必殺からくり人 単語


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ヒッサツカラクリニン

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必殺からくり人とは、1976年に放送された朝日放送(ABC)制作のテレビ時代劇であり、必殺シリーズ第8弾である。
全13話。

OPナレーション

雨が降ったら 傘をさす
つらい話は 胸をさす
娘十八 紅をさす
魔がさす 棹さす 将棋さす
世間の人は 指をさす
許せぬ悪に
とどめさす

ナレーター:上から山田五十鈴→芦屋雁之助→ジュディ・オング→森田健作→緒形拳→山田五十鈴→緒形拳

概要

かつて八丈島から島抜けしていた罪人たちがいた。現在は表では芸者置屋の他、枕売り、花火職人、骨董品商人として活動している一方、裏では弱い者の晴らせぬ恨みを晴らす「からくり人」として暗躍していた。

実は「からくり人」は二つの組織があり、一つは弱い者の味方である蘭兵衛を元締とする組織、もう一つは権力にすがりつきどんな外道仕事も辞さない曇りを元締とする組織。やがて蘭兵衛一味の行動を快く思っていない曇りは、蘭兵衛を暗殺することに成功するが、チームは花乃屋仇吉が新たな元締となり、曇り一味に対抗するのであった。

シリーズ初の1クール(13話)作品。
舞台となる天保時代と現代(1976年)の世相をたびたびリンクさせており、物語冒頭では現代シーンにからくり人が登場して会話する(例えば第1話では時次郎が銀座でアナウンサーに「緒形拳」に間違えられながらも鼠小僧がしょっ引かれるシーンを見物する)など様々な試みが描かれた。

