ドラえもんたちがシンガポールでタケコプターを付けて飛んでいる画像とは、
↑この画像である。
概要
シンガポールの街並みを背景にドラえもんたちがタケコプターで飛んでいる画像。公式でないアカウントがニコニコ動画に投稿した動画「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲(フル)」で、再生中に表示される画像として使用されていたことで、一部では有名になっている。
投稿から10年程度は画像よりも「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲(フル)」の方が注目されていたため、この画像の出所はどこか、なぜこの画像が使われたのかについては、不明な点が多かった。
2019~2020年ごろから、わたぴー氏がスネ夫が自慢話をするときに流れている曲の音MAD動画でこの画像を素材にし始めた。おそらくその影響からか、2020年8月にみずれ氏がTwitterでこの画像の出所の情報を求めるツイートが行っており、徐々に出所の特定が始まっている。このように、令和に入ってから以前よりこの画像の注目度が上がっている。しかし、依然としてこの画像には不明な点も多く、特に「国内でどのグッズに使用されていたのか(≒何のために生み出された画像なのか)」という点については物的証拠が見つかっておらず、2023年4月末でも謎のままとなっている。
モデルとなった地点
背景にはマーライオンの像が写っていることから、シンガポールがモデルであると考えられる。
しかし、現在のマーライオンの位置(マーライオン公園)で同じような写真を撮ろうとすると、背景に高層ビル群が間近に写ってしまい、後ろにある木々があまり写らないため、例の画像の構図のようにはならない。
マーライオンは2002年に移設されており、それ以前はエスプラネード橋とアンダーソン橋の間にある、小さな突堤のようなところに設置されていた。このことから考えると、例の画像はエスプラネード橋側からアンダーソン橋方面に、マーライオンのやや右側を中心に眺めたときの風景(参考:近似地点のGoogleストリートビュー)が元になっていると思われる。
写っているもの
- ドラえもん
- いわゆる「旧ドラ」、大山のぶ代時代のドラえもん。両手を挙げ、口を開けてタケコプターで手前側に向かって飛んでいる。主役なだけあって一番大きく描かれている。
- のび太
- ドラえもんの右奥にいる。タケコプターで飛んでおり、両手を腰の後ろに持ってきており、脚をやや曲げている。安定した姿勢をキープしようとしているのだろうか。右腕が体の後ろに行ってしまっているので、MAD動画では隻腕になることが多い。
- しずか
- 画像の中では一番左にいる人物。タケコプターで飛んでおり、両腕を広げ、左足を上に曲げており、若干ナルト走りや走るチルノを連想させるようなポーズになっている。
- ジャイアン
- ドラえもんとしずかの間にいる。タケコプターで飛びながら左手を顔に当て、何かを眺めるようなポーズをしている。
- スネ夫
- ドラえもんの右上にいる。両手を横にして、脚を軽く曲げている。図の中では比較的小さく描かれているが、後の動画で勝手に主役に祭り上げられた。
- タケコプター
- ドラえもんなど5人が装着しているひみつ道具。MAD動画ではなぜか単体で意志を持って動くことがある。
- マーライオン
- ドラえもんの左やや下にいる。水を吐いている。先述したように、現在はこの位置にはマーライオンは存在しない。
- 堤防
- マーライオンが載った堤防。石造りで、日本の城の石垣のように丁寧に石が積み重ねられており、先端は角ばっている。実際のシンガポールの堤防は、レンガ積みのような構造で先端は丸みを帯びており、異なったデザインになっている。
- アンダーソン橋
- マーライオンの後ろに写っている、奥に門がついた橋。画像では青みがかっているが、実際の2020年時点でのアンダーソン橋は白色になっている。1910年にシンガポール総督のジョン・アンダーソンから名前がとられて建造された歴史ある橋。
- マリーナ・ベイ
- マーライオンが水を注いでいるところ。
- エスプラネード公園
- 後ろにある木々の多くはこの公園に生えている。きれいに整備されており、木陰のベンチでマリーナ・ベイを見ながら休むことができる。マリーナ・ベイ側には転落防止用の白い柵や塀が設置されている。
