ロマーニャ公国(Duchy of Romagna)とは、「ワールドウィッチーズ」シリーズに登場する国家である。
アニメ『ストライクウィッチーズ2』、コミック『ストライクウィッチーズ 紅の魔女たち』の舞台。
イタリア王国をモデルとする立憲君主制国家。国旗は赤と緑を白い十字で区切ったデザインで、首都はローマ、主要言語はローマ語。
欧州南部、地中海に突き出た半島の半分を占める中規模国家で、陽気で温和な国民が多いとされる。芸術と服飾、そして食に長けた文化と歴史の国として知られ、他に金融業などにも優れる。伝統的に隣国ヴェネツィア公国ときわめて交流が深く、人的にも物的にも共同してネウロイとの戦いに寄与している。
世襲の大公を奉じる立憲君主制をとるが、議会の力は弱く、国力の変動は元首である大公の能力に左右されるところが大きい。しかし、小国分立を統一した歴史的経緯から、伝統的に外交能力とバランス感覚には長けるとされている。
1945年現在のロマーニャ公は、1943年に先公が引退したことを受けて即位した人物で、厳格な軍人として知られる。某せくしー団団長の「せくしーカレンダー」をやんわり止めたお人である。
国土は欧州大陸南方、地中海に伸びる長靴型の半島をヴェネツィア公国と二分し、その西部と南部一帯、シチリア島などの島嶼を占める。ヴェネツィア公国のほか、北部の半島付け根まわりでは北にヘルウェティア連邦、西にガリア共和国と国境を接している。
国土が南北に長いこと、さらには北のアルプス山脈や半島中央を南北に走る山脈、そして周囲を取り囲む地中海などさまざまな地形の影響のため、多彩な気候に恵まれている。北方では工業、南方では農業がそれぞれ発達しているが、資源には比較的乏しい。主な都市としては、半島の東海岸・アドリア海側にバーリ、南海岸にタラント、西海岸中部に首都ローマとナポリ、西海岸北部にジェノヴァ、北部内陸にトリノなどが挙げられる。
領土には多数の古代遺跡、世界的文化遺産を有し、観光業も盛ん。古代の神殿ではしばしばウィッチが祀られているなど魔法力とのつながりも深く、土地に魔法力があると言われることもある。ことに首都ローマの街は、王宮のほかフォロ・ロマーノ、イスパニオ広場、ハドリアヌス廟、バシリカ・ウルピアなどの遺跡・観光地が並ぶ歴史的都市として著名である。
ロマーニャの歴史は紀元前753年、ローマ市の建国にまで遡る。ローマは王制、やがて紀元前509年には共和制と政体を変えつつ発展と拡大を続け、紀元前272年に半島を統一。紀元前3~2世紀のポエニ戦争でカルタゴを滅ぼし、紀元前1世紀にはユリウス・カエサルによりガリア全域を勢力圏下においた。カエサルは紀元前44年の暗殺の危機を逃れ、紀元前27年にアウグストゥスの称号を受ける。さらに紀元前4年にアウグストゥスの称号を受けたオクタヴィアヌスは、ユリウス暦を改めるとともに紀元の始まりを定めた。ゆえにこれ以前、すなわち紀元前をB.C.(Before Caesar /カエサル以前)と呼ぶのである。
97年のポンペイのような怪異(ベスビオス火山噴火で街ごと消滅)に見舞われつつも、ローマは東方・黒海方面の怪異に脅かされる周辺諸部族を取り込んで拡大を続け、ブリタニアからアフリカまで広がる世界帝国へと成長した。297年のディオクレティアヌスによる帝国四分統治開始を経た375年には、東方から怪異の圧力を受けたゲルマン民族に庇護を求められる。395年にはローマ帝国は東西に分裂するが、同時に東方への防衛体勢を活発化させ、ゲルマン人のローマ化が生じることになった。
486年、ガリア人であるメロウィング家のクロヴィス1世が西ローマ皇帝に即位し、ローマ・フランク朝が開闢。768年にはカロリング家のカール1世が帝位を得てローマ・カロリング朝を開くが、子孫の分割相続によって西ローマ帝国は843年に分裂し、西、東、南それぞれのカロリング朝が分立する。西カロリング朝がガリアに、東カロリング朝がカールスラントへと発展してゆく中、本来は帝国の中心であったはずの半島だけが歴史の流れから取り残され、やがて無数の小国が乱立する割拠状態に陥ってゆく。
