ニコニコ大百科 : 医学記事 ※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。 |
全身性エリテマトーデスとは、自己免疫疾患のひとつである。英名の略称である「SLE」と呼ばれることも多い。
あまり聞きなれない病名かもしれないが、関節リウマチなどと並ぶ代表的な自己免疫疾患の一つであり、患者数は全国で4万人にものぼる。若い女性に多く発症し、糸球体腎炎や心膜炎など全身の臓器に炎症が生じるという炎症性の症疾患。その他、皮膚が過敏になり日光に当たれなくなる、顔面に紅斑が生じる、強い倦怠感、中枢神経病変、関節痛などといった症状もみられる。マイケル・ジャクソンも発症していたという。
発症には遺伝要因や環境要因などが関わっているとされ、原因は詳しく解明されていない。女性に多かったり妊娠・出産で悪化したりする点から性ホルモンが関わっているとも考えられている。
赤血球や白血球など各種血液成分が減少してしまうため、これを検査基準として使うことが多い。また自分を攻撃するための自己抗体が産生されているので、それを測ったりもする。特に「抗Sm抗体」や「抗ds-DNA抗体」という抗体が全身性エリテマトーデスではよく見られるため、この値が重要視される。
治療は基本的にステロイド剤を飲み続けて炎症を抑えることで行われる。
治療法の確立されていない時代は死に至る病として恐れられていたが、現在はステロイド剤が登場したことでかなり症状を抑えることができるようになっている。といってもあくまで「症状を抑える」だけであり、根治させる方法はまだ確立していない。全身性エリテマトーデスの「原因がよく分かっていない」というのが大きな理由である。
ステロイド剤の副作用により骨粗鬆症や高脂血症、高血圧、糖尿病、浮腫(むくみ)、精神症状などが起こることがあるため、可能な場合はステロイド剤の減量などで対処する。この病気においてステロイド剤は「一生ずっと飲み続ける」ことが基本であり、飲むのを止めたり別の薬を用いる方が悪影響として強いとされている。
ステロイドが効かない、副作用がひどいが減量させることが難しい場合などは免疫抑制剤を併用することがある。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/25(木) 17:00
最終更新:2024/04/25(木) 17:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。