『ハイスクールD×D』(ハイスクールディーディー)とは、石踏一榮著作によるライトノベル作品である。
概要
富士見ファンタジア文庫(富士見書房)より2008年9月から2018年3月まで刊行された。全25巻。続シリーズ「真ハイスクールD×D」が2018年7月からスタートしている。2020年2月現在、既刊4巻。
『ドラゴンマガジン』において収録された短編を集めた『ハイスクールD×D DX』が2015年3月から刊行。2022年3月現在、既刊7巻。
2016年よりカクヨムにて『堕天の狗神 -SLASHDØG-』を公開。本作の4年前を舞台にした前日譚となる。
ストーリー
第1章「赤龍帝覚醒編」(原作1~2巻、アニメ第1期)
おっぱい大好きでエロとスケベしか取り柄のない高校2年生、兵藤一誠(以下イッセー)は初めて出来た彼女になぜか殺される。そして駒王学園のオカルト研究部の部長であり、上級悪魔でありメインヒロインたるリアス・グレモリーの手によって下級悪魔「兵士」に転生。そして堕天使との戦いに巻き込まれアーシア・アルジェントと出会い、彼女を救うことになる。
悪魔になって一月ちょっとでリアスの婚約者ライザー・フェニックスとの彼女の婚約破棄を賭けたレーティングゲームに参戦。ゲームそのものは敗れるものの、イッセーはライザーの開いた婚約披露パーティーにカチコミをかけ、ライザーとの一対一の勝負の末に「赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)」を発動させて一時的な「禁手化(バランスブレイカー)」に至り、彼の心をへし折った。これにより、リアスはイッセーを下僕でなく男として意識し始める。
第2章「乳龍帝誕生編」(原作3~6巻、アニメ第2期、第3期)
上記事件から間もおかずに教会の聖剣エクスカリバー盗難事件に巻き込まれ、派遣されてきたエージェントであるゼノヴィアと紫藤イリナのコンビと対立することになる。首謀者である堕天使コカビエルを倒すものの、現在の異形の世界を形作った「聖書の神」が以前の大戦で死していたことを知ることになる。その門でゼノヴィアは転生して仲間に加わった。
教会・悪魔・堕天使の三大勢力の間で会談が行われることになり、イッセーは堕天使の総督アザゼル、そして「赤龍帝」と対をなす存在である「白龍皇」を宿すヴァーリ・ルシファーに出会うことになる。会談の真っ最中に「禍の団(カオス・ブリゲイド)」の旧魔王派が襲撃。ヴァーリもそれに加担しイッセーと戦うが、イッセーはヴァーリの全てのものを半分にする能力を知り、リアスのおっぱいが半分にされてたまるかと激怒。結局その場は痛み分けに終わり、二人は作品を通じてのライバルとなる。かくして三大勢力の間で和平が成り、アザゼルはオカルト研究部の顧問としてイッセーたちを指導する立場となる。
2年生の夏休みを迎え、イッセーは冥界で特訓を積む。ヴァーリ・チームの妖怪黒歌の襲撃を受け、ヒロインの一人塔城小猫を連れ去られそうになるが、リアスのおっぱいをスイッチとして「禁手化(バランスブレイカー)」に至って「赤龍帝の鎧」を纏えるようになったイッセーはこれを撃退した。またこの頃、リアスの眷属の一人である男の娘、ギャスパー・ヴラディの封印を解いている他、紫藤イリナが転生天使となって戻ってきた。
それに続いて、アーシアを狙う上級悪魔ディオドラ・アスタロトの企みを打ち砕くが、その影で動いていた旧魔王派の首魁シャルバ・ベルゼブブによってアーシアを失うことになりイッセーは暴走、「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」を発動してしまう。しかしアーシアはヴァーリ・チームによって助け出されており、イッセー自身も彼を主役にした子供向け番組「乳龍帝おっぱいドラゴン」のテーマ曲とリアスのおっぱいスイッチによって自我を取り戻した。
第3章「英雄(ヒーロー)おっぱいドラゴン編」(原作7~12巻、アニメ第3期、第4期)
2年生の秋、三大勢力の和平を邪魔しに現れた北欧の邪神ロキを、イッセーたちはヴァーリ・チームとヴァルキリーであるロスヴァイセの協力の下に撃退、封印に成功する。一方でヒロインの一人姫島朱乃と父である堕天使バラキエルとの確執を解消したり、主神オーディンに置いていかれたロスヴァイセを転生させて眷属に加えたりした。
修学旅行では「禍の団」の一派である英雄派の急襲を受け、リアス、朱乃らの不在もあって仲間を倒されてしまうが、リアスを召喚してのおっぱいスイッチによって「赤龍帝の三叉成駒(イリーガル・ムーブ・トリアイナ)を発動。英雄派の首魁、曹操を撤退に追い込んだ。
