フリーエージェントとは、以下の意味を指す。「FA」とも呼ばれる。
日本国内では日本プロ野球(NPB)所属の球団の選手によるFA及びFAとなる権利を指して使われることが一般的。
以降本記事では特記事項がない限りNPBにおけるFAについて記載する。
フリーエージェントとなった選手はいずれの球団とも契約を結ぶことが可能になる。フリーエージェントとなる権利のことを通称「FA権」と呼び、FA権を行使することを「FA宣言」と呼ぶ。
FA権を取得する条件はたびたび変更されているが、基本的には出場選手登録日数が一定期間経過した選手に権利が与えられる。すなわちFA権を取得した選手は長年一軍に在籍している→選手として一定の実力を誇る選手→獲得することで戦力増強が見込める選手ということになり、FA宣言を行った選手には各球団が獲得のための交渉に動くことからドラフト会議と並ぶシーズンオフの話題の一つとして野球ファンの注目を集めている。
かつてNPBに存在したFAの前身とも言える制度。ざっくり言うとプロ入りから10シーズン以上現役選手として同一球団に在籍した者が10年選手となり、自由に球団を移籍できる権利が与えられる。この制度で金田正一が国鉄スワローズから読売ジャイアンツに移籍し、他にも複数名制度を利用した選手が存在する。
2018年現在、NPBにおけるFAに関する制度は以下のようになっている。
※球団名は当時。
| 年 | 選手 | 移籍元 | 移籍先 |
| 1993年 | 松永浩美 | 阪神タイガース | 福岡ダイエーホークス |
| 駒田徳広 | 読売ジャイアンツ | 横浜ベイスターズ | |
| 落合博満 | 中日ドラゴンズ | 読売ジャイアンツ | |
| 石嶺和彦 | オリックス・ブルーウェーブ | 阪神タイガース | |
| 1994年 | 工藤公康 | 西武ライオンズ | 福岡ダイエーホークス |
| 川口和久 | 広島東洋カープ | 読売ジャイアンツ | |
| 山沖之彦 | オリックス・ブルーウェーブ | 阪神タイガース | |
| 広沢克己 | ヤクルトスワローズ | 読売ジャイアンツ | |
| 石毛宏典 | 西武ライオンズ | 福岡ダイエーホークス | |
| 金村義明 | 近鉄バファローズ | 中日ドラゴンズ | |
| 1995年 | 河野博文 | 日本ハムファイターズ | 読売ジャイアンツ |
| 仲田幸司 | 阪神タイガース | 千葉ロッテマリーンズ | |
| 1996年 | 田村藤夫 | 千葉ロッテマリーンズ | 福岡ダイエーホークス |
| 清原和博 | 西武ライオンズ | 読売ジャイアンツ | |
| 1997年 | 中嶋聡 | オリックス・ブルーウェーブ | 西武ライオンズ |
| 山崎慎太郎 | 近鉄バファローズ | 福岡ダイエーホークス | |
| 1998年 | 武田一浩 | 福岡ダイエーホークス | 中日ドラゴンズ |
| 1999年 | 工藤公康 | 福岡ダイエーホークス | 読売ジャイアンツ |
| 星野伸之 | オリックス・ブルーウェーブ | 阪神タイガース | |
| 江藤智 | 広島東洋カープ | 読売ジャイアンツ | |
| 2000年 | 川崎憲次郎 | ヤクルトスワローズ | 中日ドラゴンズ |
| 2001年 | 前田幸長 | 中日ドラゴンズ | 読売ジャイアンツ |
| 2001年 | 加藤伸一 | オリックス・ブルーウェーブ | 大阪近鉄バファローズ |
| 谷繁元信 | 横浜ベイスターズ | 中日ドラゴンズ | |
| 片岡篤史 | 日本ハムファイターズ | 阪神タイガース | |
| 2002年 | 若田部健一 | 福岡ダイエーホークス | 横浜ベイスターズ |
| 金本知憲 | 広島東洋カープ | 阪神タイガース | |
| 2003年 | 村松有人 | 福岡ダイエーホークス | オリックス・ブルーウェーブ |
| 2004年 | 大村直之 | 大阪近鉄バファローズ | 福岡ソフトバンクホークス |
| 稲葉篤紀 | ヤクルトスワローズ | 北海道日本ハムファイターズ | |
| 2005年 | 野口茂樹 | 中日ドラゴンズ | 読売ジャイアンツ |
| 豊田清 | 西武ライオンズ | 読売ジャイアンツ | |
| 2006年 | 小久保裕紀 | 読売ジャイアンツ | 福岡ソフトバンクホークス |
| 小笠原道大 | 北海道日本ハムファイターズ | 読売ジャイアンツ | |
| 門倉健 | 横浜ベイスターズ | 読売ジャイアンツ | |
| 2007年 | 新井貴浩 | 広島東洋カープ | 阪神タイガース |
| 和田一浩 | 西武ライオンズ | 中日ドラゴンズ | |
| 石井一久 | 東京ヤクルトスワローズ | 埼玉西武ライオンズ | |
| 2008年 | 中村紀洋 | 中日ドラゴンズ | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
| 野口寿浩 | 阪神タイガース | 横浜ベイスターズ | |
| 相川亮二 | 横浜ベイスターズ | 東京ヤクルトスワローズ | |
| 2009年 | 藤本敦士 | 阪神タイガース | 東京ヤクルトスワローズ |
| 橋本将 | 千葉ロッテマリーンズ | 横浜ベイスターズ | |
| 藤井秀悟 | 北海道日本ハムファイターズ | 読売ジャイアンツ | |
| 2010年 | 藤井彰人 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 阪神タイガース |
| 細川亨 | 埼玉西武ライオンズ | 福岡ソフトバンクホークス | |
