SCP-2934とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
概要
SCP-2934 | |
基本情報 | |
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OC | Safe |
収容場所 | 鋼鉄製金庫 |
著者 | Buttfranklin |
作成日 | 2016年10月1日 |
タグ | 人間型 死体 睡眠 精神感応 |
リンク | SCP-2934 |
SCPテンプレート |
SCP-2934は身元不明の18歳程度とみられる白人女性の保存処理された死体。頭髪は完全にそられており、手首と足首は状況的に生前になまくらな刃物で数日をかけて乱雑に切られていることがわかる。顔には外科用ホッチキスでドリームキャッチャー[1]がつけられ、上の輪は未知の種の鳥の羽毛で、下の輪は衛星アンテナを模したレゴブロックでそれぞれ装飾されている。額には長さ2cmの切開痕があり、ここからUSBケーブルが伸びてRaspberry Piに接続されている。このRaspberry Piは液晶表示を司る液晶板にケーブルで接続され、電源を持たないにも関わらず『22 04 2011 LIFE 0 TRANSMIT READY』と表示されている。そして口には「KOMPETENCË(能力)」「BESIM(信頼)」「AUTORITET(権威)」と書かれた黄色い紙、それに折りたたまれたA4紙に印刷された中年男性の顔写真が入っている。
このひどく改造された遺体の近くで眠ると、夢の中で『ンドレッツ・ゲガ』というおよそ50歳、身長180から200cm、後退した生え際、灰白色の髪色、太く濃い眉毛、幅広い顔と体格、幅広く高い鼻、比較的日焼けした血色の良い白人の夢を見る。このンドレッツ・ゲガは、A4紙に印刷された中年男性のことであることが全ての影響を受けた人物からの聴取で判明している。
基本的にンドレッツ・ゲガは寝ている本人と親密かつ、その人を助けることが可能な有能な権威者として登場する。かなり荒唐無稽な夢を見ることもあるが、基本的にンドレッツ・ゲガが活躍する夢であり、もしンドレッツ・ゲガが現実に存在し、上司や政治的代表などの権限のある立場に就いたらどう感じるかを問われると肯定的な反応をするようになる。……しかし、この夢を何度も観ると、だんだんンドレッツ・ゲガの継続的な出現に混乱・不安を感じ、ネガティブな反応に切替わっていく。財団エージェント及びDクラスを対象とした実験では、しまいには夢を見たくないあまりに4日間寝ずに過ごそうとする者まで登場した。まあ普通、同じ人が毎回自分の見る夢に出てきたら怖いよね。
財団は電波遮蔽装置で効果を阻止できることを突き止めた。また、ドリームキャッチャーの下の輪(レゴブロック製の衛星アンテナがついている方)を外すことでSCP-2934の夢に対する干渉を完全に防ぐことが可能となる。
ンドレッツ・ゲガの正体
さて、このンドレッツ・ゲガだが、財団は彼の正体を突き止めている。彼はアルバニアはドレーズの街の町長選挙に立候補したアルバニア民主党党員であった。彼の町では12日間、町民が彼の活躍する夢を見続けていたことが明らかになっている。はたしてその3日後の選挙戦、ンドレッツ・ゲガは記録的大敗を喫した。財団は、彼が有権者の夢に繰り返し出現したことで、広範な苦痛を与えたことが要因と考えている。選挙の翌々日に、現実のンドレッツ・ゲガはアルバニアの高速道路で180km/hで迷走して道を外れ、道路脇の木に激突して死亡。偶然にも、彼の両手足は衝突により切断されたことがわかっている。まるでこのSCP-2934の元になった18歳の女の子のように。
おそらくンドレッツ・ゲガは選挙で有利になるために、若い女の子を数日に渡り苦しめて殺害し、町民の夢に出てきて肯定的イメージを植え付けようとしたのだろう。しかし連日同じ夢を見た町民はうんざりして、ンドレッツ・ゲガに票を投じることはなかった。人の命を軽々しく奪った挙げ句、目的を達成できない政治家の屑。彼の愚行を知った人は、おそらく本オブジェクトの項目名と同じことを言いたくなろう。
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関連項目
脚注
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