戦前
第2次世界大戦・太平洋戦争における日本の戦局悪化により、1944年11月13日にプロ野球活動の休止が声明が発表された。
その間にも巨人の守備の要でもあり、走攻守の3拍子ある(杉下茂は4拍子と賞賛している)捕手の吉原正喜が10月10日にビルマ(現在のミャンマー)で戦死、戦前の日米野球で大リーグ相手に1失点完投の好投を見せ、初代最多勝利に輝いた巨人のエース・沢村栄治も12月2日に台湾沖の東シナ海においてアメリカの攻撃を受けて戦死、阪神の攻撃の要・景浦將はフィリピンで苦戦しており、盗塁王や首位打者に輝いたライオンや南海軍に所属していた鬼頭数雄は7月にマリアナ諸島で戦死していたものの消息不明という状況であり、暗いニュースが次々に襲ってきた。
それでも関西では暗い雰囲気を払拭したいと思っている者が少なからずおり、阪神軍常務・田中義一(元内閣総理大臣とは別人、そちらは既に死去)の提案により、4球団27名の選手たちが集められ、阪神甲子園球場と阪急西宮球場にて開催することが決定した。
過去に正月に「正月大会」と銘打ったオープン戦を行っていたことから、戦局が最悪となっていていつ敵襲が起きてもおかしくない1945年にも行われることが決定した。こんな寒い選手にとってコンディション最悪な時期に開催しなくてもいいのに、と思うのだが、娯楽が今と違ってほとんど無い時代。ましてや贅沢は敵と騒がれた時代。選手側にとっても観客側にとっても貴重な娯楽となった。
先に4球団の選手がと述べたが、この4球団は関西・名古屋のチームである。
そして以下の選手が参加した。
チーム名 | 選手名 | 1945用 |
阪神軍 | 若林忠志、呉昌征、門前眞佐人、藤村富美男、本堂保次、川北逸三、金田正泰、中野道義 | 猛虎軍 |
産業軍 | 藤野義登、金山次郎、松尾幸造、大沢紀三男 | |
阪急軍 | 小暮英路、野口明、安田信夫、上田藤夫、三木久一、畑中時雄、西村正夫 | 隼軍 |
朝日軍 | 内藤幸三、広田修三、菊矢吉男、井上義男、酒沢政夫、坪内道則、田中雅治 |
阪神軍と産業軍は「猛虎軍」、阪急軍と朝日軍は「隼軍」と称した。
尚、wikipediaではメンバーは阪神軍は8名しか判明しておらず、残り1名は不明。阪急軍と朝日軍は7名ずつ出場している。産業軍も4名出場。
1944年当時は1チーム15名の構成となっていた。1944年当時在籍していた残りの7名の阪神軍のメンバーの誰かが該当するのだが、伊藤利清のスコアブックが存在するものの、ネット画像では字が小さく呉とか以外は判別しづらい。
1944年解散時から1945年1月にかけての残りの阪神軍メンバー
選手名 | 動向 |
塚本博睦 | 不明 |
武智修 | 不明 |
御園生崇男 | 召集? |
辻源兵衛 | 戦死 |
小林英一 | 不明 |
森田明義 | 引退? |
田中義雄 | 引退 |
1月1日から5日までの5日間(3日は警報のため中止)に8試合が行われ、猛虎軍の7勝、隼軍の1勝に終わり、戦前のプロ野球はこれで幕を閉じた。
戦後
関西での正月大会の終了後、新たに数名の戦死の一報が日本に入ってきた。
2季連続最優秀防御率に輝いた大阪の西村幸生がフィリピンで戦死、2年連続で15勝以上をマークした名古屋の石丸進一が神風特攻隊として戦死、景浦將もとうとうフィリピンで戦死という悲しい報告であった。
9月15日に神宮球場が、11月14日は後楽園球場が接収されてしまう。
それでも11月23日の神宮球場を皮切りに、24日、12月1日、2日に日本職業野球連盟復興記念東西対抗戦(通称:東西対抗戦)が3箇所で行われ東2勝、西2勝と戦後復興の1つとして開催された。
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