全会一致とは、反対意見を出すことなく意見が採用されることである。満場一致とも。
概要
何をもって全会一致とするかは異なり、メンバーとして登録されている全ての者の意見が一致する場合と、欠席・棄権者を除いたその場にいた者の意見が一致する場合に分けられる。日本の閣議の採決は前者、国会の採決は後者である。
第二次世界大戦以前の国際連盟の総会では全会一致の原則、つまり全会一致以外の意見は採用しない方法がとられた。ただし、約60の国連参加国のすべてが意見を一致させることは難しく、迅速な審議をとることができなかった。その反省を踏まえ、戦後の国際連合の総会では多数決が採用されている。
ちなみに、日本が国際連盟の脱退を決定するきっかけとなったリットン調査報告の際の議決は、日本が反対したのにもかかわらず採決されている。これは、係争の当事国は議決から除外するという国際連盟規約第15条第10項の規定によるものである。
全会一致にも問題点がある。本当は異論を言いたいのだが、場の空気を読むあまり、反対意見を出せない状況をそのまま「全会一致」として採決してしまう場合がある。これを「全会一致の幻想」と呼ぶ。この対策としては、全会一致となった場合に再び議論をやり直す、反対意見を必ず述べる役の人物をつくるなどが挙げられる。
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関連項目
- 多数決
- 集団思考
- 満場一致で「お前が危ない」
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