Sandyで十分おじさん

Sandyで十分おじさんとは、intelのCPUである第二世代CoreのSandy Bridgeが今も性能や使い勝手の点で十分と信仰し、そしてメインPCで使用し続ける人のことである。

Sandy Bridgeおじさん、Sandyおじさんとも。

これは使用するPCがメーカー製か、あるいは自作やBTOかは問わない。

おじさんとは言うものの年齢性別は問わず、老害までは行かなくとも「懐古厨」を気持ちマイルドにしたニュアンス程度でよく使われる意味の言葉である。

よく本人が自虐ネタで自称するケースが多い。

本当に十分なのか

Sandy Bridgeの性能が十分というのは、一面的には真実である。ネットやデジタルイラストにexcelといった通常の用途には不自由せず、何なら2020年時点の新しいゲームでもi7-2700kならまあまあ遊べないわけではない。

だが今やそのSandy Bridge最上位のi7-2700kをもってしても、PassmarkやCinebench R20といったベンチマークにおいて第十世代のデスクトップ用coreシリーズとしては最低性能であるi3-10100Tにさえも到底及ばないスコアとなっている。
その程度の性能で起動ドライブがHDDだと流石にストレスフルなもたつきがある。

それでも、SSDに換装すれば十分に快適になる。
ゆえにSandyで十分おじさんは今も「Sandy Bridgeで十分」と主張可能なのである。

しかしCPUの性能は日進月歩。
少なくともメインPCとして十分でなくなる日が来ることは確定した運命と言えるだろう。

なぜSandyで十分おじさんは生まれたか

一般に精密機器というのは故障や経年劣化に弱いというイメージがあり、そしてそれは概ね事実とも言えるが、CPUはその中にあって例外的に飛び抜けて寿命の長いパーツの一つとされる。中古で購入しても比較的安全なPCパーツの筆頭には大体CPUが挙げられるほどである。
つまりSandy BridgeのCPUの使い始めから今に至るほぼ10年、丁寧に使用してきたなら故障なしなのも全くおかしな話ではない。

一方intelのCPUソケットは、CPU世代交代に伴い頻繁に更新される。これはbios更新ではどうにもならないマザーボードの物理的変更であり、新世代へのCPUの買い替えはほぼイコールでマザーボードの買い替えになってしまう。 単純により多くの出費となるのに加え、経験者ならご存知のことだろうがマザーボードの交換作業自体が恐ろしいほどの手間を要求される。
この面倒臭さと上記のCPUの長持ち度合いとにより、「Sandyが動いてるからいちいち買い換えなくていいや」という心理が誘発されてしまうのだ。

また、Sandy Bridgeが前世代からジャンプアップ的な大幅な性能上昇を果たし時代を作った名機であり、それに比べると後に続くCPUの性能上昇速度がゆっくりであった事もユーザー心理を固定化した原因の一つだろう。

Windows10がSandyで問題なく使用可能なのもある。
単純に高い金出して買った夢の機械をより長く使いたい、という思いもあるかもしれない。
SandyがハイエンドCPUを2万円台で購入できた奇跡の世代である故の金額的な躊躇もあるだろう。

こういった数々の事情と自分自身の内心により発生した
「ハードウェアアップデート拒否圧」に耐えられなかったのが
Sandyで十分おじさんなのだ。

だが、次なる性能ジャンプアップの時代が来てしまった。
プロセスの微細化、コア数増加というCPU性能に最大の影響を与える大波が押し寄せたのである。
Sandy Bridgeのますますの陳腐化は避けられないだろう。

Sandy Bridgeの使い途

前述の通り普通に使用可能な性能はある。少なくともスマホより各種能力は圧倒的に高く、ネット接続の安定性にも優れる。ただしこれからメインにするにはあまりにも心許ないスペックであり、やはりサブ機としての運用が適しているだろう。とは言え今後最新のソフトを使用した重いゲームや作業を自宅のPCでやる予定がないなら継続してメインでも構わないかもしれない。

また中古パーツで極めて廉価にPCを自作する際の選択肢にはなるが、Sandy世代のi7は（ネットショッピングでは）入手性があまり良くない。趣味のレトロマシンなら良いのだが、実用品として選ぶならもっと新しい世代のCPUを選んだほうが良いだろう。

何なら最新のi3やRyzen3の中で一番安いのでも…あれ、Sandyの用途を考える意味…

※なおこの記事は中古で購入した一体型のSandy搭載機で書かれております※

※CPUがモバイル向けなのもありますが※

※ニコニコ動画とYouTubeの再生負荷の差が感じやすいスペックと申し上げておきます※

Ivyおじさん、Haswellおじさん

同じようにSandy Bridgeより多少新しい世代のIvy Bridge、Haswell Bridgeから長年買い換えない人もいる。Sandyの衝撃がなくとも今も十分に使えるCPU、代を追うごとに高騰し続けるcoreシリーズ、交換の面倒すぎるマザーボードと買い替えに対して後ろ向きになる理由は十分に揃っているのである。

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