『Fate/Zero』(フェイト・ゼロ)とは、TYPE-MOONの作品『Fate/stay night』の10年前にあった第四次聖杯戦争をニトロプラス所属のシナリオライター虚淵玄が描いた小説作品である。カバーイラストや挿絵はFate本編と同じく武内崇。
概要
全4巻からなる小説作品。2006年冬のコミックマーケットにて第1巻が頒布され、2007年冬のコミックマーケットにて第4巻が頒布された。これ以降も設定資料集・ドラマCDなどが作られている。
もともとは『Fate/stay night』のファンディスク『Fate/hollow ataraxia』内で予定されていた企画であったが、発展・独立し、全4巻の単行本がTYPE-MOON発行の同人誌としてまとめられた。hollow内ではその予告などが劇中劇・おまけとして存在している。
同人アイテムとして発行されたため一般の書店には流通せず、とらのあななどの同人ショップ、Amazonなどの通信販売サイト、あるいは虚淵玄の所属しているPCソフト開発会社「ニトロプラス」の通信販売などで取り扱われているのみだった。が、2011年1月からに星海社から文庫版として順次刊行され、一般の書店でも手に入るようになった。なお、2010年12月から文庫版公式サイトにて第1巻の全文が順次公開中である。
また、2010年12月にはアニメ化を発表。
2011年10月1日から12月に一期、2012年4月から7月まで二期が放送された。
(これ以降、特に断りなくFate本編という単語が出てきた場合、それは『Fate/stay night』あるいは『Fate/hollow ataraxia』を指す)
Fate/stay nightとの関連
Fate本編の10年前を描くというコンセプトのため、Fate本編で言及された過去の戦いに関する事柄をなぞる展開が多数存在している。例を挙げるならば、「切嗣は人質を取ったり、ビルごと爆破したりした」と言峰綺礼が言及していたことや、セイバーのタコに関する苦戦の記憶、征服王イスカンダルの存在などはそれを覆していない。
その一方、セイバーが聖杯に求めている願いが違うなど、Fate本編に向けた多数の伏線が張り巡らされている。
物語は当然の事ながら多数の解決されない謎(なぜ聖杯が汚染されていたかなど)や、すっきりしないまま放置された事柄(イリヤや桜はその後どうなったのか)が残されたまま終わりを迎える。これらの解決は『Fate/stay night』に任されている。
Zeroは正史か否か
Fate本編との矛盾が数多く指摘されていた。主なものとしては「アイリスフィールの聖杯戦争への参戦」「冬木の大災害を引き起こした人物が違う」「セイバーの戦闘回数」など。この事からファンの間ではFate本編との関連性、主に「正史であるか否か」について長く議論されることになる。
このことに関して原作者である奈須きのこは以下のような発言をしている。
そう、ZEROは正史であり、同時に、『Fate/stay night』とはあり方を別にする伝奇アクションなのだ。
同人版『Fate/Zero』第1巻解説
この四巻をもって「Fate/Zero」は外伝ではなく、まぎれもなく本編に連なる物語となった。
同人版『Fate/Zero』第4巻解説
制作会議の一回目、自分がスタッフさんに語った言葉は以下のものです。
「極端な話ですが、物語性においても映像面においてもzeroとは別のモノと考えてください。
stay nightが目指したものとZeroが目指したものは別のもの。
これを無遠慮に繋げてしまうと物語も空気感も破綻します。
stay nightもzeroも違う作家が書いた違う物語だからこそ、互いを尊重しあえるものなんです」
(中略)
