JR北海道 |
JR北海道とは、北海道を営業地域にもつ鉄道事業者の一つである。1987年、日本国有鉄道(国鉄)から北海道内の鉄道事業を引き継ぎ誕生した。登記上は「北海道旅客鉄道株式会社」であるが、ロゴは「北海道旅客鉃道株式会社」と表記する。(他のJRもほぼ同様に「金を失う」と書くのを嫌って「金へんに矢」と書くが、四国旅客鉄道のみ「鉄」を使っている) |
正式社名、北海道旅客鉄道株式会社。英語社名、"Hokkaido Railway Company"。略称、JR北海道。
試される大地、北海道を基盤にする試されすぎて突き抜けた鉄道運行会社である。
北海道全域を営業エリアとしている。なお、海峡線全線も営業エリアに含まれる為、海峡線の本州側、青森県に位置する中小国駅までがJR北海道の管轄となっている。(正確には新中小国信号場までが管轄)
営業エリアが北海道ゆえに地理的・気象的な要因による特色が多々見られる。都市間の距離が非常に長く、非電化路線が大半を占めている。この為、ハイパワーな気動車特急車両を積極的に導入している。また、キハ283系を筆頭に先進の振り子式列車を多用、カーブでの減速を抑えることによる、特急車両の高速化に熱心でもある。
沿線の雄大な自然は観光資源でもあるため、そのニーズに併せて、道内各地でSLやノロッコ号(トロッコ列車の一種)などの観光用の列車も数多く運転されている。
一方でローカル線といった、旅客輸送の密度の低い路線も多数抱え、JR発足時から不採算路線はことごとく廃線とされた。現在でも経営状態は人口的・地理的条件の不利もあり、良好とはいえない。
JR北海道は一般的に知られている以上に経営基盤が弱く、営業路線2500キロのうち30%にあたる757キロは一日あたりの乗客数が一キロ当たり500人未満。500人以上2000人未満が762キロあり、キロ当たり一日2000人未満が現在でもほぼ6割を占める。
一般的に鉄道会社で損益分岐点を越えるには一日、キロ当たり2000人以上の利用者が必要とされ、国鉄末期に第三セクターに切り出した基準も同様となっている(廃止基準算定時に線名位で計上した為、札幌にかかわる多くの赤字路線がそのまま廃止されず今に至る)。
そんな中、ローカル線といった過疎地域でも採算の合う鉄道として、また新しい交通体系構築の試みも行なわれている。デュアル・モード・ビークル(DMV)という世界的にも特異な鉄道車両ならびに交通システムの開発がJR北海道によって進められている。DMVは簡単に言うと、「線路も走れるバス」で、モードチェンジにより、線路走行から道路走行、あるいはその逆が可能となっている。
利点として車両の導入費用が通常の鉄道車両よりも遥かに安い事、既存の鉄道軌道を流用できる事、道路も活用する事で弾力的な運用が出来る事等、公共交通(特に地方鉄道)の採算性に悩まされている日本の各自治体から注目を集めているが、諸問題(立ち往生や運賃等)も少なからず見られる。
ICカード乗車券については「kitaca」が2008年10月25日より札幌近郊のエリアにて利用開始となった。カードは電子マネーサービスに対応しており、2009年3月14日からサービスが開始され、現在はSuicaとの相互利用も開始された。
交流回生ブレーキに最も早く全社的に取り組んだのもJR北海道であり、その後その成果がすべての鉄道企業に対してもたらされることとなった(東京メトロで使用された日立製のIGBTを使用して交流回生ブレーキに成功した)。
前述のデュアル・モード・ビークルやキハ283系・キハ261系の設計・開発、交流回生ブレーキ、特殊鋳鉄制輪子、ハイブリッド車体傾斜システムの開発など、失礼ながら会社規模にそぐわない技術力を持っている事でも有名である。
例えるなら、JR東日本やJR総研が大学や企業の研究所とするならば、JR北海道は自宅横のガレージで研究・開発を続けるマッドサイエンティストという趣もある。(JR総研が実用不可能と取り合わなかった技術でも実現してしまうことさえある)