役者のスケジュールの都合のためか、メンバー全員が勢揃いすることは最後までなかった。

決して「からくりん」と呼んではいけない。

からくり人

夢屋時次郎(ゆめや ときじろう)
演:緒形拳
表稼業は小舟をこぎ、歌いながら安眠枕を売る「夢屋」を営む男。
裏では殺しだけではなく潜入捜査から情報収集までなんでもござれの、チームの行動隊長と言った方が相応しい。
その殺しの時は、枕作りに使う鉄製のヘラを不敵な笑みを浮かべながら回し、悪人の首筋に刺す・のど元を切るなどしている(余談だがこの時のヘラを回す音は『必殺仕事人』の秀の簪を回す音や、『美少女戦士セーラームーン』でセーラームーンの変身の時のティアラ装着の音に流用されている)。
第12話では、かつての恋人にそっくりな女郎に肩入れするも、その女郎を助けた医者が蛮社の獄で自決したために復讐を決意、曇りや鳥居耀蔵を狙うがその復讐は失敗し、時次郎はその場で自爆死した。
仕掛の天平(しかけの てんぺい)
演:森田健作
川辺にある埋立地の小屋に住んでいる花火職人の青年。ぶっきらぼうで熱血漢だが心優しい性格。
時次郎の弟分といった感じで、コンビを組んでいることが多い。
殺し技は、点火させた花火を悪人の口の中に入れて体内で爆発させるというもので、爆発する様子はレントゲンのようなもので映し出されていた。
最終回では曇り一味の襲撃で小屋が爆発し、それによって視力を失う。そして終盤には点火させた花火(爆弾?)を持って「曇りを出せ!」と叫びながら曇りの屋敷に突入するも、曇りを倒すことが出来ずに爆死してしまう。
花乃屋とんぼ(はなのや とんぼ)
演:ジュディ・オング
花乃屋仇吉の実の娘。読心術が得意で、悪人たちの会話を読み取り悪事の内容を知る。
基本的に殺しは行わないが、最終回では花乃屋を襲ってきた曇り一味を、藤兵ヱから事前に手渡されていた短刀で刺し殺した。天平に想いを寄せているが、天平ととんぼは実は兄妹らしく、さらに天平は死亡したため結ばれることはなかった。仇吉の言いつけ通り上方へ行き、そしてのちの清元延寿太夫になるが、その姿は山田五十鈴そのもの仇吉にそっくりであった。
八尺の藤兵ヱ(はっしゃくの とうべえ)
演:芦屋雁之助
花乃屋の船頭であり、仇吉の用心棒も務める。天平ととんぼが兄妹であることを知っているようではあるが、それを仇吉に確認しようとした時にははぐらかされていた。
後年の芦屋雁之助キャラ同様に怪力の持ち主であり、その力は家をも破壊しかねないほど。殺し技は手ぬぐいで首を絞めるなどその力を利用したものが多いが、短刀を使うこともあった。
最終回ではとんぼに「お守り」として短刀を渡し、曇りとの会談に行った仇吉を迎えに行ったが、途中で曇り一味の襲撃に遭い、奮戦するも何発もの銃弾に倒れた。そして最期の力を振り絞り仇吉の元へ船を届けてから力尽きた。
八寸のへろ松(はっすんの へろまつ)
演:間寛平
藤兵ヱの実の息子。当初は初代元締の蘭兵衛が営んでいた骨董品の店を手伝っていたが、蘭兵衛死後は夜泣きそば屋や金魚売りなど色んな職を転々としていた。
生まれつき頭が弱く、寝小便のくせもあるため、たびたび天平を怒らせていた。
最終回では藤兵ヱが死んだ夢(上述と同じシーン)を見て藤兵ヱが死んだのではないかと思うも、直後に曇り一味に襲撃されて小屋が爆発。へろ松は無事だったが天平が失明、へろ松のサポートで天平が一味の一人を殺した後は、曇りの屋敷まで天平を送り届け、そこで天平の指示により現場から走り去る。そしてとんぼと再会するが、とんぼが上方へと渡った後の消息は定かではない。
花乃屋仇吉(はなのや あだきち)
演:山田五十鈴
蘭兵衛配下だったが、蘭兵衛死後は後を受けてからくり人の元締となり「花乃屋」を立ち上げた。
昼は深川で三味線を教えており、夜は藤兵ヱが船頭を務める屋形船で流しで三味線を弾いている。この夜に悪人の密談が行われていることが多く、流しをしながら悪事の手がかりをつかんでいる。
とんぼは実の娘で、とんぼと天平が兄妹らしいのだが、天平が仇吉の息子かどうかは分からない。
八丈島に送られる以前は「おえん」と名乗っていたが、この名前は『新必殺からくり人』等に登場する泣き節(出雲の)お艶(演:山田五十鈴)と同じ。両名は同一人物ではないが、殺し技がのちの山田五十鈴キャラと同じく三味線の撥で主にのど元を切り裂くというものなので説得力がない。
最終回では天平に遅れて曇りの屋敷に乗り込み、そこで曇りと対峙、撥を投げつけ曇りを倒すものの、自身も凶弾に倒れ、八丈島から抜け出した時のことを思い浮かべながら絶命した。

放映リスト

話数 サブタイトル 放送日
1 鼠小僧に死化粧をどうぞ 1976年7月30日
2 津軽じょんがらに涙をどうぞ 1976年8月6日
3 賭けるなら女房をどうぞ 1976年8月13日
4 息子には花婿をどうぞ 1976年8月20日
5 粗大ゴミは闇夜にどうぞ 1976年8月27日
6 秘めごとは白い素肌にどうぞ 1976年9月3日
7 佐渡からお中元をどうぞ 1976年9月10日
8 私ハ待ッテル吉報ドウゾ 1976年9月17日
9 食えなければ江戸へどうぞ 1976年9月24日
10 お上から賞金をどうぞ 1976年10月1日
11 私にも父親をどうぞ 1976年10月8日
12 鳩に豆鉄砲をどうぞ 1976年10月15日
13 終わりには殺陣をどうぞ 1976年10月22日

主題歌

負け犬の唄(ブルース)
作詞:荒木一郎 作曲:平尾昌晃 編曲:竜崎孝路 歌:川谷拓三

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関連項目

  • 必殺シリーズ
  • 必殺仕業人(前作)
  • 必殺からくり人血風編(次作)

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