ディスクリートキャット

ディスクリートキャット(Discreet Cat)は、2003年アメリカ生まれの競走馬・種牡馬である。

概要

父Forestry、母Pretty Discreet、母父Private Accountという血統。父フォレストリーと母プリティディスクリートはいずれも現役時代にGI1勝を挙げており、母父プライヴェートアカウントはGI4勝を挙げたMy Flag、2003年にエクリプス賞最優秀短距離馬を受賞した*アルデバランなど母父として優秀な産駒を多く送り出す、筋の通った血統である。

生産したロブシャムステーブルの所有馬として、ジャパンカップを優勝したHalf Icedなどを管理したフロリダ州の有力調教師であるスタンレー・M.ハフ師に預けられた。

競走成績

2005年8月にサラトガ競馬場の未勝利戦でデビューし、拮抗していたとはいえ9頭中5番人気の評価だったが3馬身半差で勝利した。レース後に休養に入り、この間にゴドルフィンにトレードされサイード・ビン・スルール厩舎(UAE)に移った。

年が明けて2006年は3月にナド・アルシバ競馬場の条件戦を使って勝利するとUAEダービーに駒を進め、ウルグアイで無敗で三冠を獲得した後アメリカ移籍して挑戦してきたInvasorや日本から遠征したフラムドパシオンらを相手に6馬身差で圧勝した。その後アメリカの三冠競走には出走せず休養に入った。

8月に復帰戦のアローワンスを11馬身差で勝利し、10月のジェロームブリーダーズカップハンデキャップ(GII)を10馬身1/4差で楽勝すると、11月のシガーマイルハンデキャップ(GI・1マイル)では5頭立てということもあり前走の勝ちっぷりから単勝1.25倍の圧倒的支持を受けた。レースでは先行すると残り1ハロン地点で抜け出して3馬身1/4差で勝利し、GI初勝利を挙げた。勝ち時計1:32.46はEasy Goerがマークしたコースレコード1:32.4とほぼ同等(Easy Goerがマークした頃は1/10秒単位での計測)という好時計であった。

2007年はバージ・ナハール(ドバイGIII)をステップにドバイワールドカップに出走することとなったが、熱発のためバージ・ナハールに出走出来ず、ドバイワールドカップに直行することとなった。しかし、スタートで後れを取るとそのまま最後まで伸びを見せられず、かつて一蹴したInvasorに大きく差をつけられて7頭中最下位に終わった。レース後に喉に腫れがあることが分かり、半年間休養することになった。

秋シーズンに入って復帰したが、ヴォスバーグS(GI・6ハロン)ではFabulous Strikeの6馬身差3着、新設されたブリーダーズカップ・ダートマイル(L)ではCorinthianの15馬身差3着といずれも離れた3着に終わり、ブリーダーズカップの後に引退が発表された。

種牡馬成績

2008年からダーレーグループの米国拠点であるジョナベルファームで種牡馬入りし、GI馬を3頭送り出す良好な成績を残した。しばらくアメリカで供用された後、日本に輸入された約10頭ほどの産駒から根岸Sを勝った*エアハリファが出たこともあり、2017年からダーレー・ジャパンに導入されることとなった。

日本においては2019年生まれのコンバスチョンが2021年の兵庫ジュニアグランプリと全日本2歳優駿でともに2着となった後に2022年ヒヤシンスSを勝って輸入後の産駒としては初めてのリステッドレース勝利を挙げ、その後オオバンブルマイが2022年の京王杯2歳Sを勝って翌年のNHKマイルカップで3着に入るなどそれなりの成績をマークしていたが、その矢先の2023年5月25日に病気のため死亡したとダーレー・ジャパンが発表した。20歳没。

血統表

Forestry 1996 鹿毛	Storm Cat 1983 黒鹿毛	Storm Bird	Northern Dancer
			South Ocean
		Terlingua	Secretariat
			Crimson Saint
	Shared Interest 1988 鹿毛	Pleasant Colony	His Majesty
			Sun Colony
		Surgery	Dr. Fager
			Bold Sequence
Pretty Discreet 1992 鹿毛 FNo.2-n	Private Account 1976 鹿毛	Damascus	Sword Dancer
			Kerala
		Numbered Account	Buckpasser
			Intriguing
	Pretty Persuasive 1988 鹿毛	Believe It	In Reality
			Breakfast Bell
		Bury the Hatchet	Tom Rolfe
			Christmas Wishes

クロス:Northern Dancer 4×5(9.38%)、Buckpasser 4×5(9.38%)、Bold Ruler 5×5(6.25%)、Ribot 5×5(6.25%)

主な産駒

• *エアハリファ (2009年産 牡 母 Chez la Femme 母父 Afternoon Deelites)
  • 2015年根岸S(GIII)
• Dads Caps (2010年産 牡 母 Seeking the Silver 母父 Grindstone)
  • 2014・15年カーターH(米GI)
• Discreet Marq (2010年産 牝 母 To Marquet 母父 Marquetry)
  • 2013年デルマーオークス(米GI)、2013年サンズポイントS(米GII)、2015年ボーゲイS(米GIII)
• Secret Compass (2011年産 牝 母 Maria's Pride 母父 Maria's Mon)
  • 2013年シャンデリアS(米GI)
• *シークレットスパイス (2015年産 牝 母 Chimayo 母父 A.P. Indy)
  • 2019年ビホルダーマイルS(米GI)
• Taksim (2015年産 牡 母 Taverne 母父 Torrential)
  • 2019年フランシスコ・エドゥアルド・ヂ・パウラ・マシャード大賞(伯GI)
• オオバンブルマイ (2020年産 牡 母 ピンクガーベラ 母父 ディープインパクト)
  • 2022年京王杯2歳S(GII)、2023年アーリントンカップ(GIII)

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関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