僕の心のヤバイやつとは (ボクノココロノヤバイヤツとは) [単語記事]

『僕の心のヤバイやつ』とは、秋田書店のウェブコミック配信サイト『マンガクロス』で連載中の漫画である。略称は『僕ヤバ』。作者は『みつどもえ』『ロロッロ！』の桜井のりお。

ポストを読み込み中です
 https://twitter.com/lovely_pig328/status/1296042844407435264

↓連載ページはこちらから↓

概要

陽キャが憎くてたまらない…。
只今、中二病真っ最中の市川京太郎は、
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を企む！
だが、山田の意外な一面を知ってしまい…！？

陽キャ美少女と陰キャ男子。
縮まるハズのない２人の距離に
奇跡は起きるか！？
陰キャ・京太郎の青春が今、かなり静かに動き出す…！！

(マンガクロス連載ページより引用)

漫画
僕の心のヤバイやつ
作者	桜井のりお
出版社	秋田書店
レーベル	少年チャンピオン・コミックス
掲載	週刊少年チャンピオン →チャンピオンクロス →マンガクロス
掲載期間	2018年3月-
巻数	既刊9巻（2023年11月時点）
漫画テンプレート

連載開始は『週刊少年チャンピオン』2018年3月8日発売の15号からで、18号まで序盤の4回分が掲載された。その後同年4月に『マンガクロス』の前身であるウェブコミック配信サイト『チャンピオンクロス』に移籍。7月に『Champion タップ!』との統合により、現在の『マンガクロス』が開設されるとそのまま本作も移籍している。当初から秋田書店が運営する配信サイトの掲載漫画として企画されたが、多くの人の目に触れるようにとの考えでこのような経緯がある。（ねとらぼ2020年3月3日コラム記事より）

陰キャ男子・市川京太郎と陽キャ美少女・山田杏奈の2人が東京都目黒区洗足を舞台に、お互いを観察しあって相手と自分を知りながら、お互いの距離を縮めていく過程を描いたラブコメ未満まんが（Karte.15まで）→思春期ラブコメ（Karte.16より）である。

タイトルの『僕の心のヤバイやつ』は作者の『自分の中にある恋心なのか何なのかわからない感情を表現したい』という思いから付けられている。（コミスペ2019年5月8日インタビュー記事より）

ポストを読み込み中です
 https://twitter.com/lovely_pig328/status/1189465284442116096

”Karte.〇〇”でナンバリングされている本編はマンガクロスにて隔週更新されているが、それとは別に不定期で作者Twitterに単行本未収録の『僕ヤバ』のイラストやおまけの短編漫画（通称『ツイヤバ』） が投稿されている。（単行本3巻に収録された『おまけ1 闇の能力者』『おまけ2 身長測ってもらった』もTwitterが初出）これらのイラストや単行本未収録の短編の一部はTwitterで発表後、pixivに作者本人のアカウントで投稿されている。

ポストを読み込み中です
 https://twitter.com/lovely_pig328/status/1123149328657203200

これは『僕ヤバ』初期の展開が、

『徐々に近づく方が恋愛のリアリティがある』
『読者に二人の初恋を追体験してほしい』
『共感されるために慎重に距離を縮めていきたい』

という作者の思いから、ラブコメというより観察系コメディといえる内容になっており、ラブコメとしては序盤の求心力がない構成になっていた。
そこで作品に興味を持った読者に、ラブコメとしての『僕ヤバ』の魅力をわかりやすく伝えるための短いマンガという位置づけで『ツイヤバ』の掲載が決定された。
本編が二人が徐々に近づいていく話なのに対し、『ツイヤバ』はラブコメらしく関係性が分かりやすい、キャッチーな内容となっている。（コミスペ2020年7月14日インタビュー記事より）

また最新話掲載日に作者がTwitterに投稿する【更新】告知では、マンガクロスだと見られない各話の内容とリンクしたカラーイラスト（表紙絵） も投稿されている。これらの告知絵は”＃○○”でナンバリングされている。本編の内容を補完・象徴する場面の絵で、各話の考察・理解の一助となっている。

ポストを読み込み中です
 https://twitter.com/lovely_pig328/status/971692411733688321

（上記ツイートは2018年3月8日発売『週刊少年チャンピオン15号』掲載の第1話告知絵「＃1」）

登場人物

市川京太郎　CV.堀江瞬: 本作の主人公。中学二年生で身長152ｃｍと小柄で、右目を隠した髪型が特徴。血液型はB型。; 学園カースト底辺を自認する陰キャ男子で、性格は内向的で友達がいない。猟奇的な内容の本をよく読んでいて、同級生を殺す妄想をする中二病を患っている。; 昼休みの図書室でおかしを隠れて食べるヒロインの山田と出会ったことで状況が一変。; それまで一方的に自分を見下すスクールカースト上位の陽キャと思っていた彼女と交流するうちに次第に彼女に恋心を抱くようになっていく。; 中二病らしく斜に構えた態度をとっているが、心根は優しく困っている人を放っておけない性格。; 周りの人の気持ちを推し量って、一人でハラハラしたり、こっそりと手助けしたりしている。; また思い切ったことをする行動力もあるが、陰キャ故の自己評価の低さから山田が自分に好意を持っていると思わず、彼女の言動や行動を悲観的に捉えがちである。