以後は数百年にわたって小国割拠が続いたが、その中でも、14世紀には後に全世界に影響する人文主義的な文化運動が各都市で発生するなど、将来のロマーニャ文化の根幹が形成されていった。そして1500年頃にガリアとヒスパニアの支援によって成立したロマーニャ公爵家は、やがて周囲の小国群との合従連衡、怪異対策のための軍の共通化といった経緯のすえ、連合国家ロマーニャ公国として統一を果たした。このロマーニャ統一には、ある大ウィッチの活躍が貢献したともいわれている。
すでに別個の勢力を築き上げていたヴェネツィアとの合同まではついに達成できず、半島東北部のヴェネツィア領を除いての統一ではあったものの、こうして成立したロマーニャ公国は欧州の中規模文明国として発展を遂げてゆくこととなるのである。
ヴェネツィア公国とは軍事的にも強い共同関係にあり、伝統的に地中海の覇権を握るヴェネツィア海軍に海上戦力の多くを依存する。いっぽうで陸軍力と空軍力では国力相応のものを有しているが、兵力の絶対数に不足が見られる。兵器の設計・開発力には長けているものの、工業力の限界から量産に難があり、リベリオンやカールスラントといった大国から輸入した兵器を使用していることも多い。
海上戦力としては、ヴェネツィア海軍より貸与されたザラ級重巡洋艦、設計図を共有するナヴィガトーリ級駆逐艦などを運用してはいるが、地中海方面での大規模な海上活動はもっぱらヴェネツィア海軍に委ねられている模様。
航空戦力の点では独立した空軍を編成し、MC202フォルゴーレなど優れた戦闘機を保有している。G55シリーズを展開するアヴィオ・ファロットをはじめ、アエロナウティカ・マキネッテ、レッジオーネなどの優秀な航空機製造会社による軍用機・ストライカーユニットの独自開発と製造も盛んだが、エンジンの開発にはいささか難があり、カールスラント製の優れたエンジンを使用する例が多いようだ。
国土北方では、アルプス山脈の向こうから侵攻するネウロイを相手に防衛線を構築している。ただし、アルプスの険阻な山嶺そのものがネウロイにとっても障害物と化しているため陸上での侵攻ルートは限定できており、もっぱらガリア、カールスラント、ヒスパニアなど周辺各国の航空ウィッチと共同しての経空脅威への対処に注力されている。
この北方の脅威に対処し、かつ反攻を実現すべく、ロマーニャに第504統合戦闘航空団<アルダーウィッチーズ>が設置されている。同部隊は1944年初頭のトラヤヌス作戦の失敗とヴェネツィアの失陥で大きな打撃を受け、代わって第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>がアドリア海沿岸に再結成されてロマーニャ防衛を受け持った。504JFWは同年の“オペレーション・マルス”から戦線に復帰し、ヴェネツィア解放による501JFW解散とともにロマーニャ防衛の役割を取り戻している。
いっぽう、南方・地中海方面では、海上戦力こそ少ないものの航空ウィッチを広範囲に派遣して空を護っており、マルタ島防衛戦ではロマーニャウィッチが防衛の核として活躍した。
北アフリカ戦線では緒戦こそキュレナイカ東部国境で潰走したが、エルンスト・ロンメル中将率いるカールスラント・アフリカ軍団(KAK)の指導下で再編成に成功、新投入されたフォルゴーレ空挺師団の勇猛果敢な活躍もあって戦線に大きく貢献している。特筆すべき点として、敵地に墜落した航空ウィッチを小部隊で救出する、孤立した陣地を陸上ウィッチと砲1門だけで守り抜くなど、ウィッチが関与する場合の勇戦敢闘ぶりには伝説的なものがあるという。
ロマーニャは古代ローマ帝国以来の伝統のためにウィッチが育つ風土であり、数多い古代の神殿に併設された養成校は優秀なウィッチを多く送り出してきた。しかし個人主義的な気風ゆえか、みな才能と引き換えに強い個性を持っており、戦力的にも性格的にも、軍隊としての集団運用にはあまり向かないとされる。彼女たちがもっとも輝くのは個人プレーの重要度が強まる少人数での特殊部隊的運用であり、その粘り強さはアルプスでのゲリラ的な山岳防衛戦でおおいに発揮されている。