一部の特急列車では車体の前面に窓付きの貫通扉が設けられており、かつては誰でも入れることから、鉄分豊富な人々専用の席となっている場合も多く、概して前方展望を眺めるか、ビデオカメラを回していることがほとんどであったが、2010(平成22)年1月29日に函館本線の深川6号線踏切道において、特急スーパーカムイ24号(789系特急形電車)が非常ブレーキを掛けるも及ばず、無謀運転(列車通過の2秒前に踏切警報を無視し遮断竿を破壊して踏切を突破しようとしたという)のDQNが運転する11トンダンプに衝撃し、1~2両目が大破全損(ダンプは運転席を除き粉砕)、負傷者が多数発生してしまった事故を教訓に、同年5月から立入禁止という非常に残念なことになってしまった。また、この事故で列車の乗員乗客に死者や重傷者が出なかったことから、同社の新製特急車両がJR他社と異なり、安全面から車両前面を強化し高運転台として設計されていることは正しいことが証明された(事故の全容は、【RA2011-3 鉄道事故調査報告書参照Ⅱ】■参照)。
余談ではあるが、過去には上記以外にも新型車輌としてお披露目の際に報道陣を乗せた新製特急形車輌や29輌中1輌にのみ施されたラッピング車輌がピンポイントで踏切事故にあったり(後者は事故廃車)、延齢改造を受けたての一般形気動車がディーゼル機関車に衝突され首が折れる廃車になるなど、何故か新型車輌や改造車が理不尽な目にあったりする事が多い会社でもある。
なお、勘違いしている人が多いが、営業赤字の会社ではあるが、毎年税金を補給しているといった事実はない。民営化の際に持たされた6822億円の経営安定化基金からによる配当(元本の使用は禁止されている)と、固定資産税の減免などによって辛うじて経常黒字を計上していた。
上記のように開発においても悲しいほど予算がない状態で、魔改造の殿堂苗穂工場にてまさにガレージ開発しているのが実情である。しかし、ガレージ開発を逆手にとり、現場の声を吸い上げやすいという利点を活用して、少ない予算ではあるが奮闘している。
デンマーク国鉄と姉妹鉄道提携を結んでおりエレベーターなどのデザインをおそろいにしたりしている。
1990年から続く長い付き合いであり、どちらが姉分でどちらが妹分なのかは不明だが、極めて仲がよいのは事実のようである。
現時点で独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が全ての株式を保有しており事実上の公有民営会社である。
ところで、JR北海道独自の取り組みの中で、特筆すべきものの一つに、駅ナンバリングがある。
いや、地下鉄では当たり前のように導入されているし、JRグループの中でだって、JR四国に次ぐ2番目の導入ではないか、と、言う人もいるだろう。特筆すべき個所は、導入云々ではなく、その取り組み方である。
JR北海道の駅ナンバリングの付番方法が他の鉄道会社とは大きく異なるのだ。
普通、駅ナンバリングは、対象となる路線の始点から終点に向かって、1番からつけられていく。だが、JR北海道では、札幌圏・特急列車運行区間・外国人旅行客のご利用の多い区間の駅に、札幌駅を起点に、特急列車の運行系統を基準に振り割ったのだ。
どういうことなのか、さっぱりわからないと思うので、ここからは、主な例を交えて説明していく。
他にも、いろいろあるが、あげていったらきりがないくらい、いろいろとおもしろくなっているので、皆さんもこれを機に、路線図を眺めてみて欲しい。
国鉄北海道総局に当たる
住所:札幌市中央区北11条西15丁目1番1号
国鉄釧路鉄道管理局に当たる
住所:釧路市北大通14丁目5番地
国鉄旭川鉄道管理局に当たる
住所:旭川市宮下通6丁目4152番地2
国鉄青函船舶鉄道管理局に当たる
住所:函館市若松町12番5号
2010年12月現在、寝台特急を合わせると12系統の特急が運転されており、2種の電車と4種の気動車で運転されている。車両性能がどの車両も高く表定速度が全国の特急でも速い方である。 → 苗穂工場「私を甘く見ない方がいい」
この他、愛称にやたらと「スーパー」を付けたがる傾向がある。
「北の大地」作詞:山上路夫、作曲:森田公一、歌:ダーク・ダックス
※同一題名の歌で「作詞:星野哲郎、作曲:船村徹」のものがあるが、演歌界の大御所である北島三郎氏の持ち歌のうちの一つで、JR北海道の社歌とは別物であるので、注意を要する。
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最終更新:2025/12/07(日) 04:00
最終更新:2025/12/07(日) 03:00
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