ここでは、フィリピンにおいてタガログ語等の表記に使われていた文字体系であるバイバイン(Baybayin)について説明する。
ドラえもんのひみつ道具については「バイバイン」の項目を参照。
概要
タガログ文字、アリバタとも呼ばれる。UnicodeではU+1700-171Fの位置に収録されている。ブラーフミー系文字に属しており、ジャワのカウィ文字を祖先とする。
子音文字は単独では母音 /a/ を伴って読まれ、違う母音を表すのに文字の上または下に母音記号を追加する。上に付く場合は /i/ または /e/、下に付く場合は /o/ または /u/ を表す(記号の形は黒丸や波形等、書体によって異なる)。元々は音節末の子音を表記せず、読む時は文脈から子音の有無を判断する必要があったが、後にスペイン人の考案で、文字の下に十字型の記号を付けて子音だけを書き表す事も行われている。
現在タガログ語の表記は、16世紀にスペイン人によって広められたラテン文字が公式となっているが、バイバインは切手や紙幣、カリグラフィー等で現在でも限定的に使われる事がある。
フィリピンにはバイバインの他にハヌノオ文字、ブヒッド文字、タグバンワ文字が存在し、字形は異なるものの表記方法はいずれもバイバインと類似している。ハヌノオ文字等は、それぞれの民族により現在でも使用されている。
文字の一覧
母音文字 | |||||
---|---|---|---|---|---|
/a/ | /i, ɛ/ | /u, o/ |
子音文字 | |||||
---|---|---|---|---|---|
/ka/ | /ɡa/ | /ŋa/ | |||
/ta/ | /da, ɾa/ | /na/ | |||
/pa/ | /ba/ | /ma/ | |||
/ja/ | /la/ | /wa/ | |||
/sa/ | /ha/ |
子音文字+記号(kaと結合した例) | |||||
---|---|---|---|---|---|
/ki, kɛ/ | /ku, ko/ | /k/ |
関連項目
外部リンク
- 3
- 0pt