男爵ディーノとは、宮下あきらの漫画『魁!!男塾』に登場するイロモノキャラクターである。
アニメ版の声優はキートン山田。
独眼鉄・蝙翔鬼とならぶ鎮守直廊三人衆の一人。
紫電房の番人として初登場した時は、シルクハットを被り革ジャケットを着込んで、鞭を手にするという
ウエスタン風の何かという出で立ちで現れた。
先に登場した独眼鉄が針の上に座って男を問うたり、蝙翔鬼が拳法の遠当てで立ちはだかる中、
ディーノがこの時したことはベルトコンベアーとハードルのスイッチをいじるというだけのもの。
終りの方に鞭を使って一号生(虎丸)をいたぶるものの、あっさり技を返されてしまうという体たらくであった。
汚名返上をかけて臨んだ大威震八連制覇編では、鞭をトゲだらけの棘殺怒流鞭(きょくさつどるべん)へと換装。
さらに、シルクハットの中にはくちばしに猛毒を塗りこんだ死穿鳥(しせんちょう)を忍ばせ、
鞭と鳥の二段攻撃である死穿鳥拳(しせんちょうけん)を披露した。
……が、いかんせん相手が悪すぎた。ディーノの相手は作中でもトップクラスの実力者・伊達臣人。
かすり傷一つ負わせられず、武器の槍を使わせることもなく、たった一話で退場の憂き目と相成った。
天挑五輪大武會編にも参戦したディーノは予選リーグ二回戦の狼髏館(ろうろうかん)戦に登場。
これまで登場した男塾の戦士たちがいずれも勝利を収めたとあって、余裕の表情でピースサインまで見せて出陣。
が、敵方の戦士には「貴様は俺の敵ではない」と足下に描いた円から出ずに戦うという舐めプレイを仕掛けられる。
激昂したディーノは死穿鳥拳を放つが、バトル漫画のお約束、一度破られた技は通用しない。
あっさり見切られると、髪の毛を首に巻きつけられ絞めあげられるとあっさり敗北を喫した。
なお、この敵は伊達が舐めプレイ返しであっさり撃破した。
……と、何一ついいところが無いと言っても過言ではなかったディーノだが、しぶとく生き残っていた。
同僚である独眼鉄、蝙翔鬼が命を落とす中、本戦準決勝まで生き残っていた(単に出番が無かったとも言う)。
そんな準決勝の梁山泊十六傑戦に、ディーノは一番手での出陣を志願した……が。
これまでのシルクハットはそのままに、ジャケットをマントに着替え、胸には蝶ネクタイをあしらうというスタイル。
極めつけは自らを「地獄の魔術師(ヘルズ・マジシャン)」と称し、驚き役の富樫・虎丸コンビにマジックを披露。
そう、ディーノはウエスタンのパチモンからマジシャンへの変貌を遂げたのだった。
突然のイメチェンかもしれないが、以前より帽子から鳥を出していた(死穿鳥拳)ので素養はあったのかもしれない。
戦場に降り立ったディーノはトランプを模したゾリンゲン・カードを手に勝負を挑む。棘殺怒流鞭や死穿鳥拳なんて無かったんだ!
敵を幻惑する眩魔切断術(ミラクル・カッター)や奇跡の杖(ミラクル・ケイン)を駆使し、一進一退の戦いを見せる。
相手の奸計に嵌り深手を負ったディーノは最後の力を振り絞って敵と相討ちとなり、激流へと身を投げたのだった。
これまでダメダメだった男の見せた一世一代の激闘は、作中の名勝負に挙げるファンも少なくない。
一種の熱狂的なファンを身につけたのが男爵ディーノというキャラクターである。
なお、作者の続編には同様に死んだはずの他の鎮守直廊三人衆と同じくしれっと再登場していたりする。
氏の漫画にはよくあること(王大人の「死亡確認」は生存フラグ)ではあるのだけれども。
『魁!!男塾』は何度かゲーム化もされている。ディーノは登場したりしなかったり。
1989年発売の『魁!!男塾 疾風一号生』は大威震八連制覇編を題材とした作品。
原作とは少し異なり、ステージ4の中ボスとして登場すると、手始めに死穿鳥の攻撃でこちらのHPを削りにかかる。
その後お目見えしたディーノは縦の座標が合うと棘殺怒流鞭の集中砲火をお見舞いしてくる。
アクションゲーム後半戦のボスらしい嫌らしいキャラに仕上がっており、死穿鳥拳が最も輝いた瞬間とも言える。
その後はSIMPLEシリーズのドッヂボール怒馳暴流こそ出演したものの、
格ゲーでのシリーズでは他の鎮守直廊三人衆と共に仲良く出番が無かった。
が、2014年発売のPS3ソフト『魁!!男塾 ~日本よ、これが男である!~』に久々の出演が決定。
そればかりか、限定版の特典として付いてくるのが、なんと精巧に再現されたディーノのフィギュア(21cm)。
ゾリンゲン・カードを片手に、下は男塾らしくフンドシ一丁で決めてみせるという誰得豪華な代物である。
『魁!!男塾』とほぼ同時期に同じく週刊少年ジャンプで連載された『ジョジョの奇妙な冒険』には、
「シルクハット姿」、「カイゼル髭」、「(自称)男爵」と妙に共通点の多いウィル・A・ツェペリというキャラが登場した。
おそらくは偶然の一致だろうとは思うが……ちなみに初出としてはディーノの方が1年早く世に出ている。
プロレス界では、ディーノの名前がリングネームの由来となったプロレスラー、男色ディーノが活躍している。
彼の来歴については個別記事を参照していただきたい。
なお、残念ながら棘殺怒流鞭も、死穿鳥拳も、ゾリンゲン・カードも使わない。使ったら反則だしね
男爵ディーノ、その生き様
2:14~ 豪華特典(ディーノフィギュア)の紹介
2:35~ 死穿鳥拳が最も輝いた瞬間
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最終更新:2024/05/17(金) 03:00
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