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インテル

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Intel(インテル)とは、世界有数の多国籍半導体メーカーである。

 イタリアのサッカークラブについては →「インテル」を参照。

概要

Intel 商標ロゴ

 主にPC用CPUメーカーとして有名であり、世界初の1チップCPU「4004」を開発した企業でもある。半導体の売上総額ではサムスン電子に次いで現在世界2位。

 イメージCMの「もしも○○にIntelが入っていたら」が有名。
 ニコニコでは、上記CMの繋がりで「ある事柄に対して超人的な腕前を披露している人」「途中までは"それなり"の腕前なのにある瞬間から本気を出す人」「途中から急加速する人」の動画に主に付けられるタグになっている。

 アメリカを本拠地とする多国籍企業で世界中に研究・開発・製造施設があるが、主要拠点の一つがイスラエルにあり(Core2はイスラエルチームの設計)、同国にとって最大の外資系企業になっていることからユダヤ陰謀論者などに非難されることがある。

歴史

 初期はメモリーチップが主力であったが、当時勢いのあった日系メーカーに押されて早くに撤退。代わって、自ら市場開拓したCPUを主力事業とした。

 80年代の初期CPU市場を、激しい競争の末「80x86」シリーズによって席巻。後継ブランドである「Pentium」シリーズ、「Core」シリーズ等によって長年にわたり圧倒的業界トップの座を堅持している。

 殆どの大手メーカー製PCのCM冒頭に「Intel inside(インテル入ってる)」というキャッチコピーが挿入されている通り、大手メーカー製PCの大半に採用されている。

 現在の主なライバルはPC用CPU市場においてAMD、VIA。サーバー用CPU市場においてAMD、IBMなど。

「80x86」から「Pentium」「Celeron」へ

 当初は「80386」など単純な型番だけの製品名であったが、競合他社の製品が似た型番を使う事態が頻発した(例:AMDの「Am386」)。

 単純な型番では商標登録が出来ないため、主力製品に固有名詞のブランド名を付ける必要性が生じ、1993年発売の第5世代製品"P5(開発コードネーム)"系を、ギリシャ語の「5番目」から取った「Pentium」と命名した。

 しばらくして、初~中期版のPentium("P5"と改良版の"P54C")に特定条件で除算を誤る設計ミスが発覚した。最終的に対策版の"P54CS"に無償交換する大規模なリコールに発展したが、この対応が大々的に報道される事によって一般人にも「Pentium」ブランドが認知される結果となった。

 その結果、第6世代("P6"系)に世代交代しても「Pentium」の名前は受け継がれ、PRO(95年)→ⅱ(97年)→ⅲ(99年)と改良が繰り返され、2006年半ばまでIntelの主力ブランドとして名を馳せた。

 「Pentium ii」時代には、低価格帯での競争激化の結果、「Pentium」シリーズからいくつかの付加機能を省略して低価格化したサブブランド「Celeron」が登場。ライトユーザー向けの低価格PC用ブランドとして定着した。

NetBurstの失敗

 2000年発売の「Pentium 4」では、"P6"系の集大成であった「Pentium iii」末期に、クロック(駆動速度)向上競争でAMDの"K7"系CPU「Athlon」に後れを取った反省から、"NetBurst"という基本設計を採用。「1クロック当たりの演算効率は"P6"系や"K7"系より悪いが、クロック数を非常に上げやすいので全体の性能は高くなり、その上クロック数が実際の性能より大きく見える」という物であった。

 しかし、極端なテンポの高クロック化による発熱の増大が、製造技術上の壁と重なった結果として当初の予想以上に深刻化。04年発売のPentium4後期モデル"Prescott"を最後に当時の排熱技術の限界に達し、それ以上のクロック向上や大幅な改良に行き詰まった。

 間に合わせの性能向上策として、「Penium 4」を2個つなげた「Pentium D」が05年に発売されたが、あまりにも熱が酷い上に性能の向上幅も大きくなかったため評判は非常に悪く、「Intel史上最悪のCPU」とまで酷評された。

 これによって、クロック数より計算効率を重視した設計"K8"に転換して成功したAMD社の「Athlon 64」シリーズに、絶対性能と消費電力当たり性能の両方で大敗し、パワーユーザー向け市場とサーバー市場でシェアを大きく奪われる結果となった。

