TCP/IPとは、インターネットの一連のプロトコル群である。
概要
まず、スラッシュの前と後ろで区分けが行われている。スラッシュよりも前、TCPはトランスポート層(OSIの7層モデルでもトランスポート層)のプロトコル、つまりコンピューターから送る前、およびコンピューターに到着した後のことをつかさどるプロトコル、スラッシュよりも後、IPはインターネット層(OSIの7層モデルではネットワーク層)のプロトコル、つまりコンピューター間の通信をつかさどるプロトコルである。
なお、ネットワーク機器同士の接続はTCP/IPが直接かかわる範囲ではなく、より下部のリンク層(OSIの7層モデルでは物理層・データリンク層)の管轄である。TCP/IPに引き渡す前、およびTCP/IPから引き渡された後も同様にTCP/IPが直接かかわる範囲ではなく、アプリケーション層(OSIの7層モデルではセッション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層)がこれを担う。
インターネット層
ここでは、パケットのやり取り、およびそれにかかわる様々なメッセージ処理を行う。
基盤となるプロトコルはIPであるが、このIPには以下の2つのバージョンがある。
現在も主流はIPv4だが、IPv4アドレスが枯渇しつつあることに伴い、IPv6への移行が進められている。
IPのパケットは、ルーターによるルーティングで、複数のネットワーク間を移動していく。これにより、世界中のコンピューターがつながることができる。
なお、IPの診断のために用いられるICMP・ICMPv6も、このインターネット層に組み込まれている。ただし、これはIPの上で動作するプロトコルである。
トランスポート層
ここでは、セグメントのやり取りを行う。ここのプロトコルでよく使われるのはTCPとUDPであるが、それだけではない。
- TCP
- 1974年に策定されたプロトコル。データの転送や順序を保証する。その代わりプロトコル自体はやや重めで、小型コンピューターに搭載するにはやや苦労がいるとされている
- UDP
- 1980年に策定されたプロトコル。データを送るだけ送って、到着も順序も保証しない。仕様もたった3ページと少なく、小型コンピューターにも搭載が容易とされている
- DCCP
- 2006年に策定されたプロトコル。輻輳制御などは行うが、到着や順序を保証することはしない
- SCTP
- 2000年に策定されたプロトコル。役割はTCPと同じだが、TCPとは異なり、フレーム志向である
これらはいずれも送信元のポート番号から、送信先のポート番号への伝送を行う。送信時は、アプリケーション層から受け取ったペイロードを、ヘッダーなどをつけたうえでセグメントにし、インターネット層にペイロードとして引き渡す。受信時は、ポートに到着したセグメントを、適切な処理(エラーチェックなど)を施したうえでアプリケーション層へ引き渡す。
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