップ戦ともに週に1節が行われ、リーグ戦2週→カップ戦1週→リーグ戦2週→…のペースでシーズンが進行する。開幕は2015年4月13日で、同年11月30日にリーグ戦最終節が行われる予定。詳細な日程はT・W氏のブロマガを参照。

今大会は、765プロと876プロと346プロが共闘する初めての大会である。各プロダクションごとにチームを結成していた従来の大会とは一味違ったアイドル(プロサッカー選手)たちの新鮮な掛け合いや、共闘による新たな化学反応が大きな見どころである。また、Cリーグでは各チーム間の選手数の差が大きく、ほとんど出番を与えられないアイドル(プロサッカー選手)も生じてしまったが、今大会はチームの選手数はどこも20名前後であり、全てのアイドル(プロサッカー選手)に十分な出場機会が保障されると思われる。

アマチュア時代の実績そのままに活躍する者、汚名返上に燃える者、コンバートで新境地に挑む者…今年もアイドル(プロサッカー選手)たちの熱き戦いが始まる。

渋谷凛はプロサッカー選手になるようです

シーズン開幕前の2015年1月12日から、デレアニの放送に合わせて、全12チームの紹介動画「渋谷凛はプロサッカー選手になるようです」が連載された。全13回、例によって毎週月曜0時投稿である。

第1回は黄昏のシンデレラガール渋谷凛がポンコツ返上を期してアイドル(プロサッカー選手)になる話で、第2回以降は各チームの紹介とプレシーズンマッチのハイライトが流れるという内容。全ての回でデレアニ最新回のパロディネタが用いられている。加えて、動画投稿と同時に、サッカー雑誌の記事風にチームを紹介するブロマガの記事もアップされた。毎週、デレアニ放送終了の早くても土曜0時半から月曜0時までのたった2日足らずの間にパロディ動画を仕上げて投稿し続けた上に、ハイクオリティなブロマガをも休まず書き続けたT・W氏の手腕に対し、視聴者からは驚嘆の声が上がった。

チーム紹介

今大会からチームの総合力を測る指標として「年間予算」が導入された。年間予算とは、各所属選手のCリーグでの活躍度に応じて算出される市場価値を合算したもので、Cリーグ参加選手の市場価値最高額は120億円、平均額は30億円である。また、765プロAS組とDS組は120億円、765プロシアター組とその他の選手は30億円の推定値でそれぞれ計算する。

アリエス福岡(牡羊座)

  • 本拠地:福岡県福岡市
  • 会長:ヘレン
  • 監督:佐竹美奈子→神崎蘭子(赤城みりあ)
  • 主将:天海春香
  • 年間予算:895.2億円 (2位)

 「4度目の正直」だ。「世界レベルのサッカー」を標榜し、過去3大会にわたり世界選抜チームを率いてきたヘレン。だが世界選抜は致命的に選手層が薄く、どの大会でも優勝はおろか上位にも手が届かなかった。ヘレンは一念発起し、選手数25人・年間予算2位のビッグクラブ、アリエス福岡の会長に就任。主将に世界レベルのアイドル天海春香を擁し、監督にはワッホイつながりで前ミリマスビジュアル監督の佐竹美奈子を起用。圧倒的な戦力で世界を獲りに行く。
 チームの柱は、言うまでもなく天海だ。天海はボールコントロール、決定力、アイディア、セットプレーの全てで右に出る者はいないリーグ最高のファンタジスタと言ってよく、今季も不動のトップ下を務める。福岡はボランチの層も厚い。Cリーグアシスト王白坂小梅のほか、Cリーグベストイレブン神崎蘭子、AS組のダイナモ高槻やよいなどトップレベルのレジスタが顔を並べ、高峯のあや上条春菜など無尽蔵のスタミナで攻守に献身的なプレーを見せる選手も多い。
 一方、25人の選手の大半がセンタープレーヤーで、サイドプレーヤーが少ないのは気がかりだ。特に本職のサイドアタッカーはSB櫻井桃華しかいない。攻守においてサイドをどうカバーするかはチームの課題だろう。

 選手の編成に偏りのある中、佐竹監督が採用したのは3-4-1-2だった。トップ下に天海を置き、前線にボールを繋ぐ4枚の中盤では展開力に期待して白坂、神崎、高槻のレジスタを同時に起用した。しかし攻撃では、中盤に同じタイプの選手ばかり並んだことでビルドアップが行き詰まったり、前線にボールを運べてもエースストライカーの和久井留美がことごとく婚期決定機を逃したりでなかなか得点に結びつかず、結局攻撃は天海の個人技に依存する形となった。守備では、中盤のビルドアップの行き詰まりから不用意なカウンターを食らい、守備陣が耐え切れず失点するシーンが目立った。そのためチームは大方の予想に反して低迷し、佐竹監督は「トップ下を2枚に増やせ」との遺言を残し辞任した。
 ヘレン会長は後継に神崎監督を指名。神崎監督は佐竹前監督の遺言を踏まえ、4-3-2-1のクリスマスツリーシステムを採用し、天海依存からの脱却を図った。だが、熊本弁通訳の赤城みりあが、奥手な神崎監督の発言とはとても思えない毒舌な訳を記者会見などで連発。やがて赤城通訳のサッカーへの造詣の深さを思わせる独特な毒舌が周囲の評判となり、赤城通訳が真の監督だという噂が立ち始めた頃、なぜかシステムはチェルシー風の4-2-3-1へ変わっていた。「ミリアーニョ・アリエス」の逆襲に期待だ。

