フェルミウムとは (フェルミウムとは) [単語記事]

フェルミウムとは、原子番号 100番の超ウラン元素である。

概要

発見：1952年、世界初の水爆実験の跡地（マーシャル諸島エニウェトク環礁）からアインスタイニウムとともに発見される。
安定同位体は存在せず、半減期は最も長い²⁵⁷Fmで100.5日。通常は天然に存在しない元素である。理屈上天然でも生成される可能性はあるが、検出された事はない。天然で検出できたものは実験室、高エネルギー原子炉、核実験に由来するものと考えられる。しかし仮に最も半減期の長い同位体である²⁵⁷Fmが1gあったとしても、20年後には全ての原子が崩壊してしまう。環境中に漏れ出たフェルミウムの量は更に数桁少ないのと、技術的に検出できる限界から、このような現場は新たな流入が無い限り数年で検出できなくなってしまう。ただし、20億年前の地球にあったオクロの天然原子炉では生成した可能性がある。
原子炉の使用済み核燃料からも得られるが、微量すぎて物理的・化学的性質の詳細は不明。ただし錯体が他のアクチノイド元素と比較して安定している事は確かめられている。
天然および原子炉で合成が出来る最も重い元素である。これより重い元素は加速器でのみ生成可能。
名称は物理学者エンリコ・フェルミからとられた。