自分はzeroという大仕事を終えてくれたスタッフに「前の仕事の方法論は忘れてほしい」と言ったのです。
Fate/stay nightの再アニメ化について 竹箒日記
Zeroは「stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界」
『Fate/strange Fake』第1巻あとがき
ストーリー
手に入れた者の願いを叶えるという万能の魔法の釜、聖杯。
それをめぐって戦うは7人の魔術師(マスター)と7人の英霊(サーヴァント)。
奇跡を求めるのならば他の6組を倒すべし。戦いの末に聖杯は降臨する。
日本の地方都市「冬木」にて四度目の魔術師達の闘争が始まろうとしていた。
主な登場人物
- 衛宮切嗣(えみや きりつぐ) CV:小山力也
- セイバーのマスター。由緒ある魔道の家系に生まれながら、魔術を便利な道具としてのみ扱う元殺し屋。
- Fate本編では主人公・衛宮士郎の義理の父親であり、本編開始前に士郎に夢を託して他界している。
- 「完全な平和の実現」という非現実的な願いを叶えうる唯一の手段である聖杯を手に入れるため、聖杯戦争を考案した一族のひとつであるアインツベルン家の招きに応じ、マスターとなる。
- 近代兵器を多用するという魔術師としては異端なスタイルによって、数多くの魔術師を殲滅したことから「魔術師殺し」と仇名される。銃器や爆発物といった近代兵器の合理的な運用に加え、時間の流れを自己の肉体に限定して加減速させる魔法域の魔術「固有時制御」を使いこなす。
- 正義の原義をJ.ベンサムの言うような「量的功利主義」に置いているが、自身が家族を持ったことにより「不可能な決断」を抱え込むことになる。作中では切嗣がその狭間で悩み苦しむ姿が描かれている。
- アイリスフィール・フォン・アインツベルン CV:大原さやか
- 本作のヒロイン。切嗣の妻であり、Fate本編のヒロインの一人イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの母親。
- アインツベルン家が作り出したホムンクルスにして、聖杯の器の守り手でもある。聖杯戦争が始まると、娘のイリヤをアインツベルンの城に残して切嗣とともに冬木に入り、彼の作戦のサポート役となる。
- 久宇舞弥(ひさう まいや) CV:恒松あゆみ
- 切嗣の助手を努める冷徹な美女。使い魔操作といった魔術も用いる優秀な兵士。
- 過去に戦場で切嗣に拾われて以来、自らを彼の「部品」と見なし、ひたすら彼の目的のために戦い続けている。
- 作中では切嗣の武器の調達や情報収集、果ては聖杯戦争の鍵とも言えるアイリスフィールの護衛も任させるなど切嗣からの信頼も非常に厚い。
- セイバー CV:川澄綾子
- 切嗣によって召喚された剣の英霊。後に第五次聖杯戦争にも召喚され、Fate本編のヒロインも務める。
- 年端も行かない少女に見えるが、その正体はイングランドの伝説の英雄・騎士王アーサー。滅んでしまった自分の国を救うため聖杯を求め、切嗣の召喚に応じた。が、騎士ゆえに正々堂々とした戦いを好むセイバーと勝利のみを追い求め、その為にはあらゆる手段を行使する切嗣の相性は最悪で、両者は最低限のコミュニケーションすら取れておらず、切嗣の妻アイリが間に入って指示を伝えている。
- 他にも全編を通じて数多くの苦難に直面して思い悩むこととなり、その苦悩はFate本編にも引き継がれた。
- 言峰綺礼(ことみね きれい) CV:中田譲治
- アサシンのマスター。何をもってしても内なる空虚を埋めることができないという苦悩を抱える青年。
- しかし本作中で自らの本性を自覚し、覚醒。Fate本編ではその悪性を存分に発揮し、ルートによってはラスボスを務めることとなる。
- 聖杯戦争開始前にマスターの証である令呪が現れたことにより、父親の紹介で聖杯戦争を考案した一族のひとつ、遠坂家の現当主である遠坂時臣に引き合わされ、彼のサポートをすることになる。異端抹殺を担う代行者を務めた経歴もあり、その戦闘力は人間としては高い部類に入る。マジカル八極拳の使い手。
- 苦悩の答えを、切嗣の自らに近しいと感じるいびつな在り方に求めており、彼に異常な執着を見せる。
- 魔術師としては見習いレベルだが、治癒魔術においてだけは師である時臣を上回る。
- 言峰璃正(ことみね りせい) CV:広瀬正志
- 冬木教会の神父。今回の聖杯戦争の監督役を務める。
- 言峰綺礼の父であり、敬虔な信仰者。良くも悪くも正道の人物であるため、息子の苦悩にまったく気づいていない。
- 前回の聖杯戦争の監督役を務めた際に遠坂家と親交を結んでおり、今代の当主である時臣を裏から支援するため息子である綺礼共々聖杯戦争に臨む。八極拳の達人であり、綺礼の拳法は彼直伝のものである。
- アサシン CV:阿部彬名
- 言峰綺礼が召喚したサーヴァント。Fate本編の真アサシンと同じ「山の翁」ハサン・サッバーハの襲名者。
- 生前はいわゆる多重人格者であり、個々の人格が所有する才能を状況に応じて使い分けて任務を遂行する特殊な暗殺者だったが、英霊となってからはそれら複数の人格を個別に実体化させ、それぞれを独自に行動させることが可能になった。それでもあくまで一個人であることに変わりなく、その極めて特異な能力は「群体」に喩えられる。
- 遠坂時臣(とおさか ときおみ) CV:速水奨
- アーチャーのマスター。聖杯戦争を考案した一族のひとつ、遠坂家の現当主。
- Fate本編では前回の聖杯戦争で死亡したとされており、遠坂家当主は長女の凛が務めている。
- 始まりの御三家の一員として、また魔術師としての最終目標たる「根源への到達」という望みのために聖杯戦争に臨む。
- 聖杯戦争の監督役を務める言峰璃正とは長年の付き合いがあり、その信頼を持って璃正の息子・綺礼を弟子として得るなど全面的なサポートを受けることになる。妻の葵(あおい)との間には2人の娘、凛と桜を授かるが、桜はすでに間桐家に養子に出している。完璧主義でありながら優雅さも持ち合わせ、魔術師としても人間としても一流だが、娘同様肝心なところでうっかりする癖がある。
- 元々魔術師としての才能は飛び抜けたものでは無かったが、徹底した意志を武器に卓抜した技能を身に着けている。宝石に充填した魔力を用い、自らの属性である火の魔術を自在に行使する。
- 遠坂葵(とおさか あおい) CV:伊藤葉純
- 時臣の妻であり、凛と桜の実母。Fate本編では開始前に病死している。
- 良妻賢母を絵に描いたような女性であり、配偶者の血統が持つ潜在力を最大限引き出すという特異な体質を持つ禅城家の出身であることから時臣に求婚された。
- 遠坂凛(とおさか りん) CV:植田佳奈
- 時臣と葵の娘。Fate本編におけるヒロインの一人。凛ちゃんのニーソはぁはぁ
- 幼いながらも既に初歩の魔術を扱えるなど、卓越した魔術師としての片鱗を見せている。
- 聖杯戦争中は母と共に母方の実家のある隣の市に避難している。
- アーチャー CV:関智一
- 時臣により召喚された、あらゆるサーヴァントにとって天敵足りえるサーヴァント。Fate本編でも登場し、その圧倒的な力を見せつけることになる。
- その真名は人類最古の英雄王ギルガメッシュ。英雄が持つ宝具の原典を全て貯蔵してある蔵を所有しており、無数の宝具を撃ち出すことで敵を殲滅する戦いを得意とする。比類ない傲慢さを持ちつつも、臣下として振舞う時臣に譲歩して最低限の指示には従っているようだが…?
- 本作中にセイバーを気に入り、Fate本編と同様に自分のものにしようとしている。
- 間桐雁夜(まとう かりや) CV:新垣樽助
- バーサーカーのマスター。聖杯戦争を考案した一族のひとつである間桐家出身で、狂気じみた間桐の魔術を嫌い11年前に出奔。しかし、魔術鍛錬という名の虐待を受ける桜を救うために舞い戻った。Fate本編の登場人物・間桐慎二の叔父に当たる。
- 間桐家の当主である臓硯に、聖杯の獲得と引き換えに桜を解放するという約束を取り付け、聖杯戦争に参加する。
- 魔術とは縁遠い一般人としての生活を送ってきたため、短期間で人並みの魔術を身につける必要に迫られ、魔力を生み出す刻印蟲を体内に宿すという処置を受けるが、肉体への負担が大きいため余命は幾許も無い。
- 時臣の妻である葵とは幼馴染であり、恋心を抱いていたもののそれを伝えないまま葵は結婚してしまう。
- その上、自分の娘を間桐に養子として差し出した時臣に対しては鬱屈した想いを抱えている。
- 臓硯直伝の蟲使いの魔術を扱い、牛骨をも噛み砕く肉食虫の大群を操る。しかし雁夜にとって魔術の行使とは自らの破滅へと直結する行為である。
- 間桐桜(まとう さくら) CV:下屋則子
- 時臣と葵の実娘かつ凛の妹。Fate本編におけるヒロインの一人。
- 魔術師としての血統が薄れてきた間桐家と娘の才能を無駄にしたくないという時臣の意図の合致から、古い盟約により養子として間桐家に引き取られた。
- 魔術特性を間桐の物に近づけるため、使い魔の蟲による陵辱を受け続けている。
- 間桐臓硯(まとう ぞうけん) CV:津嘉山正種
- 間桐家の実質的な当主。登記上における雁夜の父。
- 長い時を生きる怪人であり、雁夜からは妖怪呼ばわりされている。
- 血統の劣化によりマスター足りうる人材を用意できなかったため、この度引き入れた桜を母胎として次回以降の聖杯戦争に備えるつもりであったが、雁夜の出戻りとその提案を受け入れ、力を与える。
- もっとも雁夜の戦果にはまったく期待しておらず、彼が絶望に喘ぐ様を楽しんでいる節がある。
- バーサーカー CV:置鮎龍太郎
- 雁夜の召喚したサーヴァント。その姿は黒の全身鎧を着込んだ騎士。
- 「手に掴んだ兵器の全てを、まるで自分の宝具であるかのように即座に使いこなす」という能力を持ち、Fate本編のアーチャーとは別の意味でギルガメッシュの天敵。
- 正体隠蔽の宝具によって常に黒い霧で覆われており、そのステータスは隠されている。セイバーになにやら執着があるようだが…?
- ウェイバー・ベルベット CV:浪川大輔
- ライダーのマスター。魔術師の総本山の一つであるロンドンの時計塔にてくすぶっていた学生。浅い家柄とその非才を努力で補おうと奮迅するものの、周囲からは軽んじられている。自分への評価を改めさせるため、かつて自分の研究を否定したケイネス宛の荷であるサーヴァント召喚に必要な触媒を奪い、聖杯戦争に参加する。基本的にヘタレかつ未熟者。背が低い事を気にしている。己の意に従わず、あくまで我が道をゆくライダーに最初は反発していたものの、次第にその「器の大きさ」に感じ入るようになっていく。
- Fate本編には登場しないが、関連作品にて設定のみ登場している人物と同一人物であるらしい。
- ライダー CV:大塚明夫
- ウェイバーによって召喚されたサーヴァント。真名はマケドニアの大英雄たる征服王イスカンダル(アレキサンダー大王)。Fate本編でもセイバーが言及している。
- 傍若無人かつ豪放磊落な巨漢であり、自らの真名を堂々と名乗るなどの破天荒な振る舞いでマスターであるウェイバーや他の陣営を幾度となく振り回す。夢はもちろん生前と同じく世界征服。だが、それは自分の力で為してこそのものであると考えており、聖杯に願う望みは現世における新たなる生、すなわち受肉のみである。
- 現代の世界情勢やハイテク兵器、果ては戦略シミュレーションゲームにまで興味津々。ぱんつはいてない。
- グレン・マッケンジー CV:西川幾雄
- ウェイバーが宿代をケチるために自分を孫だと暗示をかけて寄生した家の主人で、妻のマーサと共に二人暮らしをしていた。ウェイバーの友人アレクセイと称したライダーが現れたときも、真に受けて歓迎会をするなど人が良い。身の丈に合った人生を歩んだ者としてライダーとは違う意味でウェイバーに道を示した人生の先輩と言える。
- ケイネス・エルメロイ・アーチボルト CV:山崎たくみ
- ランサーのマスター。ウェイバーの師である時計塔の魔術師。降霊科の講師を務めるが、召喚術や錬金術といった幅広い分野に通じており、その異才からロード=エルメロイの異名を持つ。魔術師としての経歴に「武功」という箔を付ける為、聖杯戦争に参加する。
- 優秀な魔術師であることが他者への優越と信ずる典型的な魔術師。名門の血統と生まれ持った才によって、挫折知らずの人生を歩んできたために予想外の事態には滅法弱く、高いプライドの為に自分の非を認められないという欠点を持つ。許婚のソラウには一目惚れしていることもあって頭が上がらない。
- 元々はイスカンダルを召還するつもりだったが、その触媒が間違ってウェイバーに送り届けられそのまま強奪されてしまったため、予備の触媒でランサーを召還する。
- 流体操作の魔術に特に秀で、大量の水銀を攻防一体の武装として自在に操る。
- ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ CV:豊口めぐみ
- ケイネスの許嫁。時計塔の降霊学部長を歴任するソフィアリ家の長女。
- その美貌と気位の高い言動から怜悧な印象を与えるが、実際は何かを強く望んだり、拒絶したりすることをせず、そもそもそういった感情の理解すら出来ない精神の持ち主。
- 政略結婚によってケイネスと婚約することにもさして抵抗感はなく、随伴という形で共に聖杯戦争に参加するが、ランサーの魅了によって沸き上がった恋慕という未だかつて感じたことのない激情が彼女を狂わせることとなる。
- ランサー CV:緑川光
- ケイネスによって召喚されたサーヴァント。真名はディルムッド・オディナ。ケルト神話における高名な戦士であり、名誉を重んじ、忠誠を捧げた主のために戦うことを何よりの喜びとする根っからの騎士。長短2本の槍を持つ、二刀ならぬ二槍の使い手。類稀なる美丈夫で、頬にあるほくろには自らの意思とは関係なく異性を魅了する魔力があり、それが生前の命取りとなった。
- 生前、騎士として忠義を全うできなかったことを悔やみ、此度の聖杯戦争で主君への忠誠を今度こそ貫き通し、聖杯をもたらす事を望む。だが、上記の魅了のためマスターの婚約者ソラウを魅了してしまう、ケイネスにはそれに関して激しく嫉妬されるだけではなくそもそも騎士道そのものを信じてもらえていない、とまたしても苦難が待ち受けていた。
- 雨生龍之介(うりゅう りゅうのすけ) CV:石田彰
- 冬木市を騒がす連続殺人鬼で、「死」を知るために殺人を行うと称するシリアルキラー。行き当たりばったりの犯行の割に証拠隠滅は完璧、という明らかに才能の使い方を間違えている男。
- 殺害方法にマンネリを覚えた頃、実家で見つけた古書の記述通りに儀式殺人を行い、偶然キャスターを召喚する。
- キャスターの殺人観に敬服し、主従というより師として仰いでいる。『この世の書き手』たる神を信じ、「神は人間賛歌も絶望も等しく愛しており、故に礼賛も冒涜も信仰として受け止め、そんな世界を永遠と創り続けているのだから、この世界は神の愛に満ちている」という独自の哲学を持つ。
- キャスター CV:鶴岡聡
- 龍之介が遊び半分で行った儀式により、図らずも呼び寄せてしまった怨霊。自らを「青髭」と称する。その正体は英仏百年戦争時のフランス軍元帥にして、聖なる怪物と呼ばれた狂人ジル・ド・レェ。セイバーを生前共に戦ったジャンヌ・ダルクと思い込んでいる。どう見てもFate本編発売前の俺たちです、本当にありがとうございました。
- 宝具能力に依存した召喚魔術師(サモナー)とでも言うべき存在で、宝具である魔導書から次々と水生の怪物を召喚する。それら海魔や宝具そのもの自体明らかにクトゥルフ神話を意識したものだが、著者がクトゥルフ大好きな虚淵玄なので仕方ないね。龍之介には殺人に対する異常な美学や行動様式をリスペクトされ「旦那」と慕われる一方、キャスター自身も独特の世界観を持つ龍之介に対し敬意を表している。マスター共々正式な魔術師ではないこともあって聖杯戦争のルールを守る気は皆無で、自分たちの存在を一般に隠そうともせず児童の誘拐・殺人などの凶行を繰り返した結果、聖杯戦争の監督側からイレギュラーと見なされ、ついには各マスターに討伐指令を下されるまでに至る。
ドラマCD
2008年8月にHOBiRECORDSより発売。全四巻。
音楽担当はニトロプラスのゲームの楽曲を数多く手がけるZIZZ STUDIO。
声優はメインから脇役まで、ほぼアニメ版と同じ。
ED曲は1~3巻はいとうかなこ、4巻は大原さやかが歌っている。
原作と同じ巻数で原作を完全再現しており、1巻あたりのCD枚数は3~5枚と非常に多い。
その甲斐あってセリフから心理描写までひと通り再現することに成功しており、アニメ版と比較しても決して見劣りしない高品質な作品になっている。
コミカライズ
角川書店の月刊誌「ヤングエース」にて、2011年2月号から2017年7月号かけて連載された。全14巻
作画は「真じろう」。あんなシーンやこんなシーンが手を抜くことなくしっかり描かれているのも、青年誌連載ならではだろうか。
また、ヤングエース増刊号の隔月刊誌「アルティマエース」にて、「Fate/Zero 黒」が2011年10月の創刊以来連載されている。作画は「雌鳥」。
テレビアニメ
「分割2クール」という珍しい方式を採用しており、第1期は2011年10月1日~12月(全13話)、第2期は2012年4月~7月の期間に放送された。ニコニコ動画でも第1話「英霊召喚」が10月8日にニコニコ生放送で無料放送された後アップロードされ、以降も各話最初の1週間が無料、それ以降は有料で配信されている。
2012年1月2日にはTOKYO MXで1話~13話が一挙再放送され、うち第11話「聖杯問答」は「オリジナルエディション」として、本放送から加筆修正されたものが放送された。
第1期に関しては、国内の複数TV局の間の放送時差の短縮が試みられた。他の番組では、最も遅い局だと最速放映から一週間以上遅れてしまうことが珍しくない。それに対し、「Fate/Zero」はわずか一日の間に全8局での放送を達成している。
また、ニコニコ生放送における無料配信では、8ヶ国語による字幕の表示が試みられた。内訳は韓国語・中国語(繁体字&簡体字)・英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語である。
2012年3月7日、第1期のBlu-ray BOXが発売される。放送中のTVアニメに関して、映像ソフトを1巻ずつではなくBOX形式で販売することは珍しい。なお、DVDはレンタルのみのリリースとなり、こちらも2011年12月21日より順次解禁される(1期・2期合わせて全9巻を予定)。
スタッフ
主題歌
第1期
- オープニングテーマ「oath sign」
- 作詞・作曲:渡辺翔 / 編曲:とく / 歌:LiSA
- ※第一話ではエンディングテーマとして使用された。
- エンディングテーマ「MEMORIA」
- 作詞:Eir, Fumio Yasuda / 作曲:Fumio Yasuda / 編曲:下川佳代 / 歌:藍井エイル
第2期
- オープニングテーマ「to the beginning」
- 作詞・作曲・編曲:梶浦由記 / 歌:Kalafina
- エンディングテーマ「空は高く風は歌う」
- 作曲:梶浦由記 / 歌:春奈るな
- エンディングテーマ「満天」(18話-19話)
- 作詞・作曲・編曲:梶浦由記 / 歌:Kalafina
各話リスト
初回は一時間拡大SPで10/31まで無料配信されていた。
ミュージカル「Fate/Zero」~The Sword of Promised Victory
2024年11月1日、情報解禁。スタッフ・キャストおよびビジュアルが発表された。全二部作。
制作はネルケプランニング。
キャスト
スタッフ
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