| 森本稀哲 | 北海道日本ハムファイターズ | 横浜ベイスターズ | |
| 内川聖一 | 横浜ベイスターズ | 福岡ソフトバンクホークス | |
| 小林宏之 | 千葉ロッテマリーンズ | 阪神タイガース | |
| 2011年 | 村田修一 | 横浜ベイスターズ | 読売ジャイアンツ |
| 鶴岡一成 | 読売ジャイアンツ | 横浜DeNAベイスターズ | |
| 許銘傑 | 埼玉西武ライオンズ | オリックス・バファローズ | |
| 帆足和幸 | 埼玉西武ライオンズ | 福岡ソフトバンクホークス | |
| 杉内俊哉 | 福岡ソフトバンクホークス | 読売ジャイアンツ | |
| 小池正晃 | 中日ドラゴンズ | 横浜DeNAベイスターズ | |
| サブロー | 読売ジャイアンツ | 千葉ロッテマリーンズ | |
| 2012年 | 日高剛 | オリックス・バファローズ | 阪神タイガース |
| 寺原隼人 | オリックス・バファローズ | 福岡ソフトバンクホークス | |
| 平野恵一 | 阪神タイガース | オリックス・バファローズ | |
| 2013年 | 小笠原道大 | 読売ジャイアンツ | 中日ドラゴンズ |
| 山崎勝己 | 福岡ソフトバンクホークス | オリックス・バファローズ | |
| 久保康友 | 阪神タイガース | 横浜DeNAベイスターズ | |
| 大竹寛 | 広島東洋カープ | 読売ジャイアンツ | |
| 中田賢一 | 中日ドラゴンズ | 福岡ソフトバンクホークス | |
| 鶴岡慎也 | 北海道日本ハムファイターズ | 福岡ソフトバンクホークス | |
| 片岡治大 | 埼玉西武ライオンズ | 読売ジャイアンツ | |
| 涌井秀章 | 埼玉西武ライオンズ | 千葉ロッテマリーンズ | |
| 2014年 | 大引啓次 | 北海道日本ハムファイターズ | 東京ヤクルトスワローズ |
| 成瀬善久 | 千葉ロッテマリーンズ | 東京ヤクルトスワローズ | |
| 小谷野栄一 | 北海道日本ハムファイターズ | オリックス・バファローズ | |
| 相川亮二 | 東京ヤクルトスワローズ | 読売ジャイアンツ | |
| 金城龍彦 | 横浜DeNAベイスターズ | 読売ジャイアンツ | |
| 2015年 | 高橋聡文 | 中日ドラゴンズ | 阪神タイガース |
| 脇谷亮太 | 埼玉西武ライオンズ | 読売ジャイアンツ | |
| 今江敏晃 | 千葉ロッテマリーンズ | 東北楽天ゴールデンイーグルス | |
| 木村昇吾 | 広島東洋カープ | 埼玉西武ライオンズ | |
| 2016年 | 岸孝之 | 埼玉西武ライオンズ | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
| 糸井嘉男 | オリックス・バファローズ | 阪神タイガース | |
| 山口俊 | 横浜DeNAベイスターズ | 読売ジャイアンツ | |
| 森福允彦 | 福岡ソフトバンクホークス | 読売ジャイアンツ | |
| 陽岱鋼 | 北海道日本ハムファイターズ | 読売ジャイアンツ | |
| 2017年 | 増井浩俊 | 北海道日本ハムファイターズ | オリックス・バファローズ |
| 大和 | 阪神タイガース | 横浜DeNAベイスターズ | |
| 野上亮磨 | 埼玉西武ライオンズ | 読売ジャイアンツ | |
| 大野奨太 | 北海道日本ハムファイターズ | 中日ドラゴンズ | |
| 鶴岡慎也 | 福岡ソフトバンクホークス | 北海道日本ハムファイターズ | |
| 2018年 | 炭谷銀仁朗 | 埼玉西武ライオンズ | 読売ジャイアンツ |
| 浅村栄斗 | 埼玉西武ライオンズ | 東北楽天ゴールデンイーグルス | |
| 丸佳浩 | 広島東洋カープ | 読売ジャイアンツ | |
| 西勇輝 | オリックス・バファローズ | 阪神タイガース |
選手がなぜFA宣言するのか、理由はそれぞれであり直接話をしない限り真実が出てくることはないが、大概は「優勝を狙える球団に移籍したい」「現状の起用法に不満があり自分を必要としてくれる球団に移籍したい」「地元の球団でプレーしたい」「憧れていた球団でプレーしたい」「お金がたくさんもらえる球団に移籍したい」「辛いけど元球団が好きだから移籍する」などが考えられる。
FA宣言を行った場合、その時点で他球団へ移籍する可能性が出てくるため、選手の評価によっては「金目当てで移籍するのか」「裏切り者」などという批判が選手に向けられることがある。
またFA選手を獲得する球団側にも批判の声が及ぶこともある。特に読売ジャイアンツはFA制度が開始して以降12球団で最も多くのFA選手を獲得しており、「金に物を言わせた汚い補強」「自球団の若手育成に力を入れてない」などと批判されることがある。またFA権を取得した選手は30代の年齢に差し掛かっていることが大半で、野球選手としての能力の衰え、あるいは怪我をしやすいなどの理由により戦力にならない可能性もある。そのため活躍が出来なかったFA選手を獲得してしまうことでファンから批判されることもある。
一方FA宣言する選手も場合によってはどことも契約がまとまらず、最悪の場合元球団に復帰することもできず事実上の解雇・引退状態になる可能性も十分考えられる。
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最終更新:2025/12/07(日) 05:00
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