「ストライクウィッチーズ アフリカの魔女」とは、「ストライクウィッチーズ」シリーズのスピンオフとして制作された作品群の総称である。
Projekt Kagonishことアニメ軍事考証のプロ、鈴木貴昭や「セーラー服と重戦車」の野上武志らによる半公式同人誌を母体とする(原作者はあくまで島田フミカネ)が、この記事では公式コミックおよび公式ノベルのみを扱う。
アフリカ戦線。そこは灼熱の太陽に晒され水もなく、砂が蔓延り補給も途絶えがちな極地。
欧州に比して強力なネウロイの前に不足する陸上戦力、ともすれば崩壊の危地に陥る人類の戦線を、空から一手に支える孤高のエースウィッチがいた。
いつしか「アフリカの星」と讃えられるようになったその戦女神の名はハンナ・ユスティーナ・マルセイユ。
「アフリカの魔女」では、アフリカの希望たる彼女と彼女の所属する<ストームウィッチーズ>こと連合軍第31統合戦闘飛行隊「アフリカ」を中心に、熱砂の北アフリカ戦線で戦うウィッチと男たちの熱い戦いを描いている。
「アフリカ」のメンバーである主要なキャラクターは媒体が違っても同じである。
42年時、中尉。「アフリカの星」の異名を持ち、将兵に圧倒的な人気を持つ北アフリカの支え。
固有魔法「偏差射撃」と圧倒的な空戦技術で無数のネウロイを相手取る「世界最強」。
詳しくは「ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ」を参照のこと。
42年時、大尉。「アフリカの星」を中核とする「統合戦闘飛行隊『アフリカ』」隊長。
結成時すでに22歳になる「上がり」を迎えたウィッチ。従軍記者を経て教官を希望して現役復帰願いを出した所、折悪しくアフリカ戦線への援軍に抜擢されて「アフリカ」の隊長を任されてしまい、いまやマルセイユの保護者扱い。
ロンメルやパットンら北アフリカ戦線の各国指揮官と丁々発止のやりとりを繰り広げ、支援のお代にマルセイユのプロマイドをばらまいて、今日も今日とて「アフリカの星」のために書類の山と格闘する苦労人。
42年時、少尉。面倒見がよく、真美の指導を担当する。
僚機として常にマルセイユに追随する隠れた天才で、その背中を護りつづけている。
詳しくは「ライーサ・ペットゲン」を参照のこと。
42年時、軍曹、12歳。子爵家出身のお嬢様育ちで森蘭丸の血筋を引く小さな力持ち。
背の低さゆえウラル戦線への派遣に漏れてアフリカに派遣された。固有魔法は「怪力」で、ボヨールド40mmを担いで大型ネウロイの撃破に貢献。先祖森蘭丸は大筒を片手持ちしていたのを見るに、明らかにそういう血筋である。
料理が得意で、「アフリカの星」に集まってくる様々な国の食材を活かしたバリエーション豊かな食事が好評。
マルセイユの従卒を務める黒人。軍人ではない謎のウィッチ。
マルセイユを鷲の化身として崇め付き従い、時々謎の予言めいた発言をすることも。
武器はまさかのスリングショット。並みのネウロイなら一撃です。
野上武志・著。もとは同人誌「アフリカの魔女」として発刊されたものを公式化。
同人誌「アフリカの魔女」「砂漠の虎」に描き下ろし「書類戦争の魔女」を加えて2012年1月23日発売。
ストライクウィッチーズとは思えぬほど男臭くて泥臭い、熱い物語になっている。
スピンオフである「アフリカの魔女」のさらにスピンオフともいえるコミック。2012年4月26日発売。
かつて同人誌として刊行されたものに描き下ろしの「アンドラの魔女」を加えた短編連作。
全て「アフリカ」の話というわけではないが、「アフリカ」とアフリカ戦線のウィッチたちが語った夜話の形式をとっている。そのため、全てが語られているのか、語られた全てが真実なのかは果たして……。
作者・野上武志がアンドラ公国のファンからの感想に応えて描き下ろした一編。語り手は加東圭子。
ガリアとヒスパニアの国境。山岳地帯の極小国家アンドラ。
故郷を護るために剣と盾で戦うたった一人のアンドラ出身ウィッチで落ちこぼれのイリス・モンフォートと羊飼いの親友「魔法力を持たないウィッチ」マリアの友情の物語。
語り手はハンナ・ユスティーナ・マルセイユ。話の正確性が一番怪しい。
カールスラントの爆撃ウィッチ、フレデリカ・ポルシェと戦車乗りミハイル・シュミットの物語。
欧州撤退の激戦の中、接点のないはずの二人は戦場で偶然にも幾度と無く出会い……
描き下ろし。語り手はセシリア・グリンダ・マイルズ。
マーカー設置のためアイガー北壁に挑んだ登山家、ジョージ・マロニーとエドワード・ヒラリーの物語。
例のマロニーちゃんは弟である。弟より優れた兄の貴重な実例。
語り手は稲垣真美。
時は1582年。天下人を目前にした織田信長が、明智日向守が囲む本能寺を辛くも脱出した「本能寺の変」の隠れた真実。水も漏らさぬ包囲の中で、信長の小姓を務める戦国の魔女、森蘭丸は愛する主君を脱出させんと試みる。
コミックアラカルト所収の短編の再録。
鈴木貴昭・著のスピンオフ・ノベル。第一巻のみ同人誌版の再録で既刊2巻。
「ケイ」こと扶桑陸軍航空ウィッチ加東圭子の視点から、「アフリカの星」の戦いを追う。
同人誌「アフリカの魔女」シリーズに掲載されていたものを再編したもの。
「ストライクウィッチーズ劇場版」公開にあわせ角川スニーカー文庫から2012年3月1日発売。
表紙絵は島田フミカネによるハンナ・ユスティーナ・マルセイユ、挿絵は野上武志が担当。
かつて扶桑海事変でエースウィッチとして戦った従軍記者、加東圭子。
「アフリカの星」の取材のためアフリカを訪れた彼女は、突然の現役復帰と大尉昇進、そして扶桑陸軍アフリカ派遣独立飛行中隊「砂隊」の指揮を命じられる。「上がり」を迎えシールドも張れないベテランなのに半人前のウィッチ稲垣真美、そして整備中隊を抱えさせられた彼女は、マルセイユ以下カールスラントウィッチとの協同を模索。ここに圭子を隊長とする「統合戦闘飛行隊『アフリカ』」が設立された!
