敗北者とは、
元々敗北と言う単語がありそれに人物を指す者を付け加えてできた単語である。敗北の意味は負けると言うことであるが、"北"の字は背を向けたものを指しており逃げることを意味する。戦いの最中背中を敵にさらすことを恥とし、背中の傷を逃げ傷と呼んだ古来の日本の武士の考え方が示される単語と言えよう。そうなると背の字に北が入っているのも同じような繋がりなのだろうか。
敗の字の元の意味をたどれば、貝殻が2つに別れることを指していることから、物が壊れたりダメになったりすることを意味しており、つまりは物事がダメになって背を向けて逃げるような者を敗北者と呼ぶのであろう。
※以下の内容はONE PIECEのネタバレを含みます。
元ネタはONE PIECE58巻の第573話 「この時代の名を”白ひげ”と呼ぶ」における赤犬のセリフ
「エースを解放して即退散とは とんだ腰抜けの集まりじゃのう白ひげ海賊団
船長が船長…それも仕方ねェか…!
・・・
"白ひげ"は所詮…先の時代の"敗北者"じゃけェ……!」
この時、海軍に捕らえられ処刑寸前だったエースをルフィや白ひげ海賊団の面々が救出し、そこから逃げている最中に現れた赤犬が発した言葉。
この言葉に対し、エースは足を止め
・・・
「ハァ…ハァ… 敗北者……?」「取り消せよ……!! ハァ… 今の言葉……!!!」
と激昂。さらに挑発を続ける赤犬に襲い掛かるも、悪魔の実の能力の相性が悪くあっさり撃退される。その後、赤犬がルフィを殺そうとしたところをエースがかばい死亡する……という展開である。
単にこの場面だけを切り取るとエースが尊敬する白ひげをバカにされ激昂し、また弟を守るために死んでしまったというだけでそこまでネタにされるシーンには見えないかもしれない。
その理由を簡単にまとめてしまえば、スルースキルの無さから安い挑発に乗り、その死によって白ひげの顔に泥を塗り、彼を助けるために尽力した人たちの努力をすべて無駄にしてしまった。その至らなさが一部の読者の失笑を買ってしまったのだ。以下、細かくネタにされる理由を見ていく。
そもそもこういった行動をとった原因の一つに『ロジャー(および遺伝してるエース)は仲間の侮辱や危害を酷く嫌う性格』にある…という情報が出るのがよりにもよってエース死後の過去回想、つまり後から判明した設定であり、それまで示唆のある描写すら特になかった。つまり作中では『赤犬がエースにとって我慢できない禁句(仲間の侮辱)を発した』故に出た行動だが、当然リアルタイムで読んでいた読者がこんな事実を知るはずもなく『安い挑発に乗った』印象を受けてしまうだろう。それにしても「俺の親父はロジャーでなく白ひげだ」と言っていたエースが最期の最期にロジャーから受け継いだ気性で失敗するのは何とも皮肉である。
白ひげは紛れもない最強の海賊として戦争で暴れまわり、何があっても白ひげ海賊団の家族の絆は崩れることがなかった。エースが生きてさえいれば白ひげは「勝利者」でいられたのである。しかしエースの死によってエドワード・ニューゲートが最も大切にしていた白ひげ海賊団は離散した。いわばエース自身の過失によって白ひげを赤犬がバカにした「敗北者」にしてしまったのである。そのことからエースは「たった一人で白ひげ海賊団を壊滅させた男」とも言われる。
敗北者という言葉がネットミームとして広まったのはこのシーンをネタにしたコラ画像が多く作られたことによる。2015年には、関連動画にあるようにそのMADがニコニコ動画に投稿されている。
コラ自体は割と昔からあるもののなのだが、2018年11月末になって急にニコニコ動画での投稿動画数が急増した。この様子を指す「空前の敗北者ブーム」「大敗北時代」といったタグも生まれた。
なぜ2018年になって投稿動画数が増えたのは不明。一説には、9月下旬ごろに公開された918話で「エースみたいでやんした…」というセリフが出てきて注目されたのが遠因ともされるが、関連性は依然として不明である。
10月中旬ごろには、ONE PIECEのアニメのマリンフォード頂上戦争編の映像を編集して作った「ホモと見るシリーズ」がニコニコ動画の例のアレカテゴリに投稿されていた。
同年11月下旬ごろからこれらの動画がランキングに入ったり「止まらない敗北者BB」などの派生動画が生まれたりしているため、これがブームの着火点と推測される。
ただ、今でも全ての敗北者の動画が例のアレカテゴリに投稿されているというわけではなく、例のアレ成分がない・薄いものについてはアニメカテゴリに投稿されることが多い。
主要キャラをネタにしていることもあり、ONE PIECEファンやエースが好きなファンは不快な思いをする可能性が高い。場所を選ぶネタであるということに注意して、このネタを使うときは相手と場所を考えて使おう。棲み分けは大事。
赤犬は白ひげは「敗北者で空虚な人生であった」と喝破するがこれは的を射たものではない。
白ひげとロジャーは何度も戦いを繰り返す間柄であったが、同時に二人だけで酒を飲み交わすほどの絆も持っていた。最期の酒宴でロジャーは白ひげにラフテルへの行き方、つまり海賊王への道をチラつかせるが白ひげは興味ないと一蹴する。白ひげはロジャーに阻まれ王になれなかったわけではない。
エドワード・ニューゲートが最も欲しかったのは「海賊王の称号」や「財宝」ではなく「家族」であった。何も得られなかったどころか、海賊白ひげは一番欲しかったものを十分に得ており、この指摘は赤犬の一方的な価値観にすぎない。後にドフラミンゴも「白ひげは王座につかず、イスの前に君臨した」と言っており、王座に「つけなかった」のではない(エースは白ひげを海賊王にしていたがっていたようだが……)。
かつてエースは白ひげの命を100度以上狙ったことがあり、しかしそれでも白ひげはエースを息子と呼んで憚らなかった。白ひげにとって自分を殺そうとする者もまた息子でありそれを受け入れる実力と度量を持っていた。スクアードに刺されたのは病と高齢によるもので、これをもって白ひげの信念が揺らぐものではない。
エースとのやりとりがあった時点では白ひげはエースを解放し、逃げるエースはそれぞれが七武海クラスの実力者である隊長たちに囲まれもはや赤犬が手をだせるものではなかった。白ひげは「エースの救出」という戦略目標をすでに達成しているのである。一方で海軍側といえば逆に「エースを解放される」という大失態を晒し、この後に正義の象徴である海軍本部は粉々に破壊され、また白ひげを討伐して海軍の威信を高めるつもりが白ひげの首は海賊黒ひげに奪われるという惨憺たる有様である。エースが生きてさえいれば白ひげは勝者として死に、赤犬はこの戦争の敗北者となるはずだったのだ。
サカズキ個人としての思想はともかく、やってることは世界政府公認の七武海とほぼ同じである。と言うかそもそもそれは本来海軍がやるべき仕事である。
これは白ひげ個人でなくクルーに向けての言葉だが、白ひげ海賊団はエースを救出しにきているのだからエースを解放して即、退散するのは当たり前すぎるほどに当たり前のことである。むしろグズグズ居残っているのは愚の骨頂である。
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最終更新:2025/12/13(土) 18:00
最終更新:2025/12/13(土) 17:00
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