システム 4-2-3-1

 攻撃方向↑
和久井留美
# 11 CF
天海春香 (C)
# 10 OMF
高峯のあ
# 14 LMF
中野有香
# 17 RMF
白坂小梅
# 5 CMF
古賀小春
# 6 DMF
赤城みりあ
# 2 LSB
松尾千鶴
# 16 RSB
神崎蘭子
# 13 CB
佐竹美奈子
# 3 CB
ヘレン
# 1 GK

リザーブ

GK 喜多日菜子(# 12)
DF 福田のり子(# 4)荒木比奈(# 15)櫻井桃華(# 17)桐野アヤ(# 18)相葉夕美(# 20)村松さくら(# 22)
MF 上条春菜(# 8)所恵美(# 9)白菊ほたる(# 21)高槻やよい(# 84)
FW 大沼くるみ(# 19)大原みちる(# 23)財前時子(# 29)

川崎フロンタウロス(牡牛座)

  • 本拠地:神奈川県川崎市
  • 監督:水瀬伊織
  • 主将:島村卯月
  • 年間予算:471.3億円 (10位)

 首都圏のチームながら、選手数18人、年間予算10位と戦力的には恵まれない川崎フロンタウロス。監督には豪華にも竜宮小町のリーダー水瀬伊織が就任したが、いかんせん選手層が薄い。苦しい台所事情の中、765プロオールスターズの名バイプレーヤーだった百戦錬磨の水瀬監督がどこまでチームの成績を押し上げられるかに注目だ。
 川崎といえば、ファンタジスタが多数揃っているのが特徴だ。肉体は長年の蓄積疲労で満身創痍ながら、未だに銀河系レベルのテクニックとアイディアを見せる安部菜々、アーティスティックなボールタッチでファンを魅了し、フィジカルも強い吉岡沙紀、左足から長短の高精度のパスを自在に繰り出す古澤頼子のほか、大槻唯に大神環と、バラエティに富んだファンタジスタが魅力的なプレーを披露する。またボランチも少数精鋭で、ゲームメイクもフィニッシュも守備もどれもハイレベルにこなし、GK以外の全てのポジションができる水瀬伊織、昨季Cリーグ破壊女王の座に輝き、今季は猛レッスンの末劇的な成長を遂げた島村卯月など、派手さはないが堅実な仕事のできる選手が揃う。
 だが、FWとDFは貧弱だ。CFの1番手は昨季関西で1トップの4番手に甘んじた難波笑美で、残るCFは昨季出場わずか1試合でリーグ最年長(仮)の「キング」高橋礼子しかおらず、DF陣は沢田麻理菜を除く全員が小柄でフィジカルに難がある。悲しいかな、これも小規模クラブの宿命なのだろうか。

 水瀬監督は当初、貧弱なDFラインの守備力を補うべく、4-3-2-1の守備的なシステムを採用したが、守備が特に機能したわけではなく、かえって前線が孤立し攻撃が全く機能しなかった。そこで水瀬監督は開幕後早々に4-3-2-1を諦め、開き直って攻撃的なシステムに変更。それは、「3トップ下」と呼ばれる、1トップの下に3人のファンタジスタを並べる4-2-3-1だった。すると近い距離感を保った3トップ下が自由自在にボールを回せるようになり、またそれまで孤立していた1トップの難波が3トップの効果的なサポートを得られたことで覚醒し、水を得た魚のようにゴールを量産した。一方枚数の減った守備では、守護神の北上麗花が神憑り的なセーブを連発して何度もチームの窮地を救った。開幕直後に低迷したチームはあれよあれよと順位を上げ、下馬評に反し上位を脅かす存在へと変貌した。
 川崎は好調とはいえ選手層の薄いチームである。好調が長続きする保証はなく、弱冠15歳の水瀬監督が頭を悩ませることもあるだろう。だが、高橋に沢田、そして安部と、ここぞで頼れる大ベテランが3人もいるのは、水瀬監督にとって大変心強いはずだ。

システム 4-2-3-1

 攻撃方向↑
難波笑美
# 9 CF
吉岡沙紀
# 10 OMF
大槻唯
# 13 OMF
安部菜々
# 17 OMF
島村卯月 (C)
# 6 CMF
早坂美玲
# 15 DMF
水木聖來
# 12 LSB
柳清良
# 3 RSB
水瀬伊織
# 7 CB
槇原志保
# 4 CB
北上麗花
# 1 GK

リザーブ

DF 日下部若葉(# 2)土屋亜子(# 19)沢田麻理菜(# 22)宮尾美也(# 38)
MF 古澤頼子(# 14)
FW 大神環(# 8)高橋礼子(# 11)

ジェミニユナイテッド千葉(双子座)

  • 本拠地:千葉県市原市
  • 監督:高垣楓
  • 主将:馬場このみ
  • 年間予算:607.8億円 (5位)

 大天使、再臨―――2015年元日、前年の幕張の大天使の引退により一時は大天使を失った千葉県に、新たな大天使が舞い降りた。「大天使チエリエル」緒方智絵里である。緒方は、豪快なプレーと抜群の勝負強さでデビュー以来ファンを魅了し続けた唯一無二のストライカーであり、昨季もCリーグ19得点でベストイレブンを受賞した。ジェミニユナイテッド千葉は、チームエンブレムに天使の羽をデザインし、緒方をチームの象徴として迎え入れ、また緒方に負担が集中しないよう、監督に高垣楓、主将に馬場このみの両ベテランを配し、緒方へ万全のサポート体制を整えた。
 緒方以外のチームの注目は、層の厚いDF陣だろう。その筆頭格は、緒方と並ぶチームの象徴・SB双海姉妹だ。2人は守備に難があり安定性も欠くものの、スピードと足元の技術は傑出しており、セットプレーの精度も高く、戦術次第で大きな爆発力を発揮できる。他のDFも軒並み高身長で、160cm以上の選手が5人もいる。そのうち高垣と梅木音葉は170cm台で、ここにDFとしてもプレーできるMF及川雫を加えれば、170cm台の選手だけで3バックを組むことも可能だ。
 一方、中盤の層の薄さ、特にパサーがいない点は致命的だ。MF登録の選手はわずか3人。うちボランチはうどん職人藤原肇と及川の2人だけで、2人とも守備に定評はあるが攻撃はあまり得意ではない。FW登録の選手も全員が(シャドウ)ストライカーかウィンガーであり、ゲームメーカーはいない。そのため、最前線の緒方までボールがつながらず、緒方が宝の持ち腐れになるおそれもあるのだ。

