京都競馬場とは、JRA(日本中央競馬会)が所有・管理する日本の競馬場である。
1925年に創設。菊花賞と秋華賞、そしてエリザベス女王杯という、クラシック三冠と牝馬三冠の最終戦が行われる「三冠の終着点」であり、数多くの歴史的瞬間の舞台となっている。
2025年の創設百周年を前に大規模改修工事を行い、2023年以降は「センテニアル・パーク(百周年公園)」の愛称が付けられている。
施設概要
- 所在地:〒612-8265 京都府京都市伏見区葭島渡場島町32
- 入場料:200円(京都開催以外の時は無料)
JRA共通入場回数券8枚つづり1000円 (当日券現金発売時のみ使用可) - 開催G1競走:天皇賞(春)、秋華賞、菊花賞、エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ
コースの特徴(芝コースの数値はAコース時)
アクセス
- 京阪電鉄本線 淀駅 徒歩2分 ※直結の通路が完成したことにより雨に濡れずにスタンドまで行ける。
- JR京都線(東海道本線) 山崎駅からバス約20分(15分間隔で運行)
※15時30分以降、山崎駅行きは5分間隔で運行 - 阪急電鉄京都線 西山天王山駅からバス約15分(15分間隔で運行)
※15時30分以降、西山天王山駅行きは5分間隔で運行 - 自動車での来場も可能。近くに駐車場があり、駐車場からゲートまでのシャトルバスも運行。当然ながらG1開催日ともなると大混雑するため、出来るだけ京阪電車を使用する方がよいだろう。
施設
- ゴールサイド(旧・グランドスワン) - 2つあるスタンドのうち、ウィナーズサークルやゴールに近い側の大型観客席棟。パドックもこちらのスタンド側に存在する。
屋外指定席スマートシート、スマートシートプラスと、屋内指定席A・Bはこちら。屋内3~4階の一部エリアは指定席限定エリアであり、スマートシートプラス以上のグレードの指定席チケットがないと入場できない。G1開催日など混雑時は屋外スマートシートの入り口も規制される。
5階以上は報道・馬主等の関係者専用フロアになっている。 - ステーションサイド(旧・ビッグスワン) - 淀駅からの直通ゲートに近い側のスタンド。1999年完成。こちらのみ喫煙可能なスタンドとなっている。一階部分は平日払戻所のクイックエリアとなる他、開催G1競走勝ち馬の記録パネルエリアや、一般入場者向けのフードコート、キッズルームが設けられている。
こちらの屋外スタンドのシートは自由席となっており、入場券だけで利用可能。荷物だけを置いての席の取り置きは禁止。
各種ラウンジ型の指定席はこちら。勿論指定席エリアにはチケットがないと入場できない。 - パドック - 2023年改修で完成した長い楕円形パドック。ゴールサイド2階から繋がる屋上部分は円状の観覧スペース「パドックリング」となっており、360度オールレンジでパドック観覧が可能。
- 芝生広場(旧パドック跡地) - グランドスワン・ビッグスワンの接続部北に位置する円形の人工芝空間。2020年までは全国でも珍しい真円の周回路が設けられたパドックだったが、来場者の憩いの場へ改修された。旧パドック用マルチビジョンは観戦モニターとして再利用されている。
- コントレイル像 - ディープインパクトと親子で無敗三冠馬となったコントレイルの銅像。旧パドックの芝生広場に設置されている。2023年4月6日に同馬の馬主・前田晋二より寄贈された。
- シンザン像 - 「5冠馬」シンザンの銅像。駐車場方面から競馬場への入り口「三冠馬ゲート(旧・シンザンゲート)」のそばに設置されている。
- 三冠馬メモリアルロード - 三冠馬ゲートから続く屋外展示エリア。ビッグスワン内に展示されていた過去の牡・牝三冠馬全ての馬像を23年代改修に合わせて移設し、展示している。競馬開催日のみ入場可能。
- 馬頭観音・ライスシャワー碑 - 各競馬場に存在する馬頭観音の隣に、菊花賞と2度の天皇賞(春)を勝ち、京都開催の宝塚記念で予後不良となったライスシャワーを追悼する碑が建てられている。G1開催日には特に多くの参列者が列をなし、ニンジンや花束を供えるのが恒例となっている。
- Paka Run!(パカラン!) - ステーションサイド1階の親子向け屋内遊具施設。子供向け遊具メーカーのボーネルンド社がプロデュースしている。各回40分の完全入替制で、入場には競馬場イベント参加アプリからの申込が必要。
- 映像ホール(シグネットホール) - ステーションサイド内に設けられた大学の講義室のような小ホール。トークショーなどの会場となる他、開催日は巨大ビジョンでレース映像が放映されている。
- 陽だまり広場 - ステーションサイド隣にある公園スペース。ふわふわドームが設けられており、子供連れで賑わう(熱中症対策のため夏季は休止)。キッチンカーや臨時の屋台の出店は主にこのスペースで行われ、飲食スペースも用意されている。もちろん競馬開催日は長蛇の列が形成される。
- ホースリンク - 陽だまり広場隣にあるエリアで、ポニー試乗イベントや馬車試乗イベントが開催されている。各種イベントへの参加は当日抽選の予約制で、ポニー試乗は年齢制限あり。
- 緑の広場 - 陽だまり広場のさらに奥に存在する広大な公園スペース。公園遊具が数多く並んでおり、こちらも子供連れで賑わう。奥のステージではキャラクターショーも行われる。競馬開催に合わせて行われるイベントの会場としても使われる。
その他
- グルメは競馬場の花だが……「京都競馬場名物グルメ」は「売店のカレー味ホットドッグ」しか思いつかない競馬ファンも多いのではなかろうか。何故かグルメ関連では話題に上る頻度が少ない競馬場である。場内各所には様々なレストランが出店しているので、お気に入りの味を見つけてほしい。
- そのカレー味ホットドッグは2020年代の改修に伴い消滅した。残念!
