日本酒は、清酒ともいい、米と麹を元にして製造される日本固有の酒である。
日本で伝統的に作られている醸造酒である。水・米・麹を材料とし、麹菌(アスペルギルス・オリザエ)がデンプンの糖化を、酵母のサッカロマイセス・セレビシエがアルコール発酵の役割を担うが、これが同時にひとつの発酵槽内で行われるのは世界に酒あまたありといえども、日本酒くらいなものである。
これによるメリットは、普通の醸造酒よりも長い時間発酵を維持可能(普通にやると原料の糖分が尽きてしまう。麹菌が生み出す糖分を最初から入れておくと、脱水作用で酵母が死滅してしまう)な事であり、結果として蒸留過程を経ない酒としては最もアルコール度数が高くなる。
歴史的には、平安時代に編纂された『延喜式』によれば、この時すでに現在と余り変わらない酒が作られていたようである。
元をたどれば、いわゆる「口噛み酒」(お米くちゃくちゃよく噛んで容器に貯めてほっとく)につながるのだが、ここらへんの話はWiki
の方が詳しいだろう。酒粕との分離を効率的にする方法を確立したのは「鴻池新六」(安土桃山~江戸時代の商人で、尼子家再興に奔走した「山中鹿之介」として知られる「山中幸盛」の息子)と言われる。ともかく、日本人とは切っても切れない関係のお酒なのである。
2024年12月5日、焼酎、泡盛、本味醂と共に「伝統的酒造り」としてユネスコ無形文化遺産に登録された。
しかし、最近は「若者の日本酒離れ」などと叫ばれており、実際に日本酒の消費量は年間631kL(平成20年)と、平成元年と比べても半減している[1]。高度経済成長期以降、ウイスキーやビール、リキュール、ワインなど他の酒の消費量が上昇し、それに反比例するかのように消費量は漸減してきた。現在では、江戸時代より長らく日本酒より格下の酒のように扱われていた焼酎にも生産量が逆転されており、最盛期の1/3にまで低落している。逆に海外では”Japanese sake”として人気を博しており、sake(saki:→サキィと発音する)で日本酒を現す英語になっているほど。
尤も、現在の日本ではビール、ウイスキー、リキュール含めてアルコール類自体の消費量が若者中心に漸減傾向にある(若者の酒離れ)。
編集者主観であるが、その一因には日本酒の区分のややこしさも日本酒離れに関係していると思われる。やれ「大吟醸」だの「普通酒」だの「純米酒」だのよくわからないし、いったい酒造関係者以外で生貯蔵酒・生詰酒・生酒の違いを説明できる人間が日本にいくらいるのか?とかなんとかで、一体何を飲めばいいのか分からず、結局発泡酒あたりで落ち着く人が多い。
大吟醸を名乗る製品にもひどいモノはあるし、ただの普通酒であっても良く舌に馴染むものもある。甘い酒もあれば、辛い酒もある。キンキンに冷やしたのから、湯気が出るまでアッツイのまでいろいろ飲めるのが日本酒のいいところだ。あんまり難しいこと考えずに「ティンときた!」酒を手にとってみてもいいんじゃなかろうか?
店員に尋ねてみるのもお奨めである。もちろん色々こだわりたい人は、ラベル裏面とにらめっこしてみるのもいいだろう。日本酒度、精米歩合など、情報がかなり細かく書かれているのも日本酒の特徴の一つだ。でも、最後は自分の舌が決めるんだからね?
