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アイパッド

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iPadアイパッドとは、AppleのタブレットPCである。

概要

2010年に初代が発売され、幾度かのデザイン変更を経ながら最新版の発売が続いている。

2015年11月時点で、iPadには「iPad mini」「iPad Pro」というファミリー製品がラインナップされている。詳細はそれぞれ該当記事を参照。

9.7インチのマルチタッチディスプレイのみ、という非常にシンプルなデザインであり、そのディスプレイ上を直接タッチジェスチャーで操作する。

前述の通り、ディスプレイ以外に目に入るものが存在しないため、用途について外観からの先入観を与えない。使用する人によってiPadは額縁に見え、本に見え、楽器に見える[1]

まさに「魔法の板」と呼ぶべきデバイスである。

販売モデル

初代の発売は2010年4月(日本では5月)。各世代ごとに名称が異なっていることが特徴で、それぞれの名称は、第2世代が「iPad2」、第3世代が「新しいiPad」、第4世代が「iPad Retinaディスプレイモデル」となっている。

第4世代の後継機に当たる「iPad Air」と「iPad Air 2」は独立世代となり、その後の第5世代は「新型iPad」として売り出され、「iPad Air 2」の後継機であると同時に、「iPad pro(9.7インチ or 10.5インチ)」の廉価版の扱いとなる。

第1世代

初代モデル。米国では、Wi-Fiモデルが2010年4月3日に、3Gモデルが2010年4月30日に発売。日本を含めた他の国では2010年5月28日に発売された。画面解像度や部品構成など、後モデルに続く基本文法はこの時点で既に完成されている。とはいえ、2012年現在のモデルと見比べると重量や本体サイズ・形状などの面で荒削りな点も多く、プロトタイプ的な印象が強い。

第2世代(iPad2)

米国では2011年3月11日に、日本を除いた国では2011年3月25日に発売された。日本は東日本大震災の影響で遅れ、2011年4月28日に発売が開始された。バッテリー駆動時間を維持しながら、大幅な薄型軽量化が行われた(iPhone4、iPhone4Sより薄い)。背面のエッジ部分が緩やかなカーブを描くようになり、前モデルと比べて非常に持ちやすくなっている。また当モデルより本体カラーがバリエーション化した。

詳細は「iPad2」記事を参照。

第3世代(新しいiPad)

2012年3月16日発売。iPad2とほぼ同じサイズ・重量を維持(実際は若干増加)したまま、新たにRetinaディスプレイを搭載し、これにより従来比4倍の解像度と8bitの1677色表示を実現した。Retinaディスプレイ搭載による画面の高精細化・データサイズの増加に伴い、グラフィック性能の大幅向上、およびスムーズなデータ通信を実現させるための次世代通信規格であるLTEに対応している。

第4世代(iPad Retinaディスプレイモデル)

2012年11月2日発売。その3ヶ月後となる2013年2月5日に128GBモデルが追加された。前モデルよりわずか半年後の2012年11月2日に発売となった。内容的にはマイナーチェンジに近い。CPUは前比2倍の性能を持つ「A6Xチップ」を搭載し、FaceTimeカメラの性能が向上。接続端子が従来の30ピンコネクタからライトニングコネクタへと移行している。バッテリーの持ちはこれまでと変化はない。2013年2月5日に128GBモデルが追加された。

iPad Air(第1世代)

2013年11月1日発売。iPad miniと同様のデザインへとモデルチェンジが図られた。薄さは7.5mm、重さは約469g、そしてプロセッサはiPhone5sと同様に64BitのCPUであるA7チップ+M7コプロセッサ搭載と、従来までのモデルより圧倒的に薄く・軽く・速くなっている。ちなみに廉価版iPadにあたるiPad(第5世代)以降の外装やディスプレイはAirを踏襲したものとなっており、基本的にこの機種から強化されている形となっている。

iPad Air 2(第2世代)

