核拡散防止条約 単語


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核拡散防止条約(核不拡散条約、核兵器の不拡散に関する条約、NPT)とは、これ以上核保有国を増やさないようにしようという条約である。

1968年に68か国が調印、1970年発効。

概要

ものすごく簡単に要約すると「今もう核兵器を持っている国は仕方ないけど、今持っていない国は新たに核兵器を開発したり、核保有国から取得したりしたらアカンすよ!」という核の拡散を禁じる条約である。その手段として国際原子力機関(IAEA)の保障措置を義務付けている。

同時に、すでに核兵器を保有している国には核軍縮交渉を義務付けている。

また、核兵器の開発製造は禁じるものの、原子力発電所などの平和的核利用はこれを妨げないことも規定している。

以上の「核不拡散」「核軍縮」「原子力の平和利用」の3つがこの条約の骨子である。

締結国

2021年現在で191の国と地域が批准している。非締結国はインド、パキスタン、イスラエル、南スーダンの4か国。

北朝鮮は1990年代の核開発疑惑の際に脱退を宣言したが、その後の交渉で協定が成立し一時残留した。しかし、2000年代に協定違反のために重油の提供が停止されると、再度脱退を宣言した。

日本の状況

日本は本条約を1976年に批准している。

運用状況について

条約発効当初は期限を25年と区切っていたが、その区切りとなる1995年に無条件・無期限の条約に変更された。

1995年以降、5年おきにニューヨークで運用検討会議が開かれている。2020年の会議は新型コロナウイルスの影響で延期され、2022年に開催された。

批判

不平等条約である

「既存の核保有国の核兵器は認めて、今持っていない国の核保有を認めないのは不平等条約だ」という批判があり、インドとパキスタンはこの主張に従って条約を批准していない。

日本でも批准当時に作家の三島由紀夫が自決寸前に出した檄文で以下のように批判した。

国家百年の大計にかかはる核停条約は、あたかもかつての五・五・三の不平等条約の再現であることが明らかであるにもかかはらず、抗議して腹を切るジェネラル一人、自衛隊からは出なかつた。

ー三島由紀夫ー

核兵器開発・核武装の妨げになる

核兵器を開発させないための条約であるが、その目的自体に批判が及ぶことがある。

日本の場合、中国やら韓国やらの脅威が議論に上がるたび「日本も核武装するべきではないか」という議論が浮かぶが、実行すればこの条約に違反してしまう。そうなれば、大きな批判を受けることは明らかであり、条約から脱退しても同様である。

核共有の妨げになる

核共有(ニュークリアシェアリング)とは、非核保有国内に核保有国の核兵器を配備し、非核保有国もその運用に関われる仕組みの事。

2023年現在、ドイツ、トルコなどにアメリカの核兵器が配備されており、これらが核共有体制となっている。

上記の体制は既成事実化しているが、この体制を日本にも当てはめようとした場合、この条約の「核保有国から非核保有国が核兵器を譲渡してもらってはいけない」という規定に引っかかるため、この条約に加盟している以上できないという主張がある。

しかし、これについてはアメリカ政府は「戦争が始まったらNPTの規制は及ばないので条約違反にはならない」という見解を示している。よってNPTに加盟していても核共有は可能であるという意見もある。

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関連項目

  • 核保有
  • 核兵器
  • 核共有
  • 核武装

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最終更新:2025/12/13(土) 07:00

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