しかし、日本酒の消費量が減少した最大の理由は、大量生産していた三増酒などの安酒が時代のニーズに合わなくなったことが挙げられる。現に、今の日本酒は若手の杜氏が科学知識やITの技術を駆使して品質管理をするなど、従来の経験と勘に頼らない手法を採用したりもするなどハイレベル化しており、今もなお生き残っている酒蔵は居酒屋やバー、通販などを通して全国に知られるようになり、全国に販路、ファンを持つようになっているなど、単純に、地酒=地元支持の酒ではなくなってきているからである。
日本酒の味、香りを決めるものとして米や水もあるが、一番重要なのは酵母である。ほとんどがS・セレビシエで、コイツが「糖をアルコールに変える」「日本酒独特の良い香りを作り出す」といった仕事をしてくれる。昔は酒蔵に住み着いた「蔵付き酵母」の力を借りて造っていたが、毎年酒質が変わるので、品質が安定しなかった。明治時代から日本醸造協会によって優秀な酵母が分離、培養されて協会酵母として頒布されている。近年では協会酵母に頼らず、地方の自治体(の所管団体)が開発した酵母や、花から分離した酵母などが開発研究されている。
主要材料。当然ながら白米同様、籾を取り除いた玄米をさらに精米して使うのだが、日本酒に使う場合は白米よりも糠として捨てる量が多い。日本酒の質は、米の中央部にある「心白」という部分が密接に関係しているので、これを多く取り入れるために米の周りを削りとるのだ。どれほど残すかを精米歩合という。
精米歩合50%ともなると、実に米の重量の半分を糠として削り落とす事となる。ここまでくると普通の食用米は粉々になってしまうため、特別に粒の大きい専用の品種である酒米(酒造好適米)を使用する必要がある。特に有名なのが兵庫県原産の「山田錦」と岡山県原産の「雄町」(おまち)である。穂が重いため風などで倒れやすく、売値も食用米に比べて高くないため、あまり作付が伸びないのが悩みの種。ほか、普通に米飯として食べることができる米の中にも、日本酒づくりに向いている米もあったりする。
最近の減反や農家の後継者不足、令和の米騒動に代表される需給の乱高下により、米が手に入らなかった酒蔵が仕込みを諦めたり、最悪廃業したりといった事態も生じている。
日本酒を褒める言葉として水みたいな酒というものがあるが、実際問題として日本酒は強い香りを持つので水の味はあんまり関係ないかもしれない。とはいえ、上質な水が大量に得られる土地は、酒蔵として有利ではある。
混ぜ物。ケミカルな名前だがモノとしては主にサトウキビ糖蜜を原料とした単なる蒸留酒であり、同じ原料から甲種焼酎やホワイトリカーも作られるため、実質それらと変わらない物である。
添加上限が定められており、普通酒では白米重量の50%以下、特定名称酒では10%以下となっている。
日本酒を発酵する上で、アルコール度数が足りない事は現代においてはあまり無く、使われるのは水増しというより、主に米特有の重さを和らげるためである事が多い。特に、吟醸香を出すには醸造アルコールの添加が手っ取り早いとされている。米の精米度合を高める事でも口当たりを改善する事ができるので、やはり材料をケチった結果である事も否めない。
なお、醸造アルコール添加量の全国平均値は国税庁が毎年公開しており、令和5年度は普通酒では288L/t、本醸造酒では規定上限の120Lに近い108L/t、吟醸酒は96L/tを添加している。吟醸香と飲み口に全振りする全国新酒鑑評会出品酒は58L/tとなっている。
醸造アルコールの代替品として米焼酎や粕取焼酎を添加する銘柄もある。蔵元によっては自社製造の清酒粕だけを原料とした粕取焼酎を添加している。江戸時代初期に存在したとされる日本酒の伝統的製法「柱焼酎」に倣った原料として使われている。
日本酒の分類は「材料をどのように使ったか」「何の材料を使ったか」「どのような工程を経て作られたか」で大別される。
「材料をどのように使ったか」は上記の通り、米粒のうち何%を酒造りに使ったかを示す「精米歩合」で決められる。「何の材料を使ったか」については、米、水、酵母は必ず使うので、要するに醸造アルコールを使ったかどうである。
一方「どのような工程を経て作られたか」というのは、その工程一つひとつに対しいろいろな分類がある。よくラベルに書かれるのは、酵母をどのように増やしたかという「酒母造り」、雑味を取るための「濾過」、加熱して殺菌消毒する「火入れ」についてのものが多い。先に言及した生酒云々は火入れについての分類である。