ロマーニャ公国軍の特徴として、陸海空の部隊から選抜された“赤ズボン隊(パンタローニ・ロッシ)”の存在が挙げられる。ロマーニャ公室直属、三軍から書類上独立した指揮系統を持ち、実質的には宣伝目的の部隊ではあるものの、少なくない数のエースウィッチがロマーニャ統一に貢献した大ウィッチに由来する独自の制服の着用を許される栄誉を受けている。
アニメ『ストライクウィッチーズ2』の舞台となったことから、アドリア海沿岸の501JFW基地をはじめとしてロマーニャが多く描写されている。特に同5話では1945年春当時のローマの街並みや王宮、12話などでは504JFW基地の様子も見ることができる。アニメ『ルミナスウィッチーズ』でも、5話で1944年6月当時のローマが舞台となり、街並みが詳細に描かれることとなった。
また、OVA『ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow』でもVol.2冒頭で、フランチェスカ・ルッキーニの母エミリアーナが住むシチリア島の風景が描かれている。
また、コミック『ストライクウィッチーズ 紅の魔女たち』は、ロマーニャ方面を専任とする504JFW<アルダーウィッチーズ>のストーリーであり、504JFW基地周辺を中心にロマーニャの描写は多い。
主要な国家説明は『ストライクウィッチーズ』DVD特典「全記録」第三集、ロマーニャの航空機製造会社の詳細については『ストライクウィッチーズ2』特典「全記録 弐」第四集に収録。
アニメ『ストライクウィッチーズ』などで描かれる第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>(配置はブリタニア→ロマーニャ)には、1名のウィッチを送り込んでいる。
コミック『ストライクウィッチーズ 紅の魔女たち』で描かれる第504統合戦闘航空団<アルダーウィッチーズ>(ロマーニャ)には、4名のウィッチを参加させている。全員が”赤ズボン隊”に所属する。
この4名のほか、同部隊に参加するヒスパニアウィッチ、アンジェラ・サラス・ララサーバルは名誉”赤ズボン隊”として認められたウィッチである。
小説『ノーブルウィッチーズ』シリーズで描かれる第506統合戦闘航空団<ノーブルウィッチーズ>(ガリア)には、A部隊に1名のウィッチが参加している。
小説『スオムスいらん子中隊』シリーズと『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』シリーズで描かれるスオムス義勇独立飛行中隊(スオムス)には、1名のウィッチを送り込んでいる。
『ルミナスウィッチーズ』の舞台である連盟空軍航空魔法音楽隊<ルミナスウィッチーズ>には、1人のウィッチを所属させている。
上記した以外のウィッチとして、『ストライクウィッチーズ アフリカの魔女たち』にエンリーカ・タラントラ(准尉・空軍/赤ズボン隊)、『紅の魔女たち』には、501JFWをはじめとする記録写真・映像類の多くを撮影し、ウィッチのお尻に迫る撮影アングルでとみに有名な航空映画部のカルラ・ルースポリ(大尉・空軍)などが登場している。
『ストライクウィッチーズ2』5話では、マリア・ピア・ディ・ロマーニャ公女、およびその侍従アルフォンソ・カルデローネとブルーノ・ディオニージが登場している。
『ルミナスウィッチーズ』では、シルヴィ・カリエッロの父であるカリニャーノ公が登場した。カリニャーノ公はロマーニャ公家の係累である。
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最終更新:2024/12/21(土) 21:00
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