Coreで復活、現在へ

 "NetBurst"系の失敗により、さらにクロック数優先になる予定だった当初の次世代コア"Tejas"は破棄された。代わりに採用されたのが、「Pentium M」の基本設計を拡張し、デスクトップ・サーバーに転用するプランであった。

「Pentium M」は、発熱のためにノートPCへの搭載が困難な"NetBurst"系の代わりに開発されていたCPUで、"P6"系をベースとし、"K8"と同等以上に計算効率優先の作りであった。

 「Pentium M」を拡張した基本設計は"Core"系と名付けられ、06年始めに事実上のプロトタイプとなる「Core("Yonah")」が、夏には完成型である「Core 2("Conroe")」が発売された。

 「Core 2」は「Athlon 64」を上回る性能と「Pentium4・D」のおよそ半分という低発熱を併せ持ち、極めて高い評価を受けて新しいIntelの主力ブランドとなった。一方、「爆熱」という悪評が定着してしまった「Pentium」は主役の座を降り、現在では「Core 2」と「Celeron」の中間として存続している。

 2008年11月16日に、"Nehalem"世代の上位ブランドとなるクァッドコアCPU「Core i7("Bloomfield")」が発売された。"Core"をベースに比較的苦手だったサーバー用機能を中心に拡張されている。

 "Nehalem"および"Westmere"世代の製品は大まかに3シリーズに分かれることが明らかになっており、「Core i7」はその上位。中位シリーズ("Lynnfield")は「Core i7」のコストダウン版で、2009年9月発売。オンボードGPUを統合する下位シリーズ("Clarkdale")は、技術上の問題で"Nehalem"世代ではなく"Westmere"世代からの追加となり、2010年1~3月発売予定となる。

将来

 製品開発の予定表は、非公式な情報を含めると、大まかではあるがかなり先まで明らかになっている。基本的には設計の改良と製造技術の世代交代を交互に行う堅実なプランになっていて、これは両者を同時に行って泥沼にはまり、後継品の開発中止など大混乱を招いた"Prescott"の教訓である。
 08年11月時点で開発コードネームが判明している主力CPU開発計画は以下の通りである。

  • 08~09年"Nehalem"(設計改良) →Core i7
  • 10年"Westmere"(製造技術更新) → Intel Coreプロセッサーファミリー(Core i7/i5/i3)
  • 10~11年"SandyBridge"(設計改良)
  • 11~12年"IvyBridge"(製造技術更新)
  • 12~14年"Haswell"(設計改良)

現在の主な製品

CPU

現行世代

Itanium
メインフレームや、大規模データセンターで使用される大量のデータを即時に処理しなければならないサーバーに用いられる。しかしインテルとItaniumを共同開発したHewlett-Packard、およびHwelett-Packardと提携しているNECぐらいでしかItaniumを搭載しているサーバーを取り扱っていない。そのため世界的にはあまり人気のないCPUであるが、なぜか日本では最新のメインフレームで採用されている。IA-64という命令系統を実装した唯一のCPUであり、IA-32やAMD64という一般PC向け命令系統を実装しているXeon以下とは別系統である。但し今までの資産の継承のため、IA-32の命令系統も実行できる。昔はWindows XPにも64-bit Itanium Editionというバージョンがあったが、Professional x64 Editionの登場にともなって発売が停止された。命令系統が異なるので、当然使用できるOSも異なる。
Xeon
高性能ワークステーションから、CPUが512個もある大規模データセンター向けのサーバーまでカバーするブランド。これより下位はコンシューマ向けである。Xeonで採用された技術が二、三年ほどの期間を空けて下位のコンシューマ向けCPUに採用される流れになっている。最上位の9xxx辺りはItaniumあたりと想定用途がかぶっている気がするのは気のせいだろう、きっと。ミドルレンジクラスのPCワークステーションには一番下位のXeon 3xxxが使われていたりする。元々はPentium IIIのサブブランド、つまりPentium III Xeon ~GHzという使われ方であったが、Pentium4への世代交代に伴い独立したブランドとなった。
Core i7
コンシューマ向けCPUの最上位製品群。1チップに4コア(Gulftownは6コア)を搭載。Hyper ThreadingによりOSからは8コア(Gulftownは12コア)とみなされる。今までのFSBに代わりQPIと呼ばれる規格を新しく採用したり、今までMCH(チップセット)に搭載されていたメモリコントローラをCPUに統合するなど信号規格などが大きく変更されている。最上位のモデルは一般PC向けCPU最速の証である"Extreme Edition"がつけられていて、専用のロゴが与えられている。
2008年秋に"Bloomfield"コア、2009年秋に"Lynnfield"コア、2010年春に"Gulftown"コアの製品が投入された。各製品ごとの差異は表に示す。
Core i5
"Lynnfield"および"Clarkdale"コアの普及価格帯のCPUで、Core2 Quadの後継として位置づけられる製品。700番台(Lynnfield)は4コア4スレッドでGPUなし、600番代(Clarkdale)は2コア4スレッドでGPUを統合している。
Core i3
"Clarkdale"コアの廉価製品。かつてのCore2 Duoの後継に位置づけられる製品群。すべての製品にGPUが統合されている。Core i5 600番台とはTurbo Boost(一部コアが休止状態のときに、TDPの範囲内で他のコアのクロックを引き上げる機能)や拡張命令の非サポートにより差別化されている。
Pentium
かつてのメインブランド。IntelはPentium4とPentiumDのマイナスイメージを払拭すべくCore2ブランドを立ち上げたが、特に英語圏ではPentiumブランドへの根強い信仰が残っていることから、Core2シリーズの廉価版のブランドとして復活、展開されている。最近はCore 2 Duoの廉価版としてPentium Dual Coreが、Core i3の廉価版としてPentium Gが発売されている。