2014年10月16日発売。従来のRetinaディスプレイに加えて、フルラミネーションディスプレイも採用したことで、薄さ6.1mm、重さ約437gとiPad Airよりさらなる薄型軽量化が行われている。また反射防止コーティングも施されているため、明るい環境での見やすさが改善している。さらにiPhone 5sやiPad mini 4と同様に指紋認証機能のTouch IDが搭載された。プロセッサはiPhone 6に搭載されているA8の強化版であるA8Xチップを搭載。このA8Xは当時としてはかなりのハイエンド機であり、モバイルゲームでの推奨性能をまともに満たしているのがリリース当初では本機のみということも起こっていたりする。次世代に当たるiPad(第5世代)は廉価版モデルとして前モデルであるAirと同レベルにディスプレイがコストダウンされているため、Air2やmini4で行われたディスプレイの高品質路線はiPad Proに引き継がれる形となった。

第5世代

2017年3月21日発売。廉価版iPadのモデルとしてiPad Air 2と入れ替わる形でラインナップされた。プロセッサはiPhone 6SやiPhone SE同様のA9チップ+M9コプロセッサを搭載しているが、A9XやA10を搭載しているiPad proはもちろん、3コア構成になるA8Xを搭載したiPad Air 2よりも処理性能は落ちる。また前モデルのiPad Air 2と違い、コストダウンのためにフルラミネーションディスプレイと反射防止コーティングの採用を見送ったため、薄さ7.5mm、重さ約469gとiPad Airとほぼ同等の形状に戻ったことから、iPad Air2の後継機というよりはiPad Airの後継機に近く、Airと比較した場合、RAMとCPUの強化以外の差異はTouch IDに対応したのみ(一応申し訳程度にカメラもちょっとだけ強化されているが)である。なおこの世代がiPadの第5世代となったため、iPad Airのモデルは独立世代となる。

第6世代

2018年3月30日発売。廉価版iPadのモデルとしてiPad(第5世代)と入れ替わる形でラインナップされた。基本的には第5世代のマイナーチェンジであり、CPU強化とApple Pecil対応、および4G通信の最大値速度向上以外のスペックは全く同じ。ただしプロセッサにはiPhone 7同様のA10チップに強化されているため、初代iPad Proに搭載されているA9Xと同等以上の処理性能を持ち、また従来はiPad Proにしか対応していなかったApple Pencilを廉価版モデルに対応させてきたという点は大きい。

iPad Air(第3世代)

2019年3月30日発売予定。iPad Airシリーズとしては4年半ぶりの登場となる。

ミドルレンジのiPadのモデルとしてiPad Pro(10.5インチ)と入れ替わる形でラインナップされた。基本的にはAir2の後継というよりはiPad Pro(10.5インチ)のコストダウンモデルであり、CPUがA10X→A12に強化された以外はほぼスペックダウンしており、仕様としてはむしろ第1世代のiPad Proに近い。そのためAir2よりは全体的に強化されており、特にディスプレイ仕様は第1世代iPad Proから採用されているApple Pencilの第1世代対応、広色域(P3)、True Toneなどがそのまま引き継がれており、第6世代iPadよりはCPU以外でも性能が一段上となっている。また単純に後発モデルであるため、通信規格に関しては第2世代のiPad Proよりも世代が新しくなっているほか、XR/XS/iPad Pro(第3世代)同様にeSIMも内蔵している。

ちなみに同時発売のiPad mini(第5世代)と基本性能はほぼ同一だが、iPad Air(第3世代)の場合はiPad Pro(10.5インチ)のSmart Keyboardと互換性があるため、Apple純正のSmart Keyboardが利用できるという差異がある。

なおiPad Airは第三世代以降はiPadとiPad Proの中間に位置するモデルとなっている。特に第5世代以降はProより古い型番ではあるがSoCにM系チップが搭載されており、iOS18以降で利用できるApple Intelligenceにもフル対応している。またM系チップを搭載している関係で、廉価版iPadやiPad miniに比べて性能差が開くようになった。

第7世代

2019年9月30日発売。廉価版iPadのモデルとしてiPad(第6世代)と入れ替わる形でラインナップされた。基本的には第6世代のマイナーチェンジだが、サイズがAir3と同じになった影響で、ディスプレイが10.2インチとやや大型化したため、アクセサリに関しては従来の物が使えなくなっている。それ以外はほぼ第6世代と変わらない仕様だが、RAMが3GBに増量されたほか、eSIMも内蔵されている。またサイズアップしたことでiPad Pro(10.5インチ)のSmart Keyboardと互換性を持つようになったため、Apple純正のSmart Keyboardが利用できる。