アフリカ派遣独立飛行中隊の先任下士官、整備曹長。ストライカーの整備を担当。
真面目な技術屋だが、資金として用意された金塊の持ち逃げを図る将校に偽の箱を掴ませたりなど強かさも併せ持つ頼れる整備士。対空砲をあっさりと真美向けの手持ち砲にするなど技術力も高い。
主計中尉。アフリカ派遣独立飛行中隊に後から派遣され、「アフリカ」の兵站を担当。
風采の上がらない外見に比して敏腕な主計将校。愛称は「ハナG」。
どこぞの装甲親衛歩兵連隊の左のデブではない。そんなことはけっしてない。
常に前線を駆けまわる、傍迷惑なカールスラントアフリカ軍団(KAK)司令官。
マルセイユの熱烈なファンだが、本人には煙たがられている様子。
真美の作る朝食をいただくために「アフリカ」のテントまで遊びに来る、マルセイユとのツーショットをカールスラント皇帝フリードリヒ4世に送りつけて悔しがらせるなど、やってることが何から何まで子供っぽい面倒なおじさん。
鈴木貴昭書き下ろしで2013年1月31日発売。
表紙絵は島田フミカネによるライーサ・ペットゲン。挿絵は飯沼俊規。
アフリカ戦線に凶報来る。地中海輸送の要、マルタ島がネウロイの攻撃を受けているというのだ。
それと呼応するかのように、北アフリカ戦線本体でもネウロイが攻勢を発起。 北アフリカを飛び回り、ネウロイへの対処に追われる「アフリカ」の面々。一方地中海では、補給の途絶によるマルタ陥落の危機を受け、ブリタニア海軍サイフリート中将率いるマルタ支援部隊が出撃。リベリオン海軍のターナー任務部隊、扶桑海軍の井川艦隊とともに、輸送船団はアイアンボトムサウンド広がるマルタへ突入を試みるが……!
カールスラント空軍少佐。JG27司令。
かつてマルセイユの面倒を見ていたことがあり、「アフリカの星」が今もガチガチに緊張する数少ない相手。
巻後半では輸送部隊の上空護衛に駆けつけた。
ブリタニア連邦海軍中将。
マルタ支援作戦の総司令官としてZ部隊を指揮、戦艦<ネルソン>に座乗した。
モデルと考えられるイギリス海軍、エドワード・サイフレット中将はマルタ島救援作戦「ペデスタル作戦」の指揮官。
リベリオン海軍軍人、少将。
モデルは第一次ソロモン海戦での連合軍側指揮官、リッチモンド・ターナー少将と思われる。
マルタ支援作戦に協同、重巡洋艦<シカゴ>に座乗して第62任務部隊を指揮した。
扶桑皇国海軍軍人、中将。
モデル第一次ソロモン海戦の日本側指揮官、三川軍一中将と思われる。
扶桑海軍第八艦隊司令官。重巡洋艦<鳥海>に座乗。
Z部隊の離脱後もターナーとともに輸送部隊をエスコートし、マルタ島へと導いた。
鈴木貴昭書き下ろし、2014年3月1日発売。
表紙絵は島田フミカネによる夕日に染まるマルセイユ、挿絵は飯沼俊規。
マルタを護るウィッチたちの戦いと第二次マルタ防衛戦の顛末、そして姿を消したネウロイと予期せぬ攻撃。
マルタ、トブルク、ダカール、イコシウム。ウィッチの不足に悩まされる僻地アフリカの各地で奮闘する魔女たちの話。
「ストライクウィッチーズ2」のオフィシャルファンブックに収録された短編。鈴木貴昭・著、挿絵に京極しん。
ハンナ・ユスティーナ・マルセイユが501JFWのエーリカ・ハルトマンと共同作戦を行うことになった裏側と、アニメでは描かれなかったマルセイユを援護する「アフリカ」の戦いを加東圭子の視点から描くショートストーリー。
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最終更新:2025/12/14(日) 02:00
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