ブラック・ジャックとは (ブラックジャックとは) [単語記事]

この項目では手塚治虫の漫画について記述しています。
その他の用法については「ブラックジャック」を参照。

『ブラック・ジャック』とは、手塚治虫の漫画作品、および同作品の主人公である無免許の天才外科医である。略称は「BJ」。

概要

法外な額の報酬と引き換えにあらゆる難手術を成功させる、モグリの天才外科医ブラック・ジャック。彼の元に舞い込むさまざまな依頼と、患者およびその周辺の人間関係を通じて、生とは何か、死とは何かを問いかける、手塚治虫の代表作の１つ。手塚は自身が医師免許を持っており、生々しくも迫力ある手術描写などから、漫画史における最初の本格医療漫画と言える。

幾度かのアニメ化や実写映画化が行われている。

ニコニコ動画において

ニコニコチャンネル『手塚治虫アニメワールド』にてOVA版のアニメが公式配信中。サンプルは無料で視聴できる。しかし、しょっぱな第一話「キマイラの男」は圧倒的にトラウマになりやすいので注意。

また、2010年 10月からテレビ版のアニメも公式配信中。第一話は無料で視聴できる。

さらに、2010年 10月9日から毎週金曜日深夜に公式生放送で2004年に製作されたアニメスペシャル版の配信がされ、その後1週間は無料で視聴できる。

2015年 10月5日、ヤングブラック・ジャックが配信を開始した。ブラック・ジャックの医大生時代を描くアニメ。ただし派生作品かつ、アニメも手塚プロダクションが制作しているが、手塚治虫の作品ではない。

主な登場人物

ブラック・ジャック: 本名・間黒男（はざまくろお）。推定年齢 20代後半～30代半ば。髪の毛は半分が白髪で、顔をはじめ全身に傷痕があり、皮膚もつぎはぎだらけという容貌の持ち主。; その神業的な技術で世界的に名を知られているが、医師免許を持たず、患者から法外な報酬を巻き上げることなどから、医療界からは忌み嫌われている。
ちなみに手塚は最初、白髪の部分を、「光のつや」としてしか考えていなかったらしい。; OVA第二話は麻薬成分のあるサボテン「ペルート」によってトリップしてしまい放火された小屋に閉じ込めらてしまう。生々しい幻覚症状に落ちてしまったBJだがブラックボックスと呼ばれるBJの死力によって立ち上がるその姿は必見。; OVA版以降のアニメ版の声優は大塚明夫。ヤング時代の声優は梅原裕一郎。

ピノコ: とある手術がきっかけでBJと同居することになった、助手の少女（自称・奥さん）。アッチョンブリケ。一見幼女に見えるが、ある事情故に実年齢は見た目と一致しない。手塚作品の中でも特に人気の高い、味のあるキャラである。; アニメ版の声優は水谷優子。宇多田ヒカル版はある意味必見だが……。OVAでは態度がでかかった。

本間丈太郎: BJの恩人であり、心の師とも言える医師。老衰により死亡。; 最期の一言とBJの前に現れた幻「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」のシーンはあまりにも有名。; アニメ版の声優は阪脩。
ドクター・キリコ: 治療の見込みのない患者に対して違法に「安楽死」を請け負う、BJとは正反対のポリシーをもった医師。; 依頼を受けて多くの人を安楽死させ、死神とまで呼ばれる人物だが、その行動は自分なりの信念に基づいており、「治せる患者は治す」のが大前提である。; ある意味ではBJのライバルのようなポジションで、手塚は両者の対比を通じて人間のジレンマを描き出そうとしていたと思われる。物語の中でBJとタッグを組んだこともある。; アニメ版の声優は速水奨。ヤング時代の声優は諏訪部順一。

エピソード

毎回20ページ前後で非常に中身が濃い一話完結形式で、基本どこからでも読めるがこの形式は「アイディアは売るほどある」と豪語する手塚治虫と言えど苦労したらしく、手塚治虫が旅行の際に続き物にしても良いかと打診したが、編集長の壁村耐三が断固として反対した。
現実の症例と架空の症例、医療技術が混在しており幾つかの手術は、後に「こんなのは漫画だから出来るのだ」とか言う発言が有ったりする。
架空の症例には勝利しても現実の壁に敗北する事も有る。
毎回手術シーンを描くのも大変なので、予め使いそうな内臓の絵などはストックしておき、そこから話を考える事も有った。（いわば漫画版バンクシステム）
後期に生まれた手塚作品だがスターシステムで24時間テレビスペシャルアニメには、関連キャラが高確率で出演している。
連載開始は虫プロ倒産の9日後。