デスクトップ用 "Core i" シリーズをまとめるとこんな感じ。(EE=Extreme Edition、HT=Hyper Threading、 TB=Turbo Boost)

CPU名 モデルナンバー コアネーム 物理コア数
(論理コア数)
HT TB作動幅 統合GPUクロック
ソケット形状 メモリCh. TDP
Core i7 980X EE
Gulftown 6 (12) 266MHz
× LGA1366 3 130W
Core i7 900番台 Bloomfield 4 (8) 266MHz
× LGA1366 3 130W
Core i7 800番台 Lynnfield 4 (8) 667MHz × LGA1156 2 82~95W
Core i5 700番台 Lynnfield 4 (4) × 533MHz
× LGA1156 2 82~95W
Core i5 600番台 Clarkdale 2 (4) 266MHz
733~900MHz LGA1156 2 73W
Core i3 500番台 Clarkdale 2 (4)
× 733MHz LGA1156 2 73W
Pentium G -
Clarkdale 2 (2) × × 533MHz
LGA1156 2 73W

 

旧世代

Core 2
Pentium Mのコアをデスクトップ向けに改良したもの。DuoとQuadの二種類がある。
Celeron
Pentiumの廉価版として登場。キャッシュ容量を削減した結果低価格化が実現された。
Atom
車載PC、超廉価PCおよび組み込み用途に新たに設計されたCPU。開発された目的から現行のCeleron以下の性能しかないが、通常版Windowsを実行できるCPUとしては安価かつ低発熱である。

その他

Centrino
無線LAN、長時間使用可能な低電力性能、それと両立する性能、これら全てを満たすノートPCにあたえられるブランド。CPUはCore2、チップセットはIntel指定の物、無線LANモジュールはIntel Wifi Link 5xxx系統であることが求められる。
vPro
企業での運用管理に向いているハードウェア構成のPCにつけられるブランド。管理者が電源を遠隔操作できたり、ハードウェアレベルでのセキュリティー機能があったりする。vProである場合CPUのロゴマークが通常とは異なるので、一目で判別できる。
Viiv
家庭でのエンターテイメントが十分に堪能できるPCにつけられるブランド。Intelの戦略転換によって過去の物になりつつある。
Larrabee
現在開発中の並列型データプロセッサ。初代Pentiumにあたる"P54C"をベースに従来より大きなベクトル演算器を統合するなどの改良を施したものを1コアとし、それを多数並べてリングバスで接続することにより1つのプロセッサとする。

ニコニコ市場にある商品の一例

 

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関連項目・外部リンク

  • パソコン
  • インテル入ってる
  • AMD
  • インテル(日本公式)
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