『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』とは、エニックス(現スクウェア・エニックス)がスーパーファミコン向けに1992年に発売したゲームソフト。略称はドラクエ5、DQ5、DQV。
ドラゴンクエストシリーズの本編第5作目。
概要
父、主人公、子供の3代にわたる壮大な大河ストーリー。「天空の花嫁」のサブタイトルのとおり、主人公の結婚イベントが存在する異色の作品。シリーズとしては初めて主人公が勇者ではない。
制作者の堀井氏が掲げるゲームコンセプト「もう一つの人生体験」が最も反映された作品でもあり、本作の魅力ともなっている。主人公が結婚したり、子供が生まれたりする為、結婚相手の選択では未だにファンの意見が分かれたりする。
前作「ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち」より数百年後を舞台としており、前作の勇者達の伝説、及びその子孫の存在、勇者達とエスタークとの死闘などが随所で語られている。また天空城やマスタードラゴンの再登場など、前作ファンの心を擽る内容となっている。
システム面では仲間モンスターシステムを初めて採用した。前作でも仲間モンスターは2匹のみ存在したが、モンスターが本格的に主人公の味方となってくれるのは本作から。後のDQⅥでも採用され、Ⅵの外伝的作品、テリーのワンダーランドでは本格的に採用される等、仲間モンスターシステムの草分け的作品としても評価が高い。
リメイクも2度行われ、2004年にはPS2版、2008年にはDS版が発売された。
登場人物
- 主人公
父・パパスと世界を旅してきた幼い少年。紫色のターバンがトレードマークで羊飼いのような姿をしている。DQシリーズの主人公の中でも屈指の苦労人、かつ一番長い人生が描かれた主人公。この結果DQ至上おそらく最年少、かつ最年長の主人公であり、なおかつ(特殊な血筋こそ引いてはいるが)勇者ではない。リメイク版の公式サイトでは「アベル」。小説版などでは「リュカ」。
- 修得する攻撃呪文がバギ系のみ、最強装備がドラゴンの杖や王者のマント等の軽装である事など、僧侶のような特性を持つ。勿論、剣やブーメラン等も十二分に使いこなす事が出来、直接戦闘力も申し分ない。
魔物であっても心優しく接する事が出来、オラクルベリーでモンスター爺さんと出会った事が契機となって、多くのモンスターを仲間に加える事が出来るようになる。
- ビアンカ
花嫁候補の一人。宿屋の娘で主人公とは幼馴染。性格は活発的だが、その分自分の女性らしさに気を使う一面も見られる。主人公より2つ年上。公式上では彼女が主人公の花嫁となっている。
- フローラ
花嫁候補の一人。サラボナの大きな屋敷の娘。その育ちから性格は清楚で大人しいが、精神的には強く、気丈な一面も見られる。原作では青年時代に初登場する人物だったが、PS2版のリメイクで、幼少期に主人公と出会うシーンが追加された。
- デボラ(DS版から登場)
DS版から追加された花嫁候補の一人。フローラの姉。その育ちから性格は気が強くわがまま。自分を中心に物事を考える女王様気質だが、心の優しい一面も兼ね備えている。
- パパス
主人公の父親。さらわれた妻を取り戻すために世界を旅している。勇猛な戦士であり、また優れた人格者である為にサンタローズの村人から敬われている。戦士として優秀だが、ホイミやベホイミ等の回復呪文の心得もある。
- マーサ
主人公の母親。特殊な能力を持つが、その力ゆえに魔王にさらわれてしまう。
- 男の子
主人公の息子。伝説の勇者。デフォルト名はレックス。(SFC版ではクーパー)
- 女の子
主人公の娘。デフォルト名はタバサ。(SFC版ではアニー)
- サンチョ
召使い。パパス達が旅に出ている間、家を預かっていた。パパスを敬い、主人公の事を坊ちゃんと呼ぶ。青年時代後半からパーティに加えることが出来るようになる。
- ベラ
妖精のひとり。とある事件解決のため少年時代の主人公とともに旅をすることになる。
- ポワン
妖精の世界の女王。ベラを人間界に送り主人公を妖精の世界へ連れて来させる。