- フードコートの大手テナントには吉野家・KASUYA・ピザーラ・KFC・バーガーキングなどが参入している。当然ながら競馬開催時は大手テナント・競馬場売店・レストラン問わず、とにかくどの店舗も行列必死。お弁当の持ち込みも考慮したい。
- スマートシートプラス以上の指定席券でないと入れないエリアにも店舗があるため、目当てのレースと相談して計画的に。大手の中ではCoco壱番屋が入場券やスマートシート券では入れない場所にあったが、後に指定席エリアが変更され、一部区画は指定席券が無くても入れるようになった。一部店舗はキャッシュレス決済に対応している。
- 馬場の中央は埋め立てされた巨椋池の名残とされ、弁天島という小島と神社がある。
巨大マルチターフビジョンのほぼ真後ろにあることもあり、あまり気付かれない。 - 2023年のグランドオープンから、他のJRA競馬場に先駆けてQRコード入場券・指定席券に全面移行した。このため指定席・入場券のインターネット予約も新システムに移行。事前予約の場合、スマートフォンに表示させたQRコードを係員に提示して入場する(コードが表示されるのは当日の午前0時から)。当日現金販売の入場券もQRコードチケットで払い出される。
100周年改修工事
2025年に京都競馬場が100周年を迎える記念事業の一環として大規模な改修工事が行われ、2023年3月工事完了。4月22日に再オープンした。細部に関しての残工事は2024年の3月まで行われている。
工事情報について (クリックまたはタップで展開)
告知
工事期間中の影響
- 休止期間中の振替開催は阪神競馬場と中京競馬場で行われるが、例年の京都開催G1は全て阪神で開催された。これにより直線が平坦な中央開催が一時的になくなるため、坂を苦手とする馬はローカル開催にまわっていた。
- 開催中止の間もステーションサイド(旧・ビックスワン)において発売・払い戻しは通常通り行われていた。
工事後の変更点
関西テレビのYouTube動画も参照。
- コースレイアウトの変更は基本的になし。外回りの1600mスタート地点を拡張し、4コーナー付近の半径を緩やかにした以外、大幅な変更は行われていない。
- 固く踏みしめられた馬場の土台部分を掘り起こし、新しい砂に入れ替えた。クッション性が向上し、馬の負担軽減となるほか、水はけの向上も図る。
- 芝コースのゴール板のオブジェは京都競馬場の芝コース部分を模したものになった(外回り内回り、障害コース)。またダートコースのゴール板はダートのコースと内側の池を模したものになっている。またスタンド側から見るとこれらを重ね京都競馬場全体を模した様子になる場所もあるとの事。
- ダートコースのハロン棒の形が△から◇に変わった。
- グランドスワンを全面建て替え。ビッグスワンはほぼそのまままだが、内部メンテナンス等は行われた。
- パドック形状変更。直線部分で馬体や歩様を観察しやすくするのが目的。
トピックス
- 旧パドックの中央には、昭和12年(1937年)頃に付近の小学校から移植された「クロガネモチの木」がそびえ、シンボルとなっていた。2020年改修の際には移植が検討されたものの、樹木診断の結果、新パドックへの移植は断念され、伐採された。当初はこの木材で家具等を制作する予定だったが、予想よりも内部の腐食が進行しておりこれも断念。最終的に文字盤に使用した時計がゴールサイド2Fのスタンドに設置された他、23年のグランドオープン時には木片を埋め込んだ記念カードが来場者にプレゼントされた。
- 2002年からファンクラブ「スワンメンバーズ」が運営されていた。一年間の来場ポイントに応じて限定グッズ・実使用ゼッケン・指定席チケットとの交換が出来たが、2014年いっぱいを持って終了となった。
- 2020年10月はデアリングタクトとコントレイルがそれぞれ無敗での牝馬三冠とクラシック三冠を達成。休止前最後の開催月となった京都競馬場に花を添えた。リニューアル後最初の秋華賞ではリバティアイランドが牝馬三冠を達成した。
- 芝コースのゴール板のコースを模したオブジェの側面にはそれぞれ「OUTER OVAL」「INTER OVAL」「STEEPLE CHASE」の文字が刻まれている。GⅠ競走の際は、その時使われるコースの部分がレース名で装飾される。例えば天皇賞(春)は外回り、秋華賞は内回りにあたる部分のみが装飾されている。
- 2023年に牝馬三冠を達成したリバティアイランドの銅像が製作中。
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