キ83試作遠距離戦闘機とは、第二次世界大戦中に三菱によって開発・試作がなされた大日本帝国陸軍の双発複座戦闘機である。
1941年(昭和16年)5月23日、陸軍は爆撃機の直掩を目的とした長距離戦闘機の開発を三菱に指示、この機体にはキ83のキ番号が与えられた。当初の要求概要は以下のとおりである。
三菱ではこの仕様を基に設計・試作を進め、試作第1号機を1944年10月に完成させた。そして1944年11月より各務原飛行場で審査が開始された。本機の安定性や操縦性は優れており操縦に要する力は一〇〇式司偵よりも軽く済んだ。速度については、計画値だった高度9,000mにおける704km/hには届かなかったが、それでも高度8,000mで686.2km/hを記録、また高度5,000mでは655km/hを発揮した。
また、日本機には珍しく排気タービンによるエンジントラブルに悩まされる事が少なかったと伝えられている。ただし欠点として、エンジンの振動が気になることと、尾部もまた振動して安定を損なう傾向があることが指摘された。尾部振動については取り敢えず水平尾翼に支柱を付けることで対応し、増加試作機において抜本的な改良を行うこととした。続いて1945年4月までには2号機から4号機が完成したが、東海大地震と空襲の激化がそれ以上の生産を阻んだ。
戦後、試作1号機は疎開先の長野県松本飛行場にて進駐してきたアメリカ軍に接収されそのまま性能試験を受けたが、このとき米軍規格のオクタン価の高いガソリンが使用され、計画値を遥かに上回る762km/h(日本軍用機中最高速度)という驚異的な速度を叩き出している。
日本陸軍の試作戦闘機中では最も実現性が高く、最も期待された戦闘機であった。
空力学を徹底的に追求した結果。非常にスマートで美しいスタイリングをしている。
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最終更新:2025/12/13(土) 18:00
最終更新:2025/12/13(土) 17:00
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