「みどり荘事件」

「みどり荘事件」とは、2013年10月に埼玉県和光市で起こった殺人事件である。

概要

2013年10月14日、埼玉県和光市のアパート「みどり荘」付近の住民から異臭がするとの通報を受け、 同アパートの管理人が一室を捜索したところ、腹部等をめった刺しにされた女性の遺体が発見された。 検死の結果、死後数日が経過しており、死因は腹部等の刺し傷による失血死とされた。 また被害者の膣内からは加害者のものと思われる体液が発見された。遺体の側には凶器と思われる 包丁が発見されたが、ここからは指紋は検出されなかった。
部屋の内部からは加害者のものと 思われる毛髪が発見された。

ＤＮＡ鑑定の結果、遺体は東京都在住で10月4日から行方不明になっていたＴＭさんと確認された。

10月15日、埼玉県警は警視庁と合同捜査本部を設置し、付近の住民らを中心に聞き込みなどの捜査を
開始したが、有力な証言は得られなかった。

捜査本部は、被害者の交友関係を調査し、被害者との関係でトラブルになっていた男性Ｋを容疑者として
捜査を開始した。

11月29日、警視庁は容疑者Ｋに任意による事情聴取を求めたが、Ｋは拒否した。
翌日未明、Ｋは覆面を被って外出し、逃亡の恐れのあることから、脱税等の別件逮捕に踏み切った。

被疑者Ｋは当初黙秘していたが、数日後に容疑を認めた。
12月10日、検察はこれを受けて、被告Ｋを強姦殺人等の容疑で起訴した。

公判では、被告Ｋは、被害者との性交があったことは認めたものの和姦であり、殺人については 自白の強要が
あったとして無罪を主張した。
検察側は自白調書について内容が証拠から認められる 事件の概要に一致するとしたうえで、凶器の包丁の
入手経路などが犯人しか知り得ない秘密の暴露に 当たると主張した。
一方、弁護側は取り調べの際に死刑の可能性を示唆されて誘導されたとして、 自白の任意性や信用性を
否定した。

2014年10月10日、１審・埼玉地裁は、供述調書の自白について「任意性はともかく、合理的であり、 信用に
値する」とした。そして、「被告が犯人ではないかと疑わせる事実を総合しうる」として、 求刑通り無期懲役の
判決を下した。

弁護側は、この判決に対して不服として即時控訴した。

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