この頃、いつまでも「部長と部員、主と下僕」の関係から進展しないことに傷心を覚えるリアスは、イッセーに答えを迫る。しかし最初の彼女に殺されたというトラウマのせいでどうしても一線を越えられず、二人の関係はこじれてしまう。
同時に悪魔の若手眷属最有力を決めるレーティングゲームがサイラオーグ・バアルの率いる眷属との間で行われた。お互いに戦力を削り合いながらの一進一退の攻防の末に、サイラオーグとの事実上の一騎打ちとなった決戦で、イッセーは過去の赤龍帝の残留思念による「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」発動への誘惑を振り切り、子どもたちの「おっぱいドラゴン」への応援とおっぱいへの想いを昇華させて、「真紅の赫龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション)」を発動。リアスへの想いを公然と告白しつつサイラオーグを正面から殴り倒して勝利。試合後のサイラオーグの後押しもあって、イッセーは改めてリアスに愛を告白、「部長」から「リアス」と呼ぶようになり、晴れて恋人となった。
(以下はアニメ化範囲外につきネタバレ注意!10行改行後に始まります。)
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2年生2学期の中間テストの頃、イッセー(および同じ眷属の姫島朱乃と木場祐斗)に中級悪魔昇格の話が持ち上がり、こちらも試験を受けることになる。イッセーにはライザーの妹、レイヴェル・フェニックスがマネージャーとして就くことになり、「おっぱいドラゴン」としての活動も含めてのマネージメントを任せることになった。一方でロスヴァイセとギャスパーは自らの強化のためにしばらくこの地を離れることになる。
アザゼルとヴァーリ・チームは何と、「禍の団」の首領である少女の姿をしたドラゴン「オーフィス」をイッセー家に連れてくる。彼女は赤龍神帝「グレートレッド」を倒して次元の狭間を取り返すことのみを望んでおり、「禍の団」の実際の活動には全くノータッチであった。実は無垢で基本は善良なドラゴンだったのだ。
中級悪魔試験を終えたばかりのイッセーたちを英雄派と冥府の死神たちが急襲。彼らの狙いはオーフィスの力そのものだった。冥府の主ハーデスの英雄派への助力で呼び出された最強の龍殺し(ドラゴン・イーター)サマエルによってオーフィスは力を奪われ、曹操の技巧を凝らした攻撃の前にグレモリー眷属とアザゼル、ヴァーリ・チームの仲間は次々と倒される。アーシアの懸命の治療で耐えながら、リアスのおっぱいビームなどの新技も活かしつつイッセーたちは虎口を脱しようとする。
だがあのシャルバ・ベルゼブブが再登場して冥界に魔獣を放った上でオーフィスをさらい次元の狭間へ逃げ込む。それを追ったイッセーはシャルバを倒すも彼の放ったサマエルの毒矢によって肉体を侵され死亡。次元の狭間からイッセーの「兵士」の駒だけが戻ってきたことにリアスたちは絶望する。
死んだと思われたイッセーは、そこに通りかかったグレートレッドの肉体を使ってオーフィスの手で身体を再生、「赤龍帝の篭手」に留まっていたイッセーの魂をそれに移すことで復活しようとしていた。
その事実を知らないリアスは部屋に引きこもり、悲嘆に暮れるばかりだったがサイラオーグに活を入れられ、初代孫悟空の助言と魔王アジュカ・ベルゼブブの「兵士」の駒の解析によってしだいに希望を取り戻していく。その中で、アジュカを引き入れようとやってきた英雄派のジークフリートを木場祐斗は倒し、魔聖剣グラムを我がものとする。
冥界でシャルバの放った魔獣を討伐する戦いがはじまっており、他の場所にいたゼノヴィアとイリナ、ロスヴァイセとギャスパーも合流。英雄派の一部が冥界の子どもたちを人質に取る卑劣な手段に出るが、サイラオーグの助勢や隠された実力の一端を見せたギャスパーによって撃破される。ついにそこへ次元の狭間からイッセーが帰還。改めて「兵士」の駒により悪魔転生し、曹操と対決。最上級死神プルートはヴァーリによって倒され、なおイッセーと互角以上の戦いをしていた曹操もイッセーの思わぬ機転により逆にサマエルの毒を浴びせられて戦闘不能となった。魔獣騒動は無事終結へと向かったのである。
第4章「おっぱいドラゴンと愉快な仲間たちの伝説編」(原作13~22巻)
最終章「燚誠の赤龍帝×明星の白龍皇 -駒王学園の真なる龍(ハイスクールD×D)-編」(原作23~25巻、真・1~2巻以下続刊)
…てな感じで原作はまだまだ続くのだが、あまりに長いのでWikipediaの該当ページを読むか、実際に原作を読んでいただきたい。