第8世代

2020年9月18日発売。廉価版iPadのモデルとしてiPad(第7世代)と入れ替わる形でラインナップされた。SoCがA10→A12に変更された以外の仕様は第7世代と完全に同一。ただしA10 Fusion以前とA11 Bionic以降のSoCはNeural Engine対応の有無があるため、Appleの機能をフルに使いたい場合はNeural Engine対応の有無は性能以上に重要になる可能性が高い。事実iPadOS16の対応は従来通りA9以上だが、iPhoneにおけるiOS16のアップデートはA10以前に非対応になった。

第9世代

2021年9月24日発売。廉価版iPadのモデルとしてiPad(第8世代)と入れ替わる形でラインナップされた。見た目こそ第8世代と大差ないが、ディスプレイでは従来のiPadではAir3、mini5、Pro以降にしか対応していなかったTrue ToneやsRGBに対応。またフロントカメラも800万画素の超広角カメラに大幅強化されたことで、従来はHDまでだったフロントカメラでの録画機能がFHDの録画に対応。また容量のラインナップも時代の流れもあって32GB→64GB、128GB→256GBに増量となり、セルラー版は5Gにも対応している。SoCのA13はA12と同じ7nmプロセッサのため微強化にとどまるが、A10以前との性能差はより開いている。

第10世代

2022年10月26日発売。廉価版iPadのモデルとしてiPad(第9世代)のCellularモデルと入れ替わる形でラインナップされた。USB-Cがシリーズ初搭載されるなどデザインが一新され、フルラミネーションと反射防止コーティング非対応以外は上位モデルのAir4とほぼ同一の仕様となり、ホームボタンが廃止された。SoCのA14は5nmプロセスであり、またRAMも4GBに増えているので、第8→第9世代の時より性能向上の幅が大きい。カメラではフロントカメラの性能がAir4よりも上で、その向きも横向きに変更されたことで録画に関しての性能では大幅に勝っているほど。値段が超ドル高とウクライナ情勢のダブルパンチで為替が大幅に変わった影響で値段が前世代発売当時のほぼ2倍になってしまい、比較的安価に買えていたコスパが大幅にダウンして手を出しにくい値段になってしまった。Apple製品が22年7月に大幅値上げされつつも、今回iPadの第10世代が発売されて以降も第9世代のWifi版だけ販売が継続になったのもこの影響だと思われる。

Apple Pencil(第1世代)に対応しているが、変換コネクタが必要になったため注意が必要である。

iPad(A16)

2025年3月12日発売。他モデルの命名法則変更に倣って、本モデルから世代が明記されなくなった。

廉価版iPadのモデルとして2年半ぶりに発売。間隔は空いたものの、仕様自体は前モデルと同一で、SoCもApple Intelligenceにも非対応のA16とやや肩透かしがある。ただしアップデートを減らした分だけ値段に反映されており、RAMが4GB→6GB、最低容量のモデルが64GB→128GBになった一方で値段は据え置きである。また新たに512GBモデルが追加されている。

なお本モデルの発売を持ってiPadシリーズのセルラーモデルは全モデルの物理SIMが廃止され、eSIMオンリーとなった。ちなみにiPhoneも日本発売モデルではiPhone17シリーズから物理SIMが廃止されている。

搭載OS

iPadはiOSをベースとした「iPadOS」で動いている(詳細は当該記事を参照)。途中まではiPhone用のOS「iOS」が搭載されていたが、同OSのバージョン13よりiPad専用のOSとして独立化した。

2025年10月時点での最新バージョンは「26」で、およそ一年間隔でメジャーアップデートを行なっている。

「iOS 7」より従来からのデザインを大幅に変更したフラットデザインを採用。従来のスキュアモーフィックデザインの立体的なデザインに比べるとカラーリングは単色でかつ平面的なデザインをしている。