 開幕時のシステムは5-2-2-1。DFラインの層の厚さと中盤の層の薄さを考慮したシステムだったが、2列目がワイドに開いたため1トップの緒方が孤立し、守備でも相手に中盤を制圧されて押し込まれDFラインが耐え切れない場面が目立った。そこで高垣監督は苦肉の策として、緒方の近くにトップ下とウィングを配置した3-3-3-1(3-3-1-3)を導入。パスセンスの高い双海姉妹をウィングだけでなくトップ下やインサイドハーフでも起用し、緒方の孤立防止とパサー不足の解消を図ったが、今度は1ボランチと3バックの守備負担が過大になってしまった。
 ベストの戦術がなかなか定まらない中、緒方は孤軍奮闘しゴールを量産するも、チームの成績は低迷。大天使がチームを羽ばたかせる日は訪れるのだろうか。

システム 3-3-3-1

 攻撃方向↑
緒方智絵里
# 10 CF
馬場このみ (C)
# 53 LMF
星輝子
# 14 RMF
双海真美
# 23 OMF
双海亜美
# 22 CMF
及川雫
# 6 CMF
藤原肇
# 5 DMF
高垣楓
# 25 CB
望月杏奈
# 3 CB
梅木音葉
# 2 CB
松田亜利沙
# 1 GK

リザーブ

DF 浜川愛結奈(# 4)小室千奈美(# 13)トレーナー(# 15、2015.8-)綾瀬穂乃香(# 17)
FW 佐々木千枝(# 7)池袋晶葉(# 8)一ノ瀬志希(# 9)奥山沙織(# 11)ライラ(# 12)丹羽仁美(# 19)

横浜カルキノス(蟹座)

  • 本拠地:神奈川県横浜市
  • GM:秋月律子
  • 監督:矢口美羽
  • 主将:日高愛
  • 年間予算:822.1億円(3位)

 念願の夢が叶った。かつて765プロオールスターズの守護神として活躍し、現在はほぼ第一線から退いた秋月律子が、ずっと抱いていた「サッカーチームの経営者になる」という夢を実現させた。秋月は、選手数21人・年間予算リーグ3位のビッグクラブ、横浜カルキノスのGM兼選手に就任。チーム編成に着手した秋月GMは、監督に矢口美羽、主将に日高愛を指名するという、GMの冷静なイメージからは意外な勢い重視の人選を行った。冷静なフロントと、勢い任せな現場。これはこれでバランスが取れているとも言えるかもしれない。
 チームの強みは中盤の質の高さである。リーグ屈指のひらめきとセットプレーを武器とするファンタジスタ結城晴を筆頭に、高い守備力とゲームメイクセンスを兼ね備える速水奏と杉坂海、同じく高い守備力を持ちながらチャンスでは積極的に飛び出せる依田芳乃、チャンスへの嗅覚に優れた氏家むつみと桃井あずきと、攻守に隙がない。FWも数は少ないが、屈強なフィジカルからの柔らかいボールタッチで魅せるベテラン佐藤心、「豆タンク」日高、攻守で献身的な岡崎泰葉などスター揃いだ。
 弱点はサイドプレーヤーの少なさと、平均身長の低さだろう。本職のサイドプレーヤーは、アタッカーの多田李衣菜と仙崎恵磨の2人だけで、SBの本職は不在。また、チームの平均身長はリーグ最下位の153.19cmで、160cm以上の選手は、レギュラー格は佐藤、速水、杉坂の3人だけで、他はスーパーサブでの起用が主の「キングアズ」三浦あずさと控えCB藤居朋しかいない。そのため、特に守備時はサイド勝負や空中戦に持ち込ませない工夫が不可欠となる。

 システムは、センタープレーヤーに偏った選手層を踏まえ、4-3-1-2を採用。両SBにあえてアタッカーの春日未来と多田を起用する一方、ボランチには守備力の高い選手を複数置いて攻守のバランスを取る。戦術は、両SBを押し上げてサイドから崩すポゼッションも用いるが、横浜といえば「後ろの7人で守り、前の3人で攻める」カウンターだろう。ボールを奪えばすぐさま前線にボールを預け、後は3人の自由なプレーであっという間にゴールへ導く。特に、日高・佐藤の2トップとトップ下結城のコンビネーションは圧巻で、相手がいくら守備を固めても3人の阿吽の呼吸で簡単に崩し、誰かがファウルを得れば結城が直接FKを決めてしまうのだ。
 攻守において戦術面の細かい約束事はなく、選手が勢いのままにプレーするのが横浜スタイル。同じく横浜の勢い任せな球団とともに、トリコロール軍団がハマに旋風を巻き起こす。

システム 4-3-1-2

 攻撃方向↑
日高愛 (C)
# 11 CF
佐藤心
# 19 CF
結城晴
# 10 OMF
依田芳乃
# 44 CMF
氏家むつみ
# 7 CMF
速水奏
# 6 DMF
春日未来
# 8 LSB
多田李衣菜
# 69 RSB
赤西瑛梨華
# 4 CB
矢口美羽
# 1 GK