メディアミックス
みしまひろじによるコミカライズが行われた。全11巻。ヒロイチ、粗製SODAによるスピンオフコミックはそれぞれ全1巻。
2011年4月に、アニメ化企画進行中であることが、公式サイトと作者のブログにて発表された[1]。
第1期は2012年1月より3月まで放送された。2012年9月に発売された13巻には未放映13話がオリジナルアニメBD限定版コミックに収録された。2013年5月に発売された15巻の限定版には第14話が収録されたBDが付録となった。
第2期が2013年7月から9月まで放送された。タイトルは『ハイスクールD×D NEW』。
第3期が2015年4月から6月まで放送された。タイトルは『ハイスクールD×D BorN』。
第4期が2018年4月から7月まで放送された。タイトルは『ハイスクールD×D HERO』。
主要登場人物
兵藤一誠 (CV:梶裕貴) |
主人公。駒王学園2年生。 |
リアス・グレモリー (CV:日笠陽子) |
駒王学園3年生。 |
アーシア・アルジェント(CV:浅倉杏美) |
駒王学園2年生。 ※余談だが、キャラ名の「アーシア・アルジェント」は実在するイタリア人女優の名前に由来している。そのため、キャラ名で検索して3次元の女性の画像ばかりが出てくるのは仕様ですので怒らないように。 |
姫島朱乃 (CV:伊藤静) |
駒王学園3年生。 |
塔城小猫 (CV:竹達彩奈) |
駒王学園1年生。 |
木場祐斗(CV:野島健児) |
駒王学園2年生。 |
ゼノヴィア(CV:種田梨沙) |
駒王学園2年生。 |
紫藤イリナ(CV:内田真礼) |
駒王学園2年生。 |
ギャスパー・ヴラディ(CV:佐倉綾音) |
駒王学園1年生。 |
ロスヴァイセ(CV:加隈亜衣) |
駒王学園教師。 |
レイヴェル・フェニックス(CV:西明日香) |
駒王学園1年。 |
用語簡易解説
※未読・未視聴の方の楽しみを損なわないため、「最低限これだけ理解すれば話についていける」程度の内容に留めています。より詳細な説明が必要な方はwikipediaの記事をご参照下さい。読む気力を削がれるほど情報量が多いです。
- 神器(セイクリッド・ギア)
一部の人間が先天的に宿している、所持者に特殊な能力を与えるシステムの総称。何かのきっかけで発現し、以降は自分の意志で自由に行使できるようになる。一誠が持っている『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』もこの一種。物によっては神すらも滅ぼすことが可能なほど強大な力を持つので、各勢力からその存在を注視されている。 - 悪魔の駒(イーヴィル・ピース)
強大な力を持つ上級悪魔が、チェスの駒を介して下級悪魔に力を分け与えることで自らの下僕とするシステム。この駒を与えることによって、人間などの悪魔でない種族の者であっても悪魔に転生させて下僕とすることができる。
下僕となる者にはそれぞれの適性に応じた駒が与えられ、その駒の種類によって異なった能力が強化される。
(例えば木場は「騎士(ナイト)」なのでスピードに優れ、小猫は「戦車(ルーク)」なのでパワーに優れている。) - レーティングゲーム
悪魔界で行われる、上級悪魔どうしが下僕を率いて実戦形式で対戦するゲームのこと。特別に作られた空間において実施され、戦闘不能となったものは強制的にゲームから除外されるため、これによって死者が出ることは無い。
いわば悪魔界の公式競技であり、これに勝利することで悪魔としての地位が上がったり、また下僕として活躍することで上級悪魔に昇進し自分の下僕を持つことができるようになったりするため、悪魔にとって重要な意味を持つ。
関連チャンネル
関連動画
第1期
第2期
第3期
第4期
関連生放送
お絵かき
アニメ情報
スタッフ
第1期~第3期
- 監督 - 柳沢テツヤ
- シリーズ構成・脚本 - 吉岡たかを(OVAを除く全ての脚本を担当)
- キャラクターデザイン - ごとうじゅんじ
- 総作画監督 - ごとうじゅんじ(1期・2期・3期)、依田正彦(1期1話~8話)→ 藤井まき(1期9話以降・2期)
- 美術監督 - 池田繁美(1期・2期)→倉田憲一(3期)
- 撮影監督 - 笠井亮平(1期)→千葉洋之(2期・3期)
- 音響監督 - 明田川仁
- 音楽 - 中西亮輔
- アニメ制作 - ティー・エヌ・ケー
第4期
- 監督 - 末田宜史
- チーフディレクター - 喜多幡徹
- シリーズ構成 - 古怒田健志
- キャラクターデザイン - うのまこと
- サブキャラクターデザイン - 鯉川慎平
- 特技監修 - 松尾慎
