580万
3118891 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:30:23 ID: yeFtSK7tR2
みー
3118892 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:31:15 ID: 5eb4b9AsAq
理解が追いついた頃にはヨシヒロの顔を見るのが怖くなって
その後はいつの間にか私に背を向けてベッドに横たわる弟と一言も言葉を交わすことはなく
お母さんたちが帰ってくるまで 時折弟の口から漏れる咳の音だけを聞いていた
3118893 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:31:34 ID: yeFtSK7tR2
くー
3118894 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:32:45 ID: yeFtSK7tR2
ほー
3118895 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:33:55 ID: yeFtSK7tR2
むー
3118896 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:35:07 ID: yeFtSK7tR2
ふー
3118897 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:35:13 ID: 5eb4b9AsAq
本来なら姉弟喧嘩でありがちな言葉
売り言葉に買い言葉で口をついて出る 大した意味もない暴言
それでも その一言に耐え難い衝撃を受けたのは
それが弟が生まれてからの9年間、ずっと抱え続けていた私の本音に他ならないと気付いたから
3118898 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:36:20 ID: yeFtSK7tR2
もー
3118899 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:37:29 ID: yeFtSK7tR2
ふー
3118900 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:38:42 ID: yeFtSK7tR2
よー
3118901 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:39:50 ID: yeFtSK7tR2
ほー
3118902 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:40:58 ID: yeFtSK7tR2
こー
3118903 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:42:07 ID: yeFtSK7tR2
もー
3118904 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:43:15 ID: yeFtSK7tR2
ふー
3118905 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:44:27 ID: yeFtSK7tR2
こー
3118906 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:45:35 ID: yeFtSK7tR2
ふー
3118907 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:46:44 ID: yeFtSK7tR2
よー
3118908 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:47:56 ID: yeFtSK7tR2
こー
3118909 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:48:20 ID: 5eb4b9AsAq
自分を好きでいられたことなど一度もない
優しい両親が与えてくれるものを信じることができず、幼い弟に嫉妬して、
家族に背を向けて、逃げ込んだ教会でも人と正面から向き合うのが怖くて、
耳障りのいい言葉ばかりを選んで、自分の卑劣さを悟られまいとずっと取り繕って、
それでも、今日ほど自分という人間の性根に失望したことはなかった。
3118910 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:48:59 ID: yeFtSK7tR2
落ち
にとなりー
3118911 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:55:56 ID: r0J6QYRVyQ
3118912 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:56:09 ID: 5eb4b9AsAq
家族の中に自分の居場所がないんじゃない
家族を否定していたのは私の方だった
3118913 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 06:58:40 ID: 5eb4b9AsAq
その挙句、本当に家族に愛され、家族を愛していたヨシヒロの言葉に筋違いに激昂して
よりによってあんな言葉で幼い弟を傷つけるなんて
3118914 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 07:06:48 ID: 5eb4b9AsAq
その日の夜のベッドの中
取り返しのつかない言葉を取り消す方法を延々と考えて、
夢オチを期待して瞼を強く閉ざしたりして、たとえあの言葉を取り消せても 自分の心の汚さは変わらないのだと悟ってまた自分の全てに失望して
3118915 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 07:10:47 ID: 5eb4b9AsAq
目が覚めたまま悪夢を見続けているような一夜が明け、朝。
それでも、たとえ取り返しがつかないことだとしても このままでいていいはずがない。
せめてヨシヒロにちゃんと謝らなければ。
3118916 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 07:18:20 ID: 5eb4b9AsAq
ロクに眠れないまま夜明け前にベッドから起き出て、ただ弟の事を考える
自分の姉がこんな人間だと知って失望しただろうか。
顔を見るのも嫌かもしれない 口を聞いてくれないかもしれない
何を言っても気持ちを逆撫でするだけかもしれない
それでも このまま何もしないのはきっと何よりもよくないことだから
3118917 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 07:21:46 ID: 5eb4b9AsAq
まで寝静まっているヨシヒロの部屋の前でしゃがみこみ
何と言って謝ればいいのか ぐるぐると考え込む
そして何一つ答えが出ないまま時間は過ぎ、弟の部屋から目覚まし時計の音が鳴った
3118918 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 07:26:54 ID: 5eb4b9AsAq
瞬間、焦りに体温が引いていく
口喧嘩とも言えない有様で暴言を吐き捨てた昨日記憶が生々しく蘇る
部屋の中から聞こえてくる寝起きの弟の生活音を聞きながら、破裂しそうな心臓と 全てから逃げ出したい衝動を必死に押さえ込む
3118919 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 07:31:52 ID: 5eb4b9AsAq
そしてガチャリ、とドアが開く
一瞬こちら見て、驚いたように表情を強張らせたヨシヒロは、しかしすぐに目を伏せ
何事もなかったかのように廊下を通り過ぎようとする
3118920 ななしのよっしん
2015/10/05(月) 07:42:14 ID: 5eb4b9AsAq
今までは顔を合わせれば「おはよう」ぐらいの言葉は交わしていた弟からの確かな拒絶に身を竦ませながら
それでも何かを言葉にしようと搾り出す
ほめた!
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