フロウライトとは、TRPG『ソード・ワールド2.0』に登場する架空種族である。
そして、時に『大惨事表(通称:経歴表)』の影響すら弾き飛ばす、ラクシア最硬の種族である。
概要
カルディアグレイスにおいてソード・ワールド2.0に追加されたPC用種族であり、他の人族・蛮族とは一線を画す特殊な種族である。
透明度の高い鉱石の体を持つ種族であり、地中深く魔晶石の鉱脈の中で自然発生するとされる彼らは「歩く魔晶石」と呼ばれている。一見魔法生物のような姿だがれっきとした人族であり、その体には穢れなき本物の魂が宿っている。
透明な鉱石ゆえわかりづらいがその姿は人間に良く似ている。そしてその頭部は常にぼんやりと発光しており、この光は精神状態に応じて変化し感情を良く表現し、また、自分の意志の力で意図的に強く輝かせる事もできる。
鉱石の体を持つ故に呼吸も飲食も不要であり(※)、病気にかかったり毒の影響を受けることもない(薬品などの良い効果であっても)。水には絶対に浮かず、金属鎧を装備したキャラ並に水没するが、呼吸が不要な為それのみでは大事に至らない(ただし魔法の行使に発声が必要ある点は共通で、水没すると魔法が使えなくなる)。
地下で幼体が自然発生し、何らかの手段で知識を収集しながら成長し、地上に出て動き始めた時点で「0」才(および、成人扱い)となる。寿命はおよそ400年ほど。精神的な性別は存在するが本来的な性別はなく、子供も産まない。
……上述の概要からわかるように、フロウライトは「子供のころに家出をする」事もなく、「裕福な家に生まれる」事も「両親に愛されて育つ」事も通常ではありえず、「本来とは異なる性別として育てられ」もせず、「大病を患う」事も通常の病気ではありえず(精神疾患あたりならあり)、「毒を飲む」事も不可能であり、そして「空腹のあまり失神する」事は絶対にありえない。
解釈次第ではなんとか適用できるかもしれないが、ここまで経歴表(そしてPL)泣かせな種族も少ないだろう。
また、上述のとおり呼吸が不要かつ不可能な為、「呼吸が必要」であるエンハンサー技能が習得できないという技能制限が存在する。
※ 誤解されがちだが、飲食は不可能だが「味覚」自体は存在し、食べる事は出来ないが食事を味わう事は出来る。もっとも、飲み込む事はできないのでソムリエの味見の如くその後に吐き出さなければならず、もったいない精神を持つ人物ならば彼らに対しては食事を出さないか、試食程度の量しか出さないだろう……
種族の特性
器用度 | 敏捷度 | 筋力 | 生命力 | 知力 | 精神力 |
B- | B- | B | D | B | S |
(全「生まれ」の平均+ダイスの期待値が基準、実際は生まれによって±1ランク程度の誤差が発生)
基本的に人間並の能力が多い中、目を覆いたくなるほど低い生命力と、期待値でボーナス4が当たり前という馬鹿みたいに高い精神力が異様に目立つ。ただし、知力が1dである以外はすべて能力値ダイスは2dであり、能力の振れ幅は基本的に大きい。とく生命力は戦士の生まれを除き、『能力値=ほぼダイスの出目』であり、個体差が極端である(「体」が最も高い戦士の生まれの最高値が「15」、最も低い生まれの最低値はなんと「2」である。上記の性向表もその影響から平均だけならDとなっている)。
種族特性は前述の飲食・呼吸不要、毒・病気無効、区分「薬品」「食事」のアイテム効果を無効とする[鉱石の生命]の他に、頭部の光を照明代わりにする[魂の輝き]、水に浮かなくなる代わりに装備の補正なしでも防護点が上昇し、MPが増加する[晶石の身体]を持つ。
補助動作で自由に切り替えられ欠点の少ない[魂の輝き]以外は、どちらも長所と短所が際立っており、癖が強い。
(種族特性強化の対象は[晶石の身体]となっており、最終的には防護点+4、MP+45というわけのわからない次元に突入する。MPの方はともかく、よほどHPを成長させない限りどんなに防御力があってもまず前に出れないレベルだと思うのだが……(逆に言うと、これを十分に成長させる事ができれば他の追随を許さない強固な壁役になれるのだが))
上述の二つの極端な性能と合わせて、初期習得言語が「交易共通語」の他になぜか「任意の言語の会話・読文(汎用蛮族語だろうとドレイク語だろうとOK)」になっている事もあり、基本的に上級者向けのピーキーな性能となっている。
また、他に注意すべき点として[鉱石の生命]の効果で呼吸が不能な為、エンハンサー技能が習得できない。
長所
サンプルキャラクターが「気にしないでくれたまえ、無尽蔵だ」と宣言しているとおり、戦闘特技「MP軽減」を習得する必要をまず感じないほど膨大なMPを持つのが最大の長所。MPを用いる魔法職との相性は抜群であり、普通ならありえないような量の魔法拡大を用いた魔法の行使も可能である。
また、非金属鎧を身につけていても金属鎧並の防護点がある為、前衛を抜けてきた敵に殴られても相手の攻撃力が低ければびくともしない場合もある。金属鎧を装備しているならば、生半な相手ではまず攻撃を弾き飛ばしてしまうだろう。
……ただし、近接攻撃以外の(後衛によく飛んでくる)防護点無視のガンや魔法による魔法ダメージには弱い為、HPが低い後衛の場合、ダメージ次第では下手すると即死する可能性もある。
また、毒や病気の効果&ダメージを受けないこと、薬品の効果を受けない故にアウェイクポーション以外はまず持ち歩かない事などから、一部の魔法系技能による攻撃に極端に強いのも特徴。
短所
何度も繰り返すようだが、とにかく生命力が低い。最大の欠点にして唯一自力で何とかできる部分なので、PCが前衛・後衛かかわらず生命力を重点的に上げることが望ましい。
ファイターを伸ばし、《頑強》《頑強II》《タフネス》を習得するのも手かもしれない。HPの低ささえ補ってしまえば、これ以上ないほど強固で堅牢なPCが生まれる可能性があるのだから。
また、毒・病気の効果を受けない代わりに、薬品の効果を受けられず、救命草や魔香草による回復を受けられない事も欠点と言える。
【トランスファー・マナポイント】を持つ神官がPT内に居るならばほとんど問題にならなくなるが、フロウライトでも回復効果を受けられる<運命の楽譜>+【ヒーリング】&【ビビッド】(<ミュージックシェル>可)を確保しておく事が推奨だろう。
そも、精神力の高さがグラランレベルなので、バード技能をメインorサブとしてあげる選択肢も十二分にありえる。
また、「命に別状は無いが水に沈む(その間は魔法が使えない)」「エンハンサー技能が使えない」など仕様上の短所はいくつも存在するが、長所と対になっているものが多い上にどうしようもないものも多く、あえて問題があるとするならば『あまりに他の種族と違う故に、運用の際にきちんと種族の特徴を覚えていないと間違いやすく、面倒事が多い』という種族そのものが抱える問題だろう。
しかし、そのピーキーな性能に魅せられるPLも、おそらく少なくないのではないかと愚考する。
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