リザーブ

GK 秋月律子(# 12)
DF 木下ひなた(# 2)藤居朋(# 15)三浦あずさ(# 91)
MF 杉坂海(# 5)岡崎泰葉(# 9)桃井あずき(# 14)仙崎恵磨(# 20)
FW 三好紗南(# 13)龍崎薫(# 18)

さいたま浦和ライオンズ(獅子座)

 「浦和」と名乗りながら、本拠地はさいたま市浦和区ではなく所沢市という不思議なチーム、さいたま浦和ライオンズ。本拠地についての真相は、チーム名の語感や2ndユニフォームのデザインからすれば語るまでもないだろう。そんな色物感漂うチームの監督には、世界一イタリアかぶれなドラム缶カルチョを知り尽くした名将高森・アンチェロッティ・藍子(以下「AA」)が、そして主将には、AA監督がなぜか全幅の信頼を置き続ける渋谷凛が就任。Cリーグ東京の名物コンビが今年もタッグを組んだ。
 浦和のストロングポイントは中盤の層の厚さ、特に2列目の豪華さだろう。恵まれた体格を持ち抜群のフィジカルとテクニックを兼ね備える木場真奈美、卓越したゲームメイクセンスを持つケイトのほか、木村夏樹や城ヶ崎莉嘉など優秀な人材が過剰なほどに揃っており、舞浜歩と棟方愛海が献身性を買われSBにコンバートされたほどである。ボランチも、日野茜と矢吹可奈は無尽蔵のスタミナを武器に攻守に幅広く顔を出す。DFも、新田美波と五十嵐響子の中国・四国の堅守を支えたCBコンビのほか、リーグ最高級のクロス精度と守備力を誇る高森藍子、120分間サイドを上下動しながら正確なパスを供給できる橘ありすがおりハイレベルだ。
 一方、不安要素であるFWは総じて実績に乏しく、渋谷と伊吹翼の2人のポンコツファンタジスタを、2年間不振に喘いだ万能ストライカー向井拓海と、パワーが売りの高坂海美がどれだけサポートできるかが鍵となる。

 システムはオーソドックスな4-4-2を基本とするが、攻撃時は前線をスライドさせ、状況に応じ4-2-3-1や4-3-3の形をとる。左サイドに流れるプレーが得意の渋谷と左サイドからのカットインが得意の木場とのパス交換からチャンスを作るのが攻撃スタイルであるが、逆に右サイドの攻撃は控え目である。
 開幕後は、2トップのレギュラーを務めた渋谷と伊吹のうち、渋谷がまさかの覚醒を遂げ、同じく絶好調の木場とともに多くのチャンスを演出。だが伊吹は存在感を欠き、左サイドに偏った攻撃と相まってチームの得点力低下の原因となった。守備は、Wボランチや4バックの活躍で安定するも、攻守でのシステム変更の隙を突かれ失点するシーンも散見された。その結果チームは序盤から引き分けが極端に多くなり、優勝争いからは遅れてしまった。名将・AAに巻き返しの秘策はあるのか。

システム 4-4-2

 攻撃方向↑
伊吹翼
# 10 CF
渋谷凛 (C)
# 9 ST
城ヶ崎莉嘉
# 12 CMF
木場真奈美
# 14 LMF
日野茜
# 7 CMF
矢吹可奈
# 8 CMF
高森藍子
# 6 LSB
橘ありす
# 5 RSB
新田美波
# 3 CB
五十嵐響子
# 2 CB
西島櫂
# 1 GK

リザーブ

DF 愛野渚(# 4)舞浜歩(# 18)棟方愛海(# 19)海老原菜帆(# 20)
MF 相馬夏美(# 15)ケイト(# 16)関裕美(# 17)
FW 高坂海美(# 11)向井拓海(# 13)首藤葵(# 21)木村夏樹(# 69)

東京ヴィルジェン2005(乙女座)

  • 本拠地:東京都調布市
  • 監督:神谷奈緒
  • 主将:最上静香
  • 年間予算:967.2億円(1位)

 選手数と年間予算は堂々のリーグトップ。選手の量と質を最高レベルで兼ね備えた東京ヴィルジェン2005は、優勝を義務づけられたチームと言っていいだろう。この最強軍団を束ねるのは「まゆげ」神谷奈緒監督であるが、神谷監督は昨季終盤に関東で本田未央前監督の後継監督を務めた際、当時下降線をたどっていた関東のチーム状況を改善できず、最下位に導いてしまった過去を持つ。そんな神谷監督に対する世論の風当たりは強く、東京がPSMで1敗しただけで解任論が巻き起こるほどである。それだけ、東京サポーターは優勝を待ち望んでいるのだ。
 東京の陣容を見ると、結論から言って、不安要素は見当たらない。東京は、選手数は多くても適性ポジションに偏りのある福岡や横浜とは異なり、全てのポジションの選手層が厚い。FWは、圧倒的なフィジカルとテクニックを兼ね備え、Cリーグ20得点で得点王に輝いた諸星きらり、諸星に匹敵するフィジカルとテクニックを備えた菊地真、菊地に負けず劣らずの男勝りなプレーを見せる秋月涼、Cリーグ16得点のストライカー北条加蓮など、枚挙に暇がない。MFも、佐久間まゆや森久保乃々などゲームメイク能力と守備力を兼ね備えた選手が多く、DFも豊川風花を筆頭に高さとスピードのある選手が揃う。さらにGKも、SGGK若林智香だけでなく、ミリオンのSGGK篠宮可憐もおり、昨季所属チームで正GKを務めたアナスタシアや森久保が中盤に回されるほど層が厚い。
 その中からあえて隙を見出すなら、前線の組み合わせだろうか。上記のFW4選手を同時に起用すれば当然中盤は薄くなる。また、諸星と北条の2トップは相性が悪いことが2年前に判明している。常にはオールスター軍団を組めないという制約の中で、神谷監督の采配が試される。

