時間外労働拒否闘争とは、労働運動に関する言葉である。残業拒否闘争とか休日労働拒否闘争と呼ぶこともある。
時間外労働拒否闘争とは、労働組合が行う団体行動の1つであり、労働組合に所属する労働者が示し合わせて残業や休日出勤を拒否することを言う。
時間外労働拒否闘争は、争議行為になることもあるし、組合活動になることもある。
使用者が労働者に対して時間外労働を要請するときは3つの場合に分けられる。
1.労働組合と使用者の間で労働基準法第36条による協定(36協定 サブロク協定)を結び、労働協約[1]または就業規則[2]を整備して残業や休日労働を労働者に義務づけている |
2.労働組合と使用者の間で労働基準法第36条による協定(36協定 サブロク協定)を結んであるが、労働協約または就業規則を整備せずに慣習として残業や休日労働を労働者に義務づけている |
3.労働組合と使用者の間で労働基準法第36条による協定(36協定 サブロク協定)を結んでおらず、慣習として残業や休日労働を労働者に義務づけている |
1.の場合は、時間外労働が業務の正常な運営の一環となっているので、時間外労働拒否闘争は争議行為でありストライキになる。ストライキの中でも時限を決めて行う時限ストの範疇に入る。
2.や3.の場合は、時間外労働が業務の正常な運営の一環となっておらず、時間外労働の要請が違法なものとなっているので、時間外労働拒否闘争は争議行為にならず組合活動になり、順法闘争の1つになる。
2018年4月に自販機管理企業のジャパンビバレッジ東京で働く従業員達が時間外労働拒否闘争を行った。残業代を払っていないのに残業を要求する使用者に対抗するためのものだった。この影響で東京駅に品切れの多い自販機がいくつも出現したという(記事1、記事2)。
使用者と労働者の間で36協定を結んで就業規則・労働協約で時間外労働を労働者に義務づけていたが残業代を適切に支払っていない場合、時間外労働が業務の正常な運営の一環となっておらず、時間外労働の要請が違法なものとなっているので、時間外労働拒否闘争は争議行為にならず組合活動になり、順法闘争の1つになる。
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最終更新:2024/11/08(金) 04:00
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