- 褐色の屋根の建物
- エスプラネード公園の奥に見える、やや低い建物。マーライオンの水に遮られている。
おそらくモデルは「シンガポールクリケットクラブ」、または「アジア文明博物館
」の建物ではないかと思われる。シンガポールクリケットクラブの奥には広大なグラウンドが広がる。
- 建物A
- 一番左にある建物。手前側に建物の一部がでっぱっている。または、平べったい形のビルの手前に、独立した塔状のビルが建っているようにも見える。他にも様々な可能性が考えられる(詳しくはわたぴー氏のツイート
参照)。
モデルは不明だが、ショッピングモール「チャイナタウン・ポイント」に複合するオフィスビルを裏側から眺めたものが形状としては近い。ただし、方向は一致しているものの、距離を考えるとここまで大きく写らないようにも思われるので、すでに取り壊されたビルがモデルになっているか、実際には存在しないビルの可能性もある。
- 建物B
- マーライオンの奥に写る、白いマンションのようなビル。幅が異なるが、位置的には建物「ザ・リバーウォーク
」がモデルの可能性がある。
- 建物C
- 大きな時計がついたビル。「ビクトリア劇場
」の時計塔がモデルの可能性がある。実際には洋風のデザインで周りの建物より目立っているが、画像では他のビルと同じようなデザイン・配色になっている。
- 建物D
- 上部がアーチ状の構造物でおおわれている建物。特徴が似た建物である「ペニンシュラ・エクセルシオール・ホテル
」がモデルの可能性がある。
- 建物Eなど
- その他、奥に様々なビル群が写っているが、特定は困難である。
- 虹
- 背景右奥にかかっている虹。MAD動画では円形で登場することがある。性質上、BBで切り抜くのが最も困難な素材と思われる。
「太陽の位置から考えて物理学的にありえない場所に虹がかかっている」とか突っ込んではいけない。 - 太陽
- シンガポールの街並みを照らす太陽。MAD動画でスネ夫などの他のキャラクターの隣に登場したりする。熱くないのかな…。
- 右下のロゴ
- 三日月のようなマークに「NEWSIS」と書かれている。
画像の出所
ロゴの「NEWSIS」が韓国のメディアの名前であることから、この画像がいったんネット上で韓国を経由していることは明らかである。
2006年、韓国のアニメ専門チャンネルChamp TVにより「ドラえもん 36時間連続放送」が行われており、その際のNEWSISの報道でこの画像が使用されたものと見られている。
韓国のドラえもん公式サイトが同じ壁紙を過去に民間に配布しており、これがNEWSISに提供されたものではないかと考えられる。
さらに遡ると、同じサイトで配布されたドラえもんの壁紙のイラストが国内の絵葉書で使われていたことが判明した。このことから、国内で何らかの国内グッズ用の公式イラストとしてシンガポールの画像が使われ、さらには韓国を含めて国際的な公式画像として使われるようになったのではないかと推測されている(参考)。しかし、これ以上の詳細な情報は2020年8月31日時点では明らかになっていなかった。
その後のMAD動画での流行や、Twitter上で定期的に取り上げられたことに伴い、2023年に入ると徐々にYouTubeなどの他の動画サイトでも取り上げられて知名度が上がった。その結果、2002年にイタリアでステッカーとして発売されていたことが判明した(→リンク先>>81、参考画像
)。ほかにも「下敷きかクリアファイルに使われていた」とする証言が増加している。
さらに同年5月2日には、スペインのフリマサイトでこの画像を含むドラえもんのステッカーセット20種が販売されていることが分かった。(問題の品物はこちら)
20ユーロ(2023/05/03時点のレートで約3000円)で、ほぼ未使用の状態で販売されていたようだ。
そして、2023年8月31日、事態は大きく動いた。今まで抽象的なモノしかなかった目撃証言に、具体的で新たな目撃証言が登場したのだ。
だが、別の目撃証言により「ゲーム路線」が開拓され、調査範囲はさらに拡大することとなった。
画像の出典が判明する日は近いのかも知れない…
関連動画
RB(レッドバック)素材あり
手描きGB(グリーンバック)素材一部あり
その他
関連リンク
関連項目
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