 開幕からいくつものシステムを試行錯誤した神谷監督がたどり着いたのが、変則的な4-4-2だった。FWには菊地や北条や双葉杏を起用し、諸星は右に開き気味のトップ下に置きゲームメイクをさせるという布陣である。高さのある諸星をあえてFWで起用せず、諸星のゲームメイクセンスを買って、相手守備陣の捕まえにくいポジションで自由にプレーさせるのが特徴的だ。このシステムにより、4バックと2ボランチで守りを固めつつ、攻撃時はボランチが前線へ素早く展開し、前線の4人の連動した動きで得点を奪うというスタイルが確立し、チームは軌道に乗った。
 圧倒的な選手層と、優秀な監督の戦術とが噛み合った東京。隙はないように見えるが、果たして…

システム 4-4-2

 攻撃方向↑
北条加蓮
# 9 CF
双葉杏
# 19 ST
諸星きらり
# 13 OMF
秋月涼
# 7 LMF
佐久間まゆ
# 11 DMF
最上静香 (C)
# 4 DMF
永吉昴
# 18 LSB
姫川友紀
# 39 RSB
神谷奈緒
# 5 CB
クラリス
# 2 CB
若林智香
# 22 GK

リザーブ

GK 篠宮可憐(# 20)音無小鳥(# 26、2015.8-)
DF 豊川風花(# 3)栗原ネネ(# 15)井村雪菜(# 17)松本沙理奈(# 20)ベテラントレーナー(# 25、2015.8-)
MF アナスタシア(# 1)南条光(# 14)森久保乃々(# 15)榊原里美(# 23)涼宮星花(# 24)
FW キャシー・グラハム(# 8)菊地真(# 10)脇山珠美(# 11)持田亜里沙(# 12)

FCイマバリーブラ(天秤座)

  • 本拠地:愛媛県今治市
  • 監督:田中琴葉
  • 主将:冴島清美
  • 年間予算:597.9億円(7位)

 冴島清美。昨季、Cリーグ九州・沖縄の監督を務め、超☆攻撃サッカーの理想を追求したが、成績低迷によりシーズン途中で挫折し、現実的な守備的サッカーに路線変更した過去を持つ。攻撃サッカーを諦めきれない冴島は、今季こそは理想を実現すべく、瀬戸内海の港町・今治で再び立ち上がった。冴島は新チームの主将に就任し、監督には冴島と同じく攻撃サッカーを志向する「ミリオンの皇帝」田中琴葉を迎え、また攻撃の柱として、Cリーグ時代の同僚であり、Cリーグと社長杯で得点王に輝いたスーパースター服部瞳子を擁した。冴島の理想を実現するための土台は整った。
 今治は選手総数19人と規模は決して大きくないが、攻撃サッカーを信奉する首脳陣のもとに攻撃的なスター選手が揃った。FWは、抜群のフィジカルと決定力を持ち、献身的な守備やポストプレーも得意な服部、765プロ最高のドリブラーの「死体蹴りの響」我那覇響、テクニックは我那覇に匹敵するジュリアなど精鋭揃い。中盤は、CリーグMVPの「水本砲」水本ゆかりや、優雅なロングパスと労働者のような運動量が武器の二階堂千鶴など攻撃性の高いダイナモが集まる。SBも、Cリーグベストイレブンに輝いた楊菲菲を筆頭に全員が攻撃的だ。
 一方、チームの大黒柱である服部と水本の代役がいないのは悩みどころだ。服部ほどの決定力や献身性を備えるCFは他におらず、また中盤の底でチーム全体の攻守のバランスを保ちながら配球のできるボランチは水本しかいない。今治はスターの多いチームではあるが、服部か水本を欠けば総合力が一気に落ちるという脆さも抱えている。

 システムは、冴島が最高のシステムと称する4-3-3(4-3-2-1)。CFに服部、1ボランチに水本を置きつつ、ウイングにカットインを得意とする選手を配し、DFラインを高く敷いてSBとインサイドハーフを積極的に攻撃参加させる戦術で、サイドアタックが非常に強力だ。シーズン前半戦は、華麗なサイドアタックを度々披露した一方で、守備は試合展開お構いなしに常に前掛かりな戦術やGK浅利七海の不振が原因で安定せず、特に服部や水本が不調欠場した試合では攻守のバランスが崩壊して大敗することもあり、チームの成績は伸び悩んだ。
 それでもなお攻撃サッカーの理想を貫こうとする冴島に対し、チームの勝利という現実を重視する田中監督が反発。前半戦の終わり頃から、中盤を1ボランチから2ボランチに変更し守備の安定を図った。冴島はまたしても現実の前に屈するのか。

システム 4-3-2-1

 攻撃方向↑
服部瞳子
# 13 CF
小早川紗枝
# 9 LMF
我那覇響
# 11 RMF
二階堂千鶴
# 7 CMF
田中琴葉
# 5 DMF
水本ゆかり
# 4 DMF
楊菲菲
# 22 LSB
乙倉悠貴
# 17 RSB
兵藤レナ
# 6 CB
冴島清美 (C)
# 3 CB
浅利七海
# 73 GK

リザーブ

DF 並木芽衣子(# 2)藤本里奈(# 15)西川保奈美(# 16)
MF 佐城雪美(# 8)椎名法子(# 12)
FW ジュリア(# 10)伊集院惠(# 14)松永涼(# 18)

鹿島アンタレス(蠍座)

  • 本拠地:茨城県鹿嶋市
  • GM:天空橋朋花
  • 監督:鷺沢文香
  • 主将:城ヶ崎美嘉
  • 年間予算:412.7億円(11位)