日本酒のうち、国税庁が定める「清酒の製法品質表示基準」によって製造されたものは下記の特定名称を名乗ることが出来る。全ての特定名称酒で原料および米麹に使用する米は農産物検査法に基づく等級検査を受けたもので三等米以上を使用、使用する米・米麹のうち麹の使用比率は15%以上、醸造アルコールの最大添加量は白米重量の10%以下とするよう定められている。
精米歩合70%以下の米、米麹、および醸造アルコールを原料に使用した酒
精米歩合60%以下の米、米麹、および醸造アルコールを原料に使用した酒
精米歩合60%以下の米、米麹、および醸造アルコールを原料に使用した「吟醸造り」の酒
精米歩合60%以下の米、米麹のみを原料に使用した「吟醸造り」の酒
精米歩合50%以下の米、米麹、および醸造アルコールを原料に使用した「吟醸造り」の酒
精米歩合50%以下の米、米麹のみを原料に使用した「吟醸造り」の酒
使用できる原料は米、米麹、醸造アルコール、糖類、酸味料、調味料(アミノ酸)である。原料および米麹に使用する米の品質に制限は無いが、醸造アルコールの最大添加量は白米重量の50%以下とするよう定められている。また、表記しなくてもよい原料として乳酸および活性炭が認められている。
意外であるが、アルコール度数が最大22%以下と定められている。
過去に原料用醸造アルコールをそのままぶちこみ度数40%のイレギュラーな清酒を作っていた所があったからである。
しかしながら、精米歩合が低くアルコール添加がある故、特定名称酒の条件を満たしていないだけの高品質の普通酒も存在する。
代表的なものとして兵庫県産山田錦の等外米を精米歩合30%まで磨き造り上げた「獺祭 等外」がある。
また、純米酒同様に米・米麹のみで作った酒であるが等外米を使用していたり麹の使用比率が15%未満など純米酒の規格を満たしていない酒が「米だけの酒」等と呼ばれる。
また、普通酒のうち増醸を目的に糖類・酸味料・調味料(アミノ酸)を添加する増醸法によって作られた清酒を分類上増醸酒と呼ぶ。戦後すぐの酒税法では白米重量の240%まで醸造アルコールを添加できたため、悪名高き『三倍増醸酒』[2]と呼ばれていた。
醸造アルコールに規定の原材料(米、米麹、酒粕、糖類、酸味料、調味料、有機酸)を混和し清酒のように仕上げた酒である。
発酵をさせないので本来の日本酒とは全く別物の酒であり、酒税法でも別区分となっている。
旧酒税法の区分では清酒であったが、2006年の法改正により製造基準を満たさなくなった一部の銘柄がリキュールとして販売されている。
代表的なものとして新潟の酒「菊水にごり酒 五郎八」がある。
21%の高アルコール度数が特徴のにごり酒で、製造時に白米重量の50%以上の醸造アルコールを添加しているためである。
※概ね北から順。
その他変わった銘柄…「スキー正宗」(新潟県)、無風「むかで」(岐阜県)、「死神」(島根県)など。
地酒の酒蔵が特に多い地域は山形県や新潟県など米どころが多く、また名水が多い静岡県、兵庫県なども酒蔵が多い。一方、鹿児島県、宮崎県、沖縄県には日本酒の酒蔵は数えるほどしかない。これは冬場温暖すぎて日本酒の仕込みが難しく、焼酎(泡盛)文化圏となったためである。四季醸造が一般的となった近年はこれらの地域で日本酒づくりに手を出す酒造メーカーも出てきている。
掲示板
233 ななしのよっしん
2026/04/21(火) 00:15:43 ID: S8zglBh+px
幕末まで日本酒は甘口が主流で地方でも明治維新後しばらくは甘口酒が多かったとなると今調子こいてる日本酒は辛口じゃないと邪道派こそが邪道に見える
作られた伝統を由緒正しいと思い込んでるような滑稽さ
234 ななしのよっしん
2026/04/25(土) 15:32:14 ID: qHMx4CZj2r
東京で酒のイベントが開催。クラフト日本酒や日本酒コラボ商品を提供
235 ななしのよっしん
2026/05/30(土) 00:31:02 ID: qHMx4CZj2r
「酒蔵の再生人」が酒蔵で酸欠か 日本酒ブームの陰で相次ぐ死亡事故
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酒どころの秋田で4月、「酒蔵の再生人」で知られた社長が自らの酒蔵で亡くなった。
酸欠の危険性があるタンク内への転落事故だった。海外を中心に日本酒ブームが続くなか、酒造りの現場では同じような事故が相次いでいる。
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最終更新:2026/06/16(火) 08:00
最終更新:2026/06/16(火) 08:00
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