朝倉孝景とは (アサクラタカカゲとは) [単語記事]

朝倉孝景（あさくら・たかかげ）とは戦国時代の人物で、

朝倉家7代当主　→　朝倉敏景で解説
朝倉家10代当主　→　上記の曾孫（1493 ～ 1548）。本稿で解説。

の2名がいる。

概要

曽祖父（英林孝景）との区別のため「宗淳孝景」とも呼ばれる。

朝倉家の全盛期を築いた英主であり、越前一乗谷を文化サロンとした。「文道を左に、武道を右に」と評され、文武両道で朝倉家を導いた。ただし戦は朝倉宗滴らの一門衆にほぼ任せていた。こうした方針は次代・朝倉義景にも受け継がれることになる。

生涯

朝倉貞景の子。1512年、父が急死したため20歳で家督を継いだ。一門の朝倉宗滴らを出陣させ、若狭武田家や六角家と協調、また土岐家の後継者争いに積極的に介入した。当初細川高国とも協調していたが、桂川原の戦いには反高国として参戦して、高国の失脚に一役買う。加賀一向一揆とも激しい戦闘を繰り広げたのち、和睦している。

また幕府にも積極的に献金を行ったか、御供衆、相伴衆にも列した。朝倉家の最盛期を築いたと言える。

弟・朝倉景高とは折り合いが悪かったのか、景高は幕府要人や朝廷に接近し謀反を企てたが、これは鎮圧されている。この景高の子が朝倉景鏡である。

ときは戦国時代真っ只中であったが、越前一乗谷は戦乱から逃れていた。そのため多くの公家らが一乗谷へと逃れ、一乗谷には京風文化が流れ込み、一大文化サロンを形成する。春沢永恩いわく「文道を左に、武道を右にした風流太守」と評され、軍事力を誇示する一方で文化面も大きく発展させた文武両道の名君であった。飛鳥井雅綱に蹴鞠を、三条西実隆に和歌を学んだ。また一方で中条流剣術が発展していったのも見逃せない。