TiMidityとはフリーのMIDIソフトウェアシンセサイザーである。単にMIDIプレイヤーとして使われるほか、MIDIドライバーやMIDIデバイスとして動作し、かつ、サウンドフォント(楽器の音が詰まったデータ)を利用して自由に各パートの音色を入れ替える事ができるため、MIDIシーケンサーと組み合わせる事で楽曲の作成にも使用する事ができる。フリーウェアである事もあって、ニコニコに投稿される楽曲で制作にTiMidityを使用している例は少なくないと思われる。
概要
TiMidityとはUnixで開発され、WindowsやMacにも移植されたフリーのMIDIソフトウェアシンセサイザーである。原版のTiMidityの開発はすでに停止しており、その後Timidity++として開発が引き継がれたが、昨今はTiMidity++の更新も停滞している。現在、一般にTiMidityと言えば、TiMidity++の最新版であるTiMidity++2.13.2/2.13.3を指す事が多いと思われるが、このバージョンのMIDIドライバーには下記の通り問題があり、注意を要する。また、TiMidity++bw版という開発継続中のバージョンもある。
TiMidity++の特色は、フリーウェアにも関わらず、MIDIドライバーや単体のMIDIデバイスとして動作し、かつ、サウンドフォントを利用して自由に各パートの音色を入れ替える事ができる点にある。このため、CherryやDominoなどのフリーのMIDIシーケンサー(やMidiYokeなどの仮想MIDIケーブル)と組み合わせる事で、Microsoft Synthesizer(MSGS)とかQuickTimeとかのがっかり音色では決して得られない豊かなサウンドをフリーウェアのみで得る事ができる。そのため、SONARとかCubaseとかのプロい環境に(金銭的・覚悟的な意味で)手を出せない初心者・へたれDTMerなどを中心に、動画中などで特に明示されていない場合でもTiMidityが使用されている例が少なくないと思われる。
なお、サウンドフォント以外で自由な音色でDTMで楽曲制作を行う方法としてはVSTプラグインを用いる方法があり、VSTiシンセサイザーを用いて音色そのものを作成し、さらにVSTエフェクタを多段階にかけるなど、さらに自由な楽曲制作が行えるものの、その分扱いは難しく初心者には大変かもしれない。
TiMidity++を用いたDTMの一例
あるへたれDTMerの制作環境です。ありがちな環境だと思いますが、そうじゃないかもしれません。
- MIDI Yokeをインストール。仮想MIDIケーブルとしてMIDIシーケンサーとの連携に必須。
- Dominoをインストール。環境設定→MIDI-OUT→ポートAに「OUT To Midi Yoke 1」を設定。
- TiMidity++をインストール。TwSynthをスタートアップに登録。
- TwSynthで設定→シンセサイザ→ポート数"1",ポート0「In From Midi Yoke 1」を設定。
- Dominoでちまちまと打ち込んで(これが大変)、一通り作ったら再生してみてニヤニヤする。
- デフォルトの音色に物足りなくなったら、TiMidity++のサウンドフォント探しにGO!(これも大変)
- 以下、ひたすら頑張る。根気の続くうちに完成したらいいなぁ…(トオイメ
MIDIドライバーの問題点
TiMidity++最新版のMIDIドライバーには問題があり、TwSynthではなくMIDIドライバーとして使用する際には要注意。というか、TwSynthの方を使った方がよい。bw版では解決してる…?
MIDIドライバーで曲を冒頭から再生しようとすると固まる
MIDIドライバーが"gm system on"などのシステムメッセージを受け取ると、なぜか固まります。曲を再生する際に曲の冒頭を外して少し後ろから再生するようにすると、とりあえず回避できます。また、これらのメッセージを削除しても一応は音は鳴りますが、これらのメッセージはMIDIプレイヤーに演奏の流儀を指示するとても重要なメッセージであるため、削除したままでは他のMIDIプレイヤーやMIDIデバイスは正しく音を鳴らせない可能性が高いです。
一部のパラメーターが無視される
開発途中のためなのか、Attack Time, Decay Time, Release Timeなどのパラメータが無視されます。前述のパラメータはMIDIプレイヤーとして使用した場合はきちんと反映されるため、同じMIDIを同じTiMidityに演奏させているはずなのに、音の鳴り方が違うという滑稽な事になります。
関連動画
timidityに関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
関連項目
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- 800pt