キョクアジサシ(極鯵刺)とは、チドリ目カモメ科に属する渡り鳥である。
概要
英名はArctic tern、学名はSterna paradisaea。北極圏と南極圏とを行き来する、最も長距離の渡りをする鳥類。その飛翔距離は年間3万kmに及ぶと推測されていたが、近年の研究で渡りの経路が蛇行しており、7~9万kmに及ぶことが判明した。経路が蛇行しているのは、卓越風を利用して渡るためと考えられる。キョクアジサシの寿命が30年程度であることから、一生涯のうちに移動する距離は240万kmと推算される。地球と月とを優に3往復できる距離である。
体長35cm、体重100gほどの中型の鳥。頭部は黒いが、喉から腹部は白く、背面は灰白色。嘴と脚は赤いが、冬羽に換わると黒くなる。北極圏で繁殖し、冬が近づくとヨーロッパ地方、アフリカ大陸の西海岸、あるいはアメリカ大陸の西海岸を南下する。そして南極圏で冬を越え、再び北極圏まで北上する。北極圏と南極圏の両方で夏を過ごすことから、「白夜を求めて旅をする」と形容される。日の光の中にいる時間が、ほかのどの生物よりも長い鳥である。
国際自然保護連合(IUCN)による保全状況の評価は軽度懸念(低危険種)であり、今のところ絶滅のおそれはない。
関連動画
ホッキョクアジサシとして紹介されている。
1:06ごろ、13:03ごろ、13:07ごろに登場。
関連静画
関連項目
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