マジックナンバーとは、「他チームの結果に関係なく後何回勝てば優勝できるか」を表した数である。
プロ野球で使われる言葉である。優勝マジックと言ったり、単純にマジックと言ったりする。
意味を言い換えると「あと何勝すれば他のチームは自チームの勝率に追いつけなくなるか」となるため、原理的にマジックナンバーを定義できるチームは1チームのみとなる。
マジックナンバーを定義できる状態になったチームが現れたときに「マジックが点灯」と表現する。逆に定義できる状態でなくなったときは「マジックが消滅」と表現する。
ビンゴゲームで使用していたマジックナンバーが由来とされる。ビンゴが成立するための数字をマジックナンバーと言い、そこからビンゴの成立→優勝と連想し、ビンゴ成立のための数字→優勝に必要な勝利数というふうに使い始めたらしい。
「勝利数が最多のチームが優勝」する場合、マジックナンバーは以下の式で計算できる。
ここでマジック対象チームは勝利数+残試合数がマジック点灯チームの2番目であるチームである。これは残試合数が関係しているのでマジック対象チームが暫定2位のチームとは限らない。逆にマジック点灯チームが暫定2位チームの可能性もある。これは暫定順位が現時点での勝率であり残試合数を考慮していないためである。
なお、現在の日本プロ野球では勝率(= 勝利数/(試合数 - 引分数))を元に順位を決定しているため、引き分け数次第で必ずしも勝利数が最多のチームが優勝するとは限らない。この場合も同様に考えれば計算式を導くことができる。
マジックナンバー = [(対象チームの勝利数 + 対象チームの残試合数) × (全試合数 - 自チームの引分数) / (全試合数 - 対象チームの引分数)] - 自チームの勝利数 + 1
引き分けの存在により新たに考慮が増えた部分を緑色で示す。ガウス記号(角括弧 [ ])内は小数点以下切り捨て。
また、現在の日本プロ野球では同順位のチームが同率で並んだ場合に当該チーム間の対戦勝率や前年度順位などを基準に順位を決定する[1]ため、勝ち越しが決まっている場合などに最後の「+1」が不要となる場合もある(後述)。
以下、簡単のため「勝利数が最多のチームが優勝」する場合について解説する。
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対戦前はチームA, Bどちらも残試合で全て勝利すると勝利数が同じになっていた。しかし、対戦後はチームAのみ89でチームBは88となり、チームBの自力優勝の可能性がなくなってしまった。
B勝数 + B残数 - A勝数 + 1
= 80 + 8 - 81 + 1
= 8
その後、以下のように変化したとする。
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チームAとチームBが残試合で全て勝利すると同じ勝利数になってしまう。このときチームAのマジックナンバーが消滅する。
その後、以下のように変化したとする。
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勝利数はチームBよりチームAのほうが多いが、両チームが残試合全て勝利するとチームBの勝利数がチームAを上回るようになった。
A勝数 + A残数 - B勝数 + 1
= 81 + 6 - 80 + 1
= 8
その後、以下のように変化したとする。
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マジックナンバーは8から7へと1減少する。
A勝数 + A残数 - B勝数 + 1
= 81 + 6 - 81 + 1
= 7
その後、以下のように変化したとする。
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マジックナンバーは7から5へと2減少する。
A勝数 + A残数 - B勝数 + 1
= 81 + 5 - 82 + 1
= 5
マジックナンバーの計算方法から分かるとおり通常1試合で減る最大値は2である。しかし、3減ることもある。これは下記の理由により発生する。
以下、1.について解説する。なお勝率が同じになったときの順位決定方式は「当該チーム間の対戦勝率が高いほうが上位」とする。
前節の後、以下のように変化したと同時に、チームAに対するチームBの勝ち越しが決まったとする。
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チームAが残試合全て勝利し、チームBが残り4試合に勝利した場合、両チームの勝利数が並ぶようになった。ここで、優勝までの必要勝利数が「対象チームを上回る」ではなく「対象チームと並ぶ」で良くなったため、マジックナンバー計算式の「+1」が必要なくなる。
このとき、マジックナンバーは7から4へと3減少する。
A勝数 + A残数 - B勝数 + 0
= 81 + 5 - 82 + 0
= 4
マジックナンバーの対象チームを「勝利数+残試合数がマジック点灯チームの2番目であるチーム」から「4番目であるチーム」に変更することで、クライマックスシリーズ(CS)に出場できる3位以上の確定に必要な勝利数を計算することができる。
……と、長らく考えられていた。
しかし、2009年9月12日に共同通信社が「マジックナンバー計算プログラムの一部に不具合が見つかった」と発表。共同通信社から順位表の配信を受けていた新聞各紙はCSマジックの表記を取りやめることになった。これは、マジック対象チーム以外の対戦による潰し合いを考慮できておらず、マジックナンバーの計算式を用いるのが不適当だったためとみられている。
これを機に、2010年からはCS出場に必要な勝利数を「CSクリンチナンバー」として配信することになった。この算出方法は共同通信社と統計数理研究所が開発したもので特許も取得している(特許第5687856号)が、プログラムを組んで反復計算をすれば求められるらしい(freefielder.jpのように、3位以外の各順位確定に必要な勝利数についても独自にクリンチナンバーを計算するサイトも存在する)。
阪神タイガースのお膝元・兵庫県尼崎市の尼崎中央三番街商店街では、「日本一早いマジック点灯」と称して毎年シーズン開幕前から独自に算出した“マジックナンバー”を掲出している。
開幕時の数値は、ペナントレースの総試合数と同じ「143」。隠れマジック「144」ともクリンチナンバー「131」とも異なるが、これは以下の基準で算出されている。
阪神がリーグ優勝した場合、クライマックスシリーズと日本シリーズは以下のルールとなる。
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最終更新:2024/04/24(水) 06:00
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