エア(ACⅥ)とは (ルビコニアンノエアとは) [単語記事]

あなたは…？
第４世代　旧型の強化人間…
あなたには私の「交信」が届いているのですね

私はルビコニアンのエア

目覚めてください
あなたの自己意識が…
コーラルの流れに散逸するその前に

エア（Ayre）とは、ゲーム『アーマード・コアVI ファイアーズ・オブ・ルビコン』に登場するキャラクターである。

担当声優：ファイルーズあい

概要

ACシリーズの伝統として、キャラクターグラフィックなど、一切の個人設定は不明。声を聴く限りでは年若めの女性のようだが……。

惑星ルビコン3で暮らすルビコン星人＝ルビコニアンの一人であり、主人公C4-621（独立傭兵レイヴン）のような、特定の旧型強化人間の脳内へ直接言葉を送れる「交信」能力の持ち主。その他にも高度なコンピュータ・ネットワーク技術を持ち、ハッキング・クラッキングを自在に行う。

本作の主要登場人物の一人であり、ハンドラー・ウォルターと並ぶもう一人のオペレータ。

人物

※読みづらいので以降のセリフ引用は背景なしとします※

レイヴン
あなたにお願いがあります
集積コーラルに到達するまで
あなたとの交信を続けさせてほしいのです
コーラルを巡るこの戦いがどこに向かうのか
私は見届けなければならない
ひとりのルビコニアンとして

ふとしたことから致死量に近い逆流コーラルに晒され、死にかけたレイヴン。その時、エアはレイヴンの脳深部コーラルデバイスとリンクし、交信を行うことができるようになった。成り行きからレイヴンを助けたエアは、一獲千金のため集積コーラルを目指すレイヴンとハンドラー・ウォルターの旅に同行を申し出てくる。以後、エアは常にレイヴンの隣にいるかのように、五感情報を共有するようになる。

発言から推察するに、レイヴンと交信するまでは「ぼっち」だったらしく、孤独な時を過ごしていたようだ。そうした環境が影響しているのか、世事には疎く、相手の発言を文字通りの意味で受け取ったり（比喩表現に気付かない、言葉の真意に気が回らない）、社会的によろしくない行為への忌避感も薄い（手当たり次第にハッキングしてデータを盗む、施設への無断侵入を援助する、無法者の排除にさほど躊躇いがない、など）傾向にある。
口調は常に敬語で、「死ね！」とか「馬鹿ね！」とか「殺してやる！」といった乱暴な言葉も一切使わない。だからといって誰にでも分け隔てなく接するわけではなく、ガラの悪いドーザー連中や、言動が支離滅裂な狂人たちには、明らかに引き気味の対応をしている。
コーラルに関してはルビコニアンの例に漏れず特別な感慨を抱いているようで、コーラルを動力に利用するC兵器を目にしたときはショックを隠し切れなかった。

どうやらかなりの遠隔地から交信しているようで、作中では一切その姿を現さない。直接脳内に呼びかけている都合、一切の通信ログも残らないため、レイヴン以外にエアの存在を知覚できている者はいない。エアと交信した直後のレイヴンはウォルターに「頭の中で妙な声が聞こえる」と報告したようだが、ウォルターは「旧世代強化人間にありがちな幻聴」「続くようなら調整するから言え」と気にも留めなかった。

ミッションでは、ウォルターの広域レーダーで感知できないデータの収集や、施設システムへの侵入などでレイヴンをサポートする。ECM環境下や大深度地下でもお構いなしに交信可能なため、時には歴戦のハンドラーであるウォルターより早く状況の打開策を見つけることもある。そうした場面はウォルターには「621の嗅覚が異様に研ぎ澄まされている」ように見えており、首をひねることも。

良くも悪くも人間離れした、純粋すぎる感性の不思議ちゃん。見方によっては、敵も味方ものっぴきならない目的と感情に支配されている人物ばかりの本作において、ほぼ唯一の純粋な友情でレイヴンに接する存在と言える。

人間関係

純粋さゆえか、レイヴンとの距離感も近い……というかあけすけ。言葉数自体はそんなに多い方ではないが、レイヴンとの交信は本当に楽しいようで、いろいろと情報を仕入れて役に立とうとしたり、頻繁に私見や感想を述べる。ウォルターとの交信ができないミッションでは高いヒロイン力を発揮する。

…そういえば
ウォルター抜きでふたりだけの
ミッションも久しぶりでしょうか
制御装置も逃げはしないでしょう
…ゆっくり探してください
レイヴン

基本的にレイヴンとしか会話できないため、特に他人と交流する描写はない。とはいえ常にレイヴンと五感を共有しているようなものであるため、レイヴンと関わった人物についてはあれこれ批評してくる。

ウォルターについては、レイヴンを強力にバックアップする協力者として認識しており、自身にとっても頼れる仲間と感じている模様。一方で、ウォルターの通信ログを調査したエアは、ウォルターは何かしらの目的を伏せてレイヴンを使役しているのではないかと、疑問を抱くようになる。

インテリ武闘派ドーザー集団「RaD」とその長シンダー・カーラについては、当初は罠にはめられた（というかエアが見え見えの「誘い」を馬鹿正直に信じてレイヴンを突っ込ませた）ことから冷ややかに見ていた。しかし、カーラの仕事を受ける中で徐々に軟化していき、最後はレイヴンの協力者の一人として、ウォルターの旧友として、一目置いて接するようになる。カーラの「花火大会（＝ミサイル攻撃作戦）」というワードセンスに影響され、着弾したミサイルを「綺麗な花火ですね」と評する場面は名シーンの一つである。

ノーザークや六文銭、V.Ⅶ スウィンバーンやオーネスト・ブルートゥといったルビコン3のオモシロ人間たちに対しては、生来の純粋さが災いして翻弄されたり、あるいは逆に感動（？）することもしばしば。特にブルートゥの支離滅裂な言動には「私はなんだか混乱してきました」と困り果て、遂には「静かにさせてもらえると助かります（＝早く殺しましょう）」と匙を投げた。

素性

この節は、『ACⅥ』本編エンディングを
鑑賞後に閲覧することを推奨します。

レイヴン
あなたに… 伝えておきたいことがあります
コーラルは…
彼らは… 私の同胞なのです

コーラルの織りなす潮流
私は… そこに生じたひとつの波形…
実体を持たぬルビコニアン

これまで長い間…
誰にも知覚されることはなかった
レイヴンあなただけが…

その正体は、群知能を持った生体資源であるコーラル間に生じたCパルス変異波形。人間に近い意思を備えた、肉体を持たない電波生命体のような存在である。
大気中にコーラル粒子が満ちているルビコン3では、変異波形は文字通り「どこにでも存在する」（ただし、流石に一定の知覚可能範囲が存在しており「その場に居ながらにしてルビコン3の全てを知る」全能の力はない）。これがどんな環境でもレイヴンに同道できた理由である。

エアの他にもCパルス変異波形は存在する（総数は不明）が、その存在を感知できるのは脳深部コーラルデバイスを用いる旧型強化人間のみ。それも「幻聴」や「耳鳴り」という、声にもならない意味不明の「音」が聞こえるだけ。変異波形との「交信が可能」＝「声が見える」のは、コーラルドラッグを大量に、かつ長期にわたって摂取する、致死量のコーラルの奔流に晒される、などのイレギュラーを経験したごくわずかな強化人間のみである。

エアにとって、己以外のコーラルは同胞であり、己の血肉そのものでもある。エアが何故コーラル利権紛争の行く末を見届けたがるのかが理解できるだろう。