衛宮切嗣とは、『Fate/stay night』シリーズに登場する人物である。
CV:小山力也
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この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
冬木大災害に巻き込まれた幼き日の衛宮士郎を救った人物。
数少ない生き残りである士郎を見つけた時の表情と彼が最期に語った「正義の味方」という理想が後の士郎の生き方を決定づけた。養子として迎えた士郎やよく遊びに来ていた藤村大河と穏やかな日々を過ごし、5年後に士郎に自らの夢を託してこの世を去った。
その素性は、大災害の発端となった第4次聖杯戦争にてセイバーのマスターとして参加していた魔術師。4次の数年前、始まりの御三家たるアインツベルン家に冷酷な殺し屋としての経歴を見込まれ、雇われのマスターとして迎えられる。またイリヤの母親であるアイリスフィール・フォン・アインツベルンとはこの時に夫婦となり、子を成した。
彼の行動方針はおよそ通常の魔術師の在り方から逸脱しており、勝利のためには手段を選ばない。そのため騎士道を重んじるセイバーとは決定的に反りが合わないどころか、彼女を単なる道具として見なしていた(もっとも、切嗣も自分自身を道具として見なしている節はあるが)。
しかし本来は家族思いであり、心優しい人物。彼が正義の味方となってしまったのも、幼少期に故郷を壊滅させてしまったというトラウマと強迫観念によるもの。そのため、闘争という行為自体を激しく憎んでおり(前述のセイバーとの相性の悪さも彼女が戦いを肯定する英雄という存在であるため)、これを根絶するべく最後の望みとして聖杯に恒久平和の願いを託している。
だが、冬木の聖杯は既に「この世全ての悪」に汚染されており、自らの願いが歪んだ形でしか実現されないと知った彼は令呪によってセイバーに聖杯を破壊させ、勝者が決まらないまま第4次聖杯戦争は幕を閉じた。それからは聖杯戦争が二度と勃発しないための措置を施した(だが、第5次聖杯戦争が彼の予想以上に早く開催されてしまったことは皮肉である)。
彼が死去してしまったのも、この世全ての悪によって体が汚染されてしまい、それによって衰弱してしまったからである。
余談だが、幼少期の彼を演じたのは入野自由。初恋の少女であるシャーレイを高垣彩陽、父である衛宮矩賢を千葉一伸、彼の師である女性魔術師ナタリア・カミンスキーを渡辺明乃が演じた。
…どこかで見た配役なのは多分気のせいである。
確実な勝利を得るために、謀略や罠、破壊工作といった非情な手段の数々によって対象を追い詰める。
また、魔術師が忌み嫌う銃器や爆弾等の近代兵器も躊躇無く扱う。中でも魔術礼装として改造したトンプソン・コンテンダーから放つ起源弾を切り札とする。
起源弾とは切嗣の起源たる「切断」と「結合」の二重属性を発現させる魔弾で、被弾した相手に不可逆の変質をもたらす。物理的なダメージこそ大したことはないものの、魔術師の魔術回路を「切」って「嗣」ぐ(修復でないことに注意。適当にくっつけるだけで、治ってはいない)ことで構造を変え、流れている魔力を暴走させることで致命的な損傷を与え再起不能にすることから、切嗣はこの武装の威を以って「魔術師殺し」の異名をとる。この魔弾は、大口径ライフル弾である30-06スプリングフィールド弾を使用している。防弾チョッキ等の個人用の防具では防ぎきれないため、防御するには魔術を使用するしかないのだが、魔術で防御すれば、魔術回路を暴走させられ再起不能となる。まさに文字通り必殺の魔弾であり、物語開始前に37発が放たれ、37人の魔術師が一人も抗えずに斃された。
魔術師としての彼の能力としては、自身の時間流を加速・減速させる固有時制御による高速戦闘やバイオリズムの停滞による隠行がある。仮面ライダーが好きな人ならばクロックアップとかいえば大体伝わる。
これは衛宮家の研究していた「時間操作」の魔術を戦闘向けにアレンジした代物であり、解除後に変化した時間流の反動が一気に負担としてかかるリスクがある為、通常は加速は2倍が限界。
限界を超えて魔術行使を行った『Fate/Zero』終盤の言峰綺礼との戦いは必見である。つーかお前ら人間じゃねぇ。
命を秤にかけ、一人でも重い方が乗った皿を救うために軽い皿を切り捨てる。それはすなわち多数を生かすために少数を切り捨てる行為であり、衛宮切嗣の行動原理である。
切嗣は幼少期に死徒になりかけていた家族同然の少女を殺せずに、それが原因で小さな島一つを壊滅させてしまったというトラウマを持つ。そのトラウマのため、彼は天秤の計り手となろうとし、その結果、人を殺す手段に長けていった。その決意は父を殺し、戦闘術の師でもある育ての親も殺し、そして、妻であるアイリスの犠牲さえ許容するといった形で表に出る。その裏ではすべてを救うことはできないという深い深い絶望を抱え込みながら、である。父を殺めた時点で多くの殺し屋が数年がかりで身に付ける『指先を心と切り離したまま動かす』覚悟を備えていた事も、彼の進む道を決定付ける一因となった。
そして、その行動原理はやがて衛宮士郎にも引き継がれ、英霊エミヤへの道を進むことになるのである。
このように、多を救うために少を切り捨てる彼の正義の味方としての在り方は、まさしく反英雄といえるものである。しかし、『正義の味方としての格』は、英霊エミヤのほうが遥かに勝っているらしい。
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最終更新:2025/12/06(土) 18:00
最終更新:2025/12/06(土) 18:00
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