- ピピン
グランバニアの兵士。初めて主人公と出会った際にはまだ少年であった。青年時代後半には兵士になっており、パーティに加えることが出来るようになる。
- ヘンリー
ラインハット王国の第一王子。家庭の問題から捻くれて悪戯ばかりしていたが、とある事件を機に主人公の親友となる。
- マリア
光の教団の一員だったが、教祖の皿を割り奴隷にされる。その後、主人公とともに脱出し修道女となる。
- コリンズ
ヘンリーの息子。父親に似て悪戯好きの少年。
- ルドマン
サラボナの街の名士。嫁を選択する場面で彼を選ぶと予想外な反応が返ってくる為か、嫁に選ばれた回数は、ビアンカに次ぐほど(?)である。少々過保護な所はあるが、気の良い人物で、自分の娘と結婚したいと名乗り出た男が急に幼馴染を連れてきても快く結婚式を挙げる事を許可する人。
- ベビーパンサー
- モンスターであるが、例外的な準固定メンバー。名前は選択肢の中から決める事が出来る。公式上の名前は「ゲレゲレ」、小説版での名前は「プックル」。「地獄の殺し屋」の異名を持ち、本来人間には懐かない凶暴なモンスターであるが、いじめられていたところを助けたベビーパンサーが、主人公とビアンカに懐いて付いてくる。一度は離れ離れになってしまい、長い年月を経て野生に帰りかけていたが、再会を通じて再び主人公の仲間に加わる。
登場モンスター
- スライムナイト
- ネクロマンサー(量産型ゲマ)
- ゲマ
- イブール
- ミルドラース
- エスターク
仲間になる可能性のあるモンスター
- イベント(SFC)…ベビーパンサー、キラーパンサー、スライム、ブラウニー、ばくだんベビー、くさったしたい、ドラキー、スライムナイト、ドラゴンキッズ、ダンスニードル、イエティ、クックルー、ホイミスライム、ビックアイ、まほうつかい、パペットマン、キメラ、ばくだんいわ、おどるほうせき、ベホマスライム、キングスライム、ドラゴンマッド、ミニデーモン、メッサーラ、はぐれメタル、オークキング、アームライオン、ネーレウス、ゴーレム、エリミネーター、ケンタラウス、ソルジャーブル、スライムベホマズン、アンクルホーン、メガザルロック、ホークブリザード、シュプリンガー、グレイトドラゴン、キラーマシン、ギガンテス、ライオネック、ヘルバトラー
- PS2から…おばけキノコ、メタルスライム、エビルアップル、エンプーサ、さまようよろい、ミステリードール、ドロヌーバ、ほのおのせんし、しびれくらげ、ホークマン、ゴースト、おばけキャンドル、ブリザードマン、プチヒーロー、プチファイター、プチマージ、プチプリースト、サターンヘルム、コロヒーロー、コロファイター、コロマージ、コロプリースト、ガップリン、おおねずみ、エビルマスター
- イベント(PS2)…ザイル、プチターク、ブオーン
- DSから…プリズニャン、アークデーモン
関連作品
- 小説ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁(久美沙織)
Ⅳに続く、久美沙織によるノベライズ。全3巻。ベビーパンサーの名前は「プックル」、男の子は「ティミー」、女の子は「ポピー」。ⅣやⅥの小説版同様、著者による独自設定が多い。スライムナイトのピエールが物語上重要なポジションを締めるなど、個性的な仲間モンスターたちが登場するが、多くが青年時代前半の終盤に戦いの中で壮絶な死を遂げる。また、ゲマに関する小説版の設定はのちにPS2版で採用された。
- ドラゴンクエスト 天空物語(幸宮チノ)
男の子「テン」と女の子「ソラ」が、行方不明の父を捜して旅をする、青年時代前半と後半の間を補完するコミック。月刊少年ギャグ王で連載が開始され、雑誌の休刊などの理由で掲載誌を転々とするが、7年がかりで完結した。全11巻。
関連動画
動画のタグはドラクエ5が使われる。
ニコニコ動画においては、マイナーモンスターズ(ダニーの奇妙な冒険シリーズ)が契機となり、モンスターを仲間に出来るようになる青年期前半からの縛りプレイが多く投稿されている。
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