本作は彼の一人称視点で描かれており、表に出さない心情がモノローグとして語られながら進んでいく。（あくまでその時の彼自身のモノローグであり、語り手としては信頼できない存在）各回の題名は「僕は～」という彼が回顧した様な一文となっており、またナンバリングの「Karte.XX」は「中二病の治療」という本作の初期のテーマに由来している。
山田杏奈　CV.羊宮妃那: 本作のヒロイン。中学二年生女子にして身長171ｃｍとかなりのスタイルの持ち主。目黒区一の美少女と言われ、雑誌のモデルとして活動をしている学園カースト最上位の陽キャ女子。血液型はAB型。; 見た目に反して子供っぽい一面があり、よくわからない所で笑ったり泣いたりする。何事も一生懸命に取り組むが大雑把で不器用な性格故に、上手く行かない事のほうが多い。; 給食だけでは足りないのか、昼休みに図書室でおかしなどを隠れて食べていて、そこでそれまでほとんど意識していなかった市川と出会う。; 交流が進むにつれて市川の不器用な優しさに気付き、図書室にも頻繁に顔を出すようになっていく。; 恋心を自認してからは非常に積極的に市川にアプローチしていて、何かと理由をつけてボディタッチを試みている。; 現在作中で彼女の内面は一切語られていない。しかし言葉や表情・仕草などに表出した感情が非常に緻密に描かれており、細部まで読み込むことで彼女のその時々の変化を想像できたり、何気ない描写が後々の思わぬ伏線となっているなど、ラブコメを基調としながら一方でミステリ小説的な奥深い味わいを兼ね備えていることが本作の魅力の一つとなっている。
小林ちひろ　CV.朝井彩加: 山田の親友。愛称は『ちぃ』『ばやしこ』市川は心の中で『彼氏さん』と呼んでいる。; 山田によく椅子にされたり不器用なスキンシップの餌食にされている。山田に言い寄る男子の盾になっているが、自身はガードがゆるい。
関根萌子　CV.潘めぐみ: 山田の親友。見た目も言動もギャルで平然と毒を吐く。市川は心の中で『ビッチ（さん/氏）』と呼んでいる。; 男漁りに余念がなく、山田を釣り餌にナンパ待ちしたりクラス男子全員とのLINE交換を目論んでいる。; 学年5位と成績は優秀でオタクの兄がいる。
吉田芹那　CV.種﨑敦美: 山田の親友。愛称は『にゃあ』市川は心の中で『ヤンキーさん』と呼んでいる。; ヤンキーっぽい見た目で情に厚い。『クローズ』『ワースト』の大ファンで全巻読破している。
足立翔　CV.岡本信彦: 市川・山田のクラスメートの男子。山田に好意を持っているが、神崎・太田とよく猥談をしていてゲスな妄想、言動や行動で山田たち女子に白い目で見られたり自爆している。
神崎健太　CV.佐藤元: 市川・山田のクラスメートの男子。坊主頭で真面目そうな見た目だが、性欲にまみれた思考と特殊性癖の持ち主。市川は心のなかで『ブス専くん』と呼んでいる。原さんに好意を持っている。
原穂乃香　CV.豊崎愛生: 市川・山田のクラスメートでポッチャリ体型のかわいらしい女の子。神崎から好意を持たれていて二人で出かけたりもしている。ダイエットしようと決意しているがポケットにチョコパイを忍ばせている。市川と山田の関係になんとなく気付いて陰ながら見守っている。
南条ハルヤ　CV.島﨑信長: 市川・山田の通う中学の先輩。市川からは『ナンパイセン』『ナンパイ』と心の中で呼ばれている。; 山田に強引にアプローチをかけていて、山田の親友グループ内ではクズ認定されている。; 市川が山田へのアプローチを阻止するために川に投げ込んだ自転車を率先して引き上げたりとそこまで悪い人ではない模様。
市川香菜　CV.田村ゆかり: 市川京太郎の姉。弟と同じく母親似。血液型はB型。大学生で軽音楽部に入っている。ちょっとクールでサバサバした性格だが、弟を『京ちゃん』と呼んで溺愛している。一方、京太郎からは『おねえ』と呼ばれている。; バイトの合間の休日にいろいろな所に連れ回しては世話を焼き、京太郎が病気で寝込んだ際には早く帰って来て寝顔を見守ったり、LINEでスカート試着の画像を送りつけたりと構い倒している。

テレビアニメ

これまでもアニメ化して欲しい漫画作品ランキングで上位に入った本作だが、2023年に満を持してTVアニメの制作、放送がアナウンスされた。同じ出版社では先に『もういっぽん！』、同時期に『SHY』のアニメ化が発表されているため、2023年も秋田書店発アニメは複数作製作されるようである。

2023年4月よりテレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠、BS朝日にて第1期が放送された。全12話。アニメーション制作にシンエイ動画、監督は赤城博昭と『からかい上手の高木さん』に関わったスタッフが複数参加して製作された。2024年1月より第2期が引き続き“NUMAnimation”枠・BS朝日ほかで放送予定。

スタッフ

原作:桜井のりお(秋田書店「マンガクロス」連載)
監督:赤城博昭
シリーズ構成・脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:勝又聖人
音楽:牛尾憲輔
制作:シンエイ動画

各話リスト

話数	サブタイトル	初回放送日
karte1	僕は奪われた	2023 4/1
karte2	僕は死んだ	4/8
karte3	僕は抱きしめたい	4/15
karte4	僕は心の病	4/22
karte5	僕らははぐれた	4/29
karte6	僕は溶かした	5/6
karte7	僕らは入れ替わってる	5/13
karte8	僕は夢を見た	5/20
karte9	僕は山田が嫌い	5/27
karte10	僕らはゆっくり歩いた	6/3
karte11	僕らは少し似ている	6/10
karte12	僕は僕を知ってほしい	6/17