 ホームタウンの規模はリーグ最小、選手総数と年間予算はリーグワースト2位。おまけに選手の約半数はCリーグ7位の中部と最下位の関東の選手で占められる。鹿島アンタレスは典型的なプロビンチャ(地方クラブ)である。ドSな女王樣には耐え難いであろうドMな環境でチームを運営することとなった天空橋朋花GMは、監督に寡黙で冷静沈着な鷺沢文香を、主将に陽気なロリコンカリスマ城ヶ崎美嘉を指名。クールとパッションの二段構えで、強敵ひしめく765プレミアリーグに殴りこみをかける。
 チームの最大の強みはCBの層の厚さだろう。長身でラインコントロールと対人に優れた鷺沢、同じく長身で空中戦に強くオウンゴールセンスも高い「百瀬マルクス闘莉緒」こと百瀬莉緒、上背はないがリーグ屈指の身体能力をもつ成宮由愛など粒揃いだ。また中盤も、サッカーIQが極めて高い大石泉、経験豊富な潰し屋周防桃子を筆頭に、月宮雅、原田美世ら、良質なプレーメーカーやバランサーが揃う。
 しかしFWとSBの層の薄さは深刻だ。FWは、エースの城ヶ崎と、「ミリオンの本職」島原エレナのドリブラー二枚看板ぐらいしか目玉はおらず、CFは昨季関東であまり出場機会のなかった小松伊吹しかいない。SBも、本職の選手は昨季出場わずか1試合の相川千夏ただ1人で、他に鷺沢と原田と八神マキノがSBとして一応プレー可能なものの、両サイドにSBが揃うことは期待できない状況だ。

 1年半もの間、中部のCBとして味方のゴールネットにボールが次々と突き刺さる光景を間近で見続けてきた鷺沢監督にとって、負けることはトラウマ以外の何物でもなかった。鷺沢監督は、アタッカーの量も質も極端に不足する中、負けないことを何よりも重視し、超守備的戦術の導入に踏み切った。
 まずPSMで用いたのは4-4-1-1。前線に城ヶ崎と島原を残し、ラインを低く保ったCB4枚の前にDMF4枚をフラットに並べる引き分け上等のシステムだったが、攻撃はもちろん、守備もプレスが甘くDFラインの裏を何度も突かれるなど機能しなかった。次に開幕時にはDMFを1枚減らした4-3-3に変更し、その後中盤の陣形をフラットから三角形に改めるも、抜本改革には至らない。
 「負けない戦術」で負け続ける、まさに暗黒状態の鹿島。地獄からの出口は見つかるのだろうか。

システム 4-3-2-1

 攻撃方向↑
小松伊吹
# 11 CF
島原エレナ
# 10 LMF
城ヶ崎美嘉 (C)
# 9 RMF
大石泉
# 13 DMF
周防桃子
# 6 DMF
篠原礼
# 18 DMF
成宮由愛
# 2 CB
原田美世
# 8 RSB
百瀬莉緒
# 5 CB
鷺沢文香
# 3 CB
上田鈴帆
# 1 GK

リザーブ

DF 間中美里(# 4)相川千夏(# 18)
MF 岸部彩華(# 12)月宮雅(# 14)八神マキノ(# 15)的場梨沙(# 16)
FW 天空橋朋花(# 7)

名古屋パビルサグゼクス(射手座)

  • 本拠地:愛知県名古屋市
  • 監督:川島瑞樹
  • 主将:星井美希
  • 年間予算:533.4億円(8位)

 名古屋パビルサグゼクスのチーム事情は極めて厳しい。まず、誕生日が射手座のアイドルはたったの13人で、千川ちひろとマスタートレーナーを含めても15人しかいない。また編成も歪で、選手の大半がトップ下を本職とする「10番」タイプである一方、DF登録は攻撃的SBの小日向美穂のみで、本職のCBは不在である。
 川島瑞樹監督はこの絶望的なチーム状況を鑑み、禁じ手を発動した。桜井夢子とサイネリアの誕生日不詳のCB2人を獲得した他、誕生日が射手座ではない音無小鳥と他のトレーナー姉妹をも選手登録してしまったのだ。もちろんこれは明らかな不正行為であり、川島監督を糾弾する論調もあったが、アイドル以外は原則として試合に出場しないことと、本来のメンバーではまともなサッカーにならないことが明白であることを考えれば、やむを得ない措置といえよう(なお、シーズン後半戦からは、マスタートレーナー以外のトレーナー姉妹と音無は本来の星座のチームへ移籍した)。
 チームとしては大変厳しい状況にあるが、年間予算がリーグ8位であることからもわかるように、個々の選手の質はなかなか豪華である。765プロが誇る天才・星井美希、初代・十時愛梨と4代目・塩見周子の2人のシンデレラガール、関東のエース本田未央、中部の秘密兵器輿水幸子など、攻撃的ポジションの層は厚い。しかし守備的ポジションは桜井と鈴木を補強したとはいえ相変わらずの人手不足で、DFラインは本職外の選手を起用しながらやり繰りするしかない状態である。ポリバレントな能力を持つ星井、本田、小日向、野々原茜、喜多見柚は様々なポジションをたらい回しにされそうだ。

 戦術は、編成の歪さ故迷走を続けた。システムは、初めは2-6-2の超攻撃的システムで臨んだが機能せず、その後は3-5-2、4-2-3-1、4-3-3などとコロコロ変わり、また選手の起用法もCBの鈴木以外は固定できなかった。だが塩見がシンデレラガールを受賞したのを機に、川島監督は塩見をCFへコンバートさせ、昨季前半に関西で用いていた4-1-4-1を左右反転させたシステムを導入し、塩見を1トップに据えた。昨季の関西と同様、層の厚い2列目が1トップを輝かせるという戦術である。栄光の4代目に輝いた塩見は、名古屋を輝かせる希望の光となれるか。

