SC-88Proとは、Rolandが販売していたハードウェアMIDI音源である。通称「ハチプロ」。同等の音源部を持つ製品として廉価版のSC-88STProとキーボード付きのSK-88Proが存在する。
概要
1996年に発売。1117音色、ドラム42セットと豊富な音色を備え(含SC-55,SC-88マップ)、当時人気を二分したMUシリーズと比べて弱いとされていたエフェクト機能を強化したSC-88の後継機。当時既にデファクトスタンダードとなっていたSC-55mkII、SC-88との互換性を保っていた事も手伝って大いに普及した(ただしSC-55mkIIについては無印も含め、ロットにより癖が異なるため互換性は完全では無いとされる)。ニコニコ動画では主にVOCALOID以降に出戻りしたDTMerの作品にて使用が確認できる他、上海アリス幻樂団の製作用音源としても有名(同社SD-90、サウンドフォント併用)である。
直接の後継機にSC-8850が存在するが設計が大きく改められているため、公式には上位互換であるもののSC-88Proとの互換性にはやや問題がある。また廉価版であるSC-8820の方がSC-88Proとの互換性は高いと言われている。当時インターネット上で公開されているMIDIデータはSC-88Pro用のものが大部分を占めていたためSC-88Proを使い続ける人は多かった。
現在の評価基準に照らし合わせると波形容量や32kHzサンプルである事、ディジタル出力が出来ない、と時代遅れ感が否めない。特にポピュラー音楽の主旋律に木管楽器を用いたデータはしばしばジャスコと評価される。しかし民族楽器からシンセサイザーまで様々な音色が統一感を持って鳴ってくれる事からDAWへ移行した者の中でもスケッチ用として需要がある。また、レイ・ハラカミは2011年7月27日に他界するまでSC-88ProとMIDIシーケンサEZ-VISION、MTRのみで製作を完結させていた。
2015年1月にRolandからiOS用アプリ「SOUND Canvas for iOS」が発売されているが[1]、SC-88Proの音色マップもちゃんと搭載されている(ただしアプリ上で音色のエディットは出来ない)。
2015年12月にRolandからVSTi(Windows & Mac)とAU(Mac)のプラグインフォーマットに対応した『SOUND Canvas VA』が発売された。[2]
関連動画
関連コミュニティ
関連リンク
関連項目
脚注
- *コンピュータ・ミュージックの定番音源がiOSアプリで復活 ~’90年代に一世を風靡した音源モジュール「SOUND Canvas」を再現~
2015.1.29
- *90年代のコンピューターミュージック定番音源をソフトウエア化 Windows/Mac対応のプラグインソフトウエア『SOUND Canvas VA』発売
2015.12.24
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