「iOS 11」より利用できるアプリは64bit対応が必須となり、32bitのみにしか対応していないアプリが使用不可能になっている。

「iOS 13」より、iPad専用OSとなるiPadOSを採用。MacPCやSmart Keyboardとの連携をより意識した仕様となっている。

「iPadOS 26」よりOSの命名規則が変更。メジャーアップデートにおいてiPadOSが18→26となっている。

iPadOSはiOSと同様にサポート期間が長めに取られているのが特徴で、現在はA12搭載機以降に最新OSが提供されているほか、「iPadOS 18」でも最新のセキュリティサポートがなされている。他にA8機は「iPadOS 15」、A9機は「iPadOS 16」、第6世代は「iPadOS 17」、第7世代は「iPadOS 18」、A7機は本家iOSと同様に「iOS 12」が最終更新だが、いずれも64bit機ゆえの恩恵が大きく、現在も重大なセキュリティホールが発見された際にはセキュリティアップデートが提供されている。一方でブラウザに関してはSafariの更新は最新OSでしか提供されず、ChromeやFirefoxも1世代前以外はいつ最新版向けの更新を切られても不思議では無い(事実本家のブラウザは既にiOS 15以前の機種には最新版の提供を打ち切られている)ため、代替ブラウザを使うのも手だが、WindowsやAndroidに比べてiPadOSはブラウザの選べる幅が狭いのがやや難点。

また2023年3月をもって32bit機向けのiOSアプリの開発環境が完全に打ち切られたため、「iOS 10」以前の機種は最新アプリが2023年4月以降は入手不可能になる。10年以上アプリ向けのサポートが続けられていたAppleの32bit機であるA5 / A6搭載の機種だが、この変更によりオンライン接続が必須のアプリは利用不可能になったと見てよい。

また2025年3月をもって64bit向けでは最古の開発環境だったiOS12の開発環境が打ち切られている。32bitの時と異なりアプリストアからの締め出しこそないが、稼働できるアプリがサポート打ち切りによって加速度的に減ってくることが予想される。

iPadでのニコニコ動画視聴について

iPadにFLASHが搭載されていないなど、発売後しばらくはiPadでのニコニコ動画視聴が不可の状態だったが、2010年9月29日にニワンゴよりiPad用HTML5式プレーヤーがリリースされ、正式に視聴が可能となった。

その後、2012年5月1日にはiPhone用公式アプリがアップデートされ、iPad用にも対応するユニバーサルアプリとなった。

ニコニコ生放送については従来まではHTML5を含めiPadに公式対応していなかったため、iPhone版アプリをそのまま使用する形となっていたが、2012年7月30日のアップデートでユニバーサル化され、iPadの大画面に最適化された形で視聴できるようになった。

2013年9月20日にはiOS7のリリースに合わせて、iOS7のデザインに準拠する形に変更すると共に、動画・生放送両アプリが統合された新バージョンとなった。

取扱キャリア

日本においては、第1世代より取扱が行われている。2017年7月時点での取扱キャリアは以下の通り。

  • ソフトバンクモバイル(第1世代~)
  • au(第4世代~)
  • NTTドコモ(iPad Air第1世代~)

第1世代~第3世代まではソフトバンクモバイルのみが、第4世代以降は併せてauが、そしてiPad Air第1世代以降はさらにNTTドコモが取扱を開始している。

またWi-fiモデルにおいてはApple store各店や大型量販店などでも第2世代から販売されているが、長らく3G・LTE通信が可能なセルラー版のモデルは上記のキャリア版しか発売されていなかったものの、2014年7月1日より日本のApple storeやApple online storeのみではあるがセルラー版も発売されている。

また2019年1月からはApple直販とほぼ同一の扱いであるが、Amazonでも取り扱いを開始しているものの、保障関連の仕様が異なるため、そのあたりが不安の場合は従来どおりApple直販やキャリア、大型量販店で購入した方が安心できる。

関連動画

第5世代(iPad Air)

第3世代(新しいiPad)

第2世代(iPad2)

その他

関連静画

関連リンク

関連項目

  • Apple
  • Appleの関連項目一覧
  • iPadOS
  • Apple Pencil
  • タブレットPC
  • iPad長

脚注

  1. *林 信行著作「iPadショック」より
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