システム 4-1-4-1

 攻撃方向↑
塩見周子
# 8 CF
水野翠
# 7 CMF
十時愛梨
# 10 RMF
中谷育
# 13 LMF
横山千佳
# 12 CMF
桜井夢子
# 14 DMF
小日向美穂
# 2 LSB
本田未央 (C)
# 4 RSB
大和亜季
# 3 CB
サイネリア
# 15 CB
川島瑞樹
# 1 GK

リザーブ

GK 千川ちひろ(# 20)音無小鳥(# 21、2015.1-8)
DF ルーキートレーナー(# 16、2015.1-8)トレーナー(# 17、2015.1-8)ベテラントレーナー(# 18、2015.1-8)マスタートレーナー(# 22)
MF 野々原茜(# 6)星井美希(# 9)
FW 喜多見柚(# 11)輿水幸子(# 19)

アルゲディレックス新潟(山羊座)

  • 本拠地:新潟県新潟市
  • 監督:安斎都
  • 主将:村上巴
  • 年間予算:487.6億円 (9位)

 3つの危険団体が新潟で一同に会した。監督は、昨夏から中部地方で急速に拡大した新興宗教「安斎教」の安斎都、主将は、広島県を中心に活動する「村上組」の村上巴がそれぞれ就任。そしてユニフォームの胸スポンサーには、萩原雪歩の父が組長を務める「萩原組」がついた。安斎教、村上組、萩原組……救いは、イヴ・サンタクロースと望月聖のクリスマスコンビに、正月の申し子にして幸運の女神である鷹富士茄子と、チームの闇をかき消す「光属性」の選手がいることだろうか。
 光と闇が交錯して統一感のなさそうなチームではあるが、総勢19人の選手の特徴はある点でほぼ統一されている。それは、「ニンジャ」浜口あやめを除く全員が、スピードはやや欠けるが足元の技術が非常に優れているという点である。中でも、繊細なボールタッチからの長短自在なパスとドリブルを得意とするゲームメーカー・安斎と、多種多様なフェイントと正確で強力なキックを持つ望月と村上の3人の技術はリーグ屈指といえる。FW陣はフィジカルも優れ、特にイヴのポストプレーと社長杯MVP鷹富士の決定力は大きな魅力だ。守備陣はGKも含めて攻守両方で貢献できる選手が揃う。屈強なフィジカルを持つCBの萩原と三村かな子はボランチとしてもプレーできるほどパスが得意で、サッカー解説者として有名なktzw3こと北沢志保は卓越した戦術眼と豊富な運動量でピッチの広範囲をカバーでき、ベテラン守護神の柊志乃は「酔拳セーブ」と呼ばれる加齢な華麗なセービングを披露しつつ正確なフィードでカウンターの起点にもなる。
 しかしながら、選手の特徴が統一されているが故に、選手交代で流れを変えるのが難しいという欠点もある。唯一違いを生み出し得るのが、スピードとテクニックは陸上短距離選手級のドリブラー・浜口しかいないというのは、安斎監督最大の悩みの種だ。

 開幕時に用いたシステムはフラット型の4-4-2で、全体のラインを高くコンパクトに保ち、2トップのフィジカルと全員の足元の技術を活かすパスサッカーを志向した。しかし、攻撃はフラット型のシステムゆえ奥行きがなく両SHとボランチ安斎のドリブルに頼った単調なものになりがちで、守備は三村と萩原の鈍足CBの裏の広大なスペースを度々突かれるなど機能しなかった。そこで、シーズン前半戦の終盤からはシステムを4-2-3-1に変更し、安斎をトップ下に据えてボールの回りを良くするとともに、DFラインをやや下げて守備的MFを1枚増やして守備も安定させた。
 開幕前に懸念された3団体間の抗争は今のところなくチームは団結しており、戦術上の問題も一応解決された。ただ、浜口の活用法だけは未だ見出だせず、どうやら迷宮入りのようだ。

システム 4-2-3-1

 攻撃方向↑
イヴ・サンタクロース
# 24 CF
望月聖
# 25 LMF
村上巴 (C)
# 7 CMF
安斎都
# 10 OMF
メアリー・コクラン
# 13 DMF
道明寺歌鈴
# 12 DMF
真鍋いつき
# 15 LSB
北沢志保
# 8 RSB
三村かな子
# 3 CB
萩原雪歩
# 6 CB
柊志乃
# 1 GK

リザーブ

DF 斉藤洋子(# 2)松原早耶(# 4)エミリー スチュアート(# 5)高山紗代子(# 11)
MF 野々村そら(# 14)
FW 瀬名詩織(# 9)浜口あやめ(# 18)鷹富士茄子(# 77)

クンバ大阪(水瓶座)

  • 本拠地:大阪府大阪市
  • 監督:四条貴音
  • 主将:宮本フレデリカ
  • 年間予算:337.1億円 (12位)