- プロップデザイン - 宮豊
- 美術監督 - 坪井健太(KUSANAGI)
- 色彩設計 - 鈴木咲絵(FINE COLORs)
- 撮影監督 - 石黒晴嗣(グラフィニカ)
- 編集 - 定松剛
- 音響監督 - 明田川仁
- 音楽 - 中西亮輔
- 音楽制作 - ランティス
- アニメーション制作 - パッショーネ
キャスト
- 兵藤一誠 - 梶裕貴
- リアス・グレモリー - 日笠陽子
- アーシア・アルジェント - 浅倉杏美
- 姫島朱乃 - 伊藤静
- 塔城小猫 - 竹達彩奈
- 木場祐斗 - 野島健児
- ゼノヴィア - 種田梨沙
- 紫藤イリナ - 内田真礼
- ギャスパー・ヴラディ - 佐倉綾音
- ロスヴァイセ - 加隈亜衣
- レイヴェル・フェニックス - 西明日香
- 赤龍帝の籠手(ドライグ) - 立木文彦
- アザゼル - 小山力也
- ヴァーリ・ルシファー - 逢坂良太
- レヴィアタン - 清水愛
- フリード・セルゼン - 松岡禎丞
- ライザー・フェニックス - 子安武人
- 桐生藍華 - 山崎はるか
- 松田 - 内匠靖明
- 元浜 - 中國卓郎
- 九重 - 徳井青空
- 曹操 - 鳥海浩輔
- サイラオーグ・バアル - 中村悠一
主題歌
第1期
- オープニングテーマ「Trip -innocent of D-」
- 歌 : Larval Stage Planning
- 作詞 : 桐島愛里 / 作曲 : C.G mix / 編曲 : C.G mix・尾崎武士
- エンディングテーマ「STUDY×STUDY」
- 歌 : Stylips
- 作詞 : こだまさおり / 作曲・編曲 : 高田暁
第2期
- 前期オープニングテーマ「Sympathy」
- 歌 : Larval Stage Planning
- 作詞 : 朝見凛 / 作曲 : C.G mix / 編曲 : C.G mix・星野威
- 後期オープニングテーマ「激情論」
- 歌 : ZAQ
- 作詞・作曲・編曲 : ZAQ
- 前期エンディングテーマ「方程式は答えない」
- 歌 : オカルト研究部ガールズ(日笠陽子・伊藤静・浅倉杏美・竹達彩奈)
- 作詞・作曲・編曲 : ZAQ
- 後期エンディングテーマ「らぶりぃ♥でびる」
- 歌 : オカルト研究部ガールズ(日笠陽子・伊藤静・浅倉杏美・竹達彩奈・種田梨沙・佐倉綾音)
- 作詞 : こだまさおり / 作曲・編曲 : 高田暁
第3期
- オープニングテーマ「BLESS YoUr NAME」
- 歌 : Choucho
- 作詞 : 松井洋平 / 作曲・編曲 : 倉内達矢
- エンディングテーマ「ギブミー・シークレット」
- 歌 : Stylips
- 作詞 : 真崎エリカ / 作曲 : 宮崎まゆ / 編曲 : 近藤圭一
第4期
- オープニングテーマ「SWITCH」
- 歌 : Minami
- 作詞・作曲:Minami / 編曲:AstroNoteS
- エンディングテーマ「モテないくせに(`;ω;´)」
- 歌 : たぴみる
- 作詞:たぴみる / 作曲・編曲:河田貴央
放送局・配信局
第3期
放送局
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配信元
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第4期
放送局
|
配信元
|
各話リスト
第1期
|
第2期
|
第3期
|
第4期
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関連項目
- 兵藤一誠
- リアス・グレモリー
- アーシア・アルジェント
- 姫島朱乃
- 塔城小猫
- ゼノヴィア
- 紫藤イリナ
- ロスヴァイセ
- レイナーレ
- おっぱいドラゴン
- 富士見ファンタジア文庫
- 富士見書房 / KADOKAWA
- 小説作品一覧
- アニメ作品一覧
- 2012年冬アニメ
- 2013年夏アニメ
- 2015年春アニメ
- 2018年春アニメ
外部リンク
- ハイスクールD×D - KADOKAWA
- ハイスクールD×D | ソーシャルゲーム - マーベラス
- アニメ『ハイスクールDxD HERO』オフィシャルサイト
- アニメ『ハイスクールD×D HERO』@hdd_anime - Twitter
- 石踏一榮@ishibumi_ddd - 著者Twitter
脚注
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