非ユークリッド幾何学 単語


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ノンユークリドキカガク

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非ユークリッド幾何学とは、ユークリッド的でない幾何学の事である。

そのオサレな語感から、少年漫画などで「なんか分からんが凄い理論」のように扱われたりするが、実はそれほどぶっ飛んだ内容ではなかったりする。

ユークリッド的でない概要

ユークリッド幾何学は三角形やら円やらが出てくるいわゆる普通の「幾何学」の事を言う。これは明確にルールが定まっており、長らく数学的厳密さの手本とされてきた。が、全く瑕瑾がなかったわけでもない。唯一の弱点とされていたのが第五公準の妥当性である。

公準5
1本の直線Aが2本の直線B,Cに交わるとする。このとき、同じ側の内角が2直角未満であれば、B,Cを無限に延長すれば何処かで交差する

何を言ってるか分からない?よろしい、ならば図解だ。 

平行線は一つしかない
平行線の図

 

斜めな線はぶつかる(ハズ)
非平行線の図

なるほど。確かにそれっぽい。ただ、どうにも説明がややこしく、もう少しマシな言い方はないのかと小2000年程問い詰められていたのも事実だったわけである。

ところで……こいつを見てくれ。こいつをどう思う?

地球に平行線(?)を引いてみる
チーキュの図

この図に描かれた二つの「直線」は、他の公準を全てパスし、なおかつ第五公準の手続き通りに引かれているにも関わらず、決して交差する事がない。理由は言うまでもなく、直線が引かれている「平面」が曲がっているから、である。

冷静に考えてみると、ユークリッド幾何の要請は「平面はまっすぐでないとダメ」だとか「ループしてるのはダメ」などとは一言も言っていない。というか、そんなものは想定外だったわけだが、 これまで厳密な真理だとされてきたものは、実は人間の勝手な先入観で作られた幻想に過ぎなかったとみんな気付いてしまったのだ。

しかし、この事は逆に幾何学を大きく前進させた。なぜか?つまり、幾何学の本質がルールを定めて何が起こるかを知る、という点にある事、すなわち「俺がルールブック」こそが幾何学の本質であることを白日の下に晒したからである。

時は19世紀。幾何学新時代の夜明けであった。

幾何学あれこれ

上の定義通り、ユークリッド的時空を扱う物以外は非ユークリッド幾何ということになるため、非ユークリッド幾何という幾何などぶっちゃけないのと同じである。LISPかよ!

概要に書いた地球のモデルでは「平行線はいくらでも引ける」というルールだったが、「平行線は二本あった!」幾何学だとか「平行線など存在しない」幾何学、あるいは他のルールを否定した幾何学など、論理さえ矛盾しなければ何でもいい。オサレであればなお結構である。そこにルールがあり、ルールに沿った図があるならば、それはすでに幾何学なのだ。

・無限遠点を加えてみた → 射影幾何

・距離の測り方から疑ってみた → リーマン幾何(相対性理論で使う!)

・表と裏が両方備わり最強に見える → クラインの壺

エトセトラ、エトセトラ……

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