 選手総数16名、年間予算337.1億円はいずれも断トツでリーグ最下位のクンバ大阪。しかしチームの雰囲気はまるで悲壮感を感じさせず、試合前やハーフタイムのロッカールームでは、選手たちがパーティーゲームに興じたり、四条貴音監督がらぁめん探訪に赴いたりと非常にのほほんとしている。これは自信の表れか、それともただの現実逃避なのか……
 さて、チームの戦力に目を向けると、選手数は少ないが、どのポジションにも優秀なタレントが揃っている。前線は、「姫将軍」の異名を取る天才ストライカー・徳川まつりと、細身の体ながらFWとしての総合力に優れた二宮飛鳥が牽引。中盤は、東郷あい、真壁瑞希、相原雪乃など、長短のパスを自在に操るテクニシャンが揃う。DFは、四条と宮本フレデリカの長身CBコンビの安定感が抜群。GKも、Cリーグ東京で正守護神を務めた西園寺琴歌だけでなく、セービングに優れ、セットプレーのキッカーとして度々前線へ上がるほどお笑いの攻撃のセンスも高い横山奈緒もおり層が厚い。
 セットプレーの名手の多さも大阪の特徴だ。強烈な無回転弾が持ち味の徳川、大きなカーブをかけてゴールを正確に射抜く東郷のほか、横山、真壁、相原も精度の高いキックを持つ。特に、横山がFKやCKを蹴った後オフサイドラインを気にしながら全力で自陣へ戻る様子は大阪最大の笑いどころ見どころといえよう。
 一方、DFは深刻な人手不足であり、本職のDFは四条と宮本以外にはSBの松山久美子しかいない。それでも四条監督は、西園寺をCBやボランチとしてもプレー可能にした以外にはコンバートは行わず、本来はサイドアタッカーである北川真尋、浅野風香、市原仁奈らを急造でSB起用しながら人手不足をしのぐ方針をとった。名古屋のような劇的な改造を避け、なるべく選手の現状で勝負しようという意思の表れだろうか。

 シーズン当初はボックス型の4-4-2のシステムで臨む予定だったが、PSMでは全く機能せず惨敗した。この惨敗ぶりと元々の戦力の低さが相まって下馬評は最悪であり、巷では「最下位待ったなし」という評価が定着した。しかし開幕直前、宮本主将の思いつきでアンチェロッティレアル風の4-3-3に戦術変更するとこれが見事にハマり、ボランチの真壁を中心にしたカウンターを武器に開幕ダッシュに成功した。
 大阪を弱小扱いする風潮は既になく、今や優勝候補の一つである。「徳川」率いるチームが「大阪」で「下剋上」、これは夢か幻か、シーズンの戦いぶりを見てみたい。

システム 4-3-3

 攻撃方向↑
二宮飛鳥
# 9 CF
徳川まつり
# 10 LWG
福山舞
# 11 RWG
東郷あい
# 13 CMF
真壁瑞希
# 7 CMF
相原雪乃
# 6 DMF
松山久美子
# 2 LSB
北川真尋
# 14 RSB
宮本フレデリカ (C)
# 3 CB
四条貴音
# 4 CB
横山奈緒
# 70 GK

リザーブ

DF 浅野風香(# 8)西園寺琴歌(# 12)
MF 江上椿(# 5)市原仁奈(# 99)
FW 太田優(# 15)

サカナトーレ札幌(魚座)

  • 本拠地:北海道札幌市
  • 監督:小関麗奈(開幕前解任)→桐生つかさ
  • 主将:箱崎星梨花
  • 年間予算:664.1億円 (4位)

 北日本唯一のクラブであるサカナトーレ札幌。監督には、北海道・東北を率いてサッカーフェスとCリーグの2つのタイトルを手にした名将アギーレイナこと小関麗奈が就任。メンバーも、北の大エース黒川千秋や北海道・東北不動の左SB工藤忍ら北海道のファンに馴染みの深い選手のほか、鉄壁の妄想守護神大西由里子、絶壁のCB如月千早など、豪華な面々が揃った。攻守にバランスのとれた選手層を誇ることから、優勝候補との声もあるチームである。
 ところがチームは開幕前から混乱続きであった 。2月には、前川みくがチームの自身に対する扱いの悪さに憤慨して練習をボイコットする騒動が発生。この件は、小関監督が前川を中盤のレギュラーで起用する構想を表明したことで解決したが、今度は小関監督に八百長疑惑が浮上。小関監督は、サッカーフェスの対関西戦において八百長に関与したとして捜査の対象となってしまった。ちなみに、八百長を仕掛けたのは前川ら関西の選手で、小関監督は八百長を拒否し、八百長が実際に行われることはなかったのだが、結局小関監督は解任を余儀なくされた。前川にとっては、自らの過ちによって自身をレギュラーに据えた監督を失うという、何とも自業自得皮肉な結末となった。

 監督が開幕前に無実の罪で解任されるという前代未聞の状況で、新監督に名乗りを上げたのは桐生つかさであった。桐生は昨季終盤に中部へ加入したばかりで、試合出場は社長杯プレーオフの1試合しかなく、実力は監督としてだけでなく選手としても全くの未知数である。
 そんな桐生監督が導入したシステムは斬新であった。登録ポジション上は5-3-2だが、ボランチは1人で両サイドのSBとSHが高い位置を取るため、事実上3-3-4のシステムといえる。会社経営と同様、常識に囚われない自由な発想で戦術を構築した桐生監督だが、その手法は監督業でも通用するのか。今、試される大地・北海道で、桐生監督の手腕が試される。

システム 5-3-2

 攻撃方向↑
黒川千秋
# 9 CF
箱崎星梨花 (C)
# 10 ST
水谷絵理
# 8 LMF
桐生つかさ
# 7 RMF
堀裕子
# 11 CMF
工藤忍
# 4 LSB
七尾百合子
# 14 RSB
如月千早
# 72 CB
片桐早苗
# 3 CB
小関麗奈
# 5 CB
大西由里子
# 1 GK

リザーブ

DF 遊佐こずえ(# 2)衛藤美紗希(# 12)ルーキートレーナー(# 17、2015.8-)長富蓮実(# 55)
MF 三船美優(# 6)柳瀬美由紀(# 15)前川みく(# 39)伴田路子(# 65)
FW 有浦柑奈(# 13)今井加奈(# 16)

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関連項目

  • シンデレラ・リーグ(前々回大会)
  • 765社長杯(前回大会)
  • ウイニングイレブン
